今、ジャンプラが面白い:「ゴーストガール」と「怪獣8号」
Posted at 21/03/08 PermaLink» Tweet
しばらく保守主義やその関連の書籍を読んでそれらについて書いていたのだが、今読んでいる「明治史研究の最前線」の第3章「思想史研究 政治思想と人物」の感想の後半を書く前に、先に読んでおかなければならないものがあるとわかったのでとりあえず今日はその感想はやめて、別のことを書こうと思う。
最近、あまりマンガの感想については書いていないのだが、マンガ自体はかなり読んでいるし単行本も買っている。今日は最近買った新しいタイトルで面白いと思ったものについて書こうと思う。
最近、面白いと思うマンガが多く連載されているのは、自分が単行本を買ってる作品の数を書くと、ヤングジャンプが9作品、少年ジャンプが9作品、週刊スピリッツが7作品、週刊モーニングが7作品、月刊アフタヌーンが6作品、少年マガジンが5作品になるが、ウェブの「少年ジャンプ+」で連載している作品も4作品買っていて、ジャンプラがかなり面白くなってきた、という感がある。(書いてて思ったが今更ながら買いすぎだな・・・)
ジャンプラで読んでいるのは最近まで「SPYxFAMILY」「早乙女姉妹は漫画のためなら!?」の2作品だったのだが、ウェブで試し読みしたり評判を読んだりして読み始めたのが「ゴーストガール」と「怪獣8号」の2作品だ。
「ゴーストガール」(既刊2巻)はウェブ広告に載っていたのを何となくクリックして読んだのだが絵の感じとストーリー展開、それに主人公のキャラクターが面白く、1話を丸々読んで単行本も読んでみることにした。
「ゴーストガール」は日本が舞台だが、主人公をはじめ登場人物の名前は横文字が多く、無国籍な印象になっている。どこかで横浜が舞台というのを読んだ気がするが。ロリ顔だが28歳の売れない女優・クロエに、ロリコンの残念なイケメン、黄泉の国からきたゴーストリーパーのカイが取り付いて悪霊やゾンビを追い払うオカルトアクションもの。(適切な表現がわからない)
クロエは貧民街の出身で生きるために戦う生活をしてきて、女優を目指して死体役でもなんでもやっているが、悪霊に憑かれた猫のノエルに同情して彼が狂った原因であるプレデターを撃破し、ノエルも懐いてしまう。
パターンとしては、苦労して育った少女がバトルをしながら敵にも同情し、たすけることで味方が増えていくというパターンで、新しいところとしては少女が実は28歳というところだろうか。ノエルも人間化するとイケメンで、敵として出てくるキャラクターも美人またはイケメンなので、まあ目の保養という面でも読みがいがあるだろう。割と筆圧強め系。
魅力的なのはクロエが頭も働くしけなげな感じなところで、イケメンハーレム的なノリになりそうなのにみんなそれぞれ残念なところがあり、ギャグ要素も多いところだろうか。少年マンガの健全性もありつつクロエが「実は酔っ払うとキス魔」という設定も28歳ならではの大人の魅力(?)かもしれない。ていうかこういう設定にするためには主人公を成年にしないといけない時代なんだよなとは思った。
「怪獣8号」はすでに色々なところで評判になっているのであまり解説はいらないのかもしれない。日本に実際に怪獣が「発生する」という世界線において、怪獣を討伐する防衛隊とそのあとを清掃する清掃業者があり、主人公カフカは防衛隊を志して合格できず、清掃業者で働いている。ともに防衛隊を志した幼馴染のミナは防衛隊のスターになっている。燻っていたカフカの前に防衛隊を志す若者・レノが現れ、共に防衛隊を目指すことになるが、小さな飛ぶ怪獣がカフカの口から体内に入り込み、カフカは「怪獣8号」に変身できるようになってしまう。
こういう系統の話というのは日常がどういう設定になっているかというのが作品の雰囲気を決定する部分があるが、この作品では寮の風呂に富士山の絵が描かれているなど、全体に昭和だ。この辺りは「シドニアの騎士」がかなりの遠い未来であるのに居酒屋が出てきたりするのと同じ系統だなと思った。
この話もカフカが普段はギャグ要員でありながらいざとなったら仲間のために命をかけられるヒーロー性を持ってるところが面白く、私はあまりそういうキャラクターの漫画は読んでなかったので面白いなと思った。怪獣であることが発覚すればどういうことになるかわからないのに、どうにもならない仲間のピンチの際にはためらわずに変身して、レノやトップレベルの新人キコルを助ける「侠気(おとこぎ)」みたいなところがいいんだなと思う。
異形のものに変身して人類のために戦うところは「進撃の巨人」の系統だなとは思うが、周りはそれがバレないか心配しているのに本人はいたってカラッとしているところが新しいかもしれないと思った。
というわけで2作とも、今後が楽しみです。
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