「知識社会」と「反知性主義」
Posted at 20/10/14 PermaLink» Tweet
ツイートにはできてもブログにはしにくい内容というのがあって、三つほどそれは連続ツイートで流したのだけど、ちょっと記録的にはブログの方がいいと思って、とりあえずその内容を残すことにした。
一つ目は、ドラッカーが描いた「知識社会」という未来図。農業社会、工業社会、と来て将来の世界は「知識社会」になる、とドラッカーは言っている。この知識社会という未来図がよくわからなくて、またそれに伴う社会の変化というのもピンとこないなと思っていたのだけど、それについてちょっと自分が思ったことを書いておく。
一つは、反知性主義の問題。知識社会という未来図とは裏腹に反知性主義が流行っているのだがそれはなぜだろうということ。ふと思ったのは、これは産業革命に対する反動、機械打ち壊しのラッダイト運動みたいなものではないかということ。つまり、本格的な知識社会が到来する前の、その社会変化に抵抗する人たちの運動ではないかということだった。
しかし、またこの「知識」というものも、我々文系のインテリゲンツィアが考えるような知識というのとは違うだろう。我々の考える知識ではなく、「役に立つ知識」こそが求められている知識であって、我々の持っている「役に立たない知識」はこれから淘汰されていく可能性が強い。
これも産業革命で例えると、それまで主流だった華麗で繊細な手工業の技術は捨てられて、量産に適したものが機械化されて行ったのとにている。だから我々の考えるような知識は、民衆レベル、庶民レベルではほとんど滅ぼされる可能性はある。
ただし、産業革命の時も華麗な手工業技術は貴族たちの愛玩物としては生き残り、それが贅沢品として新たな勝者たちに受け入れられ、またそれが憧れの的になることでブランドとして一般化していくというような経路を、我々の知識も辿る可能性がある。
また、産業革命時代には骨相学だとかの偽科学も流行していて、これもフェミニズム〇〇学などの現代の流行にも通じる。これらはやがて淘汰されていくのだろうと思う。
知識は人間的なレベルでは不十分で、それは機械化されて例えばAIのような膨大な知識と試行錯誤を思考実験できる技術が発達し、それを使いこなせる人が社会階層を上昇していくのだろうと思う。
ただ、「知識社会」の未来像はまだ見えてないことが多いと思う。
例えば、レコードが発明されるまで誰も「録音」という未来を知らなかった。早く走りたいとか飛びたいという願望が自動車や飛行機を生み出したとはいえるが、今聴いてるこの音を未来に残したい、と想像した人はおそらくいなくて、それが実際にできるようになってから皆がそういうことを考えるようになった、という話がある。
だから、まだきっと我々には我々が気がついてない欲望があって、ある画期的な発明で世界が大きく変わる、ということはあるのだと思う。まあ、私などにできることは、できるだけ新しい技術や社会関係の展開に目を配りつつ、自分の持っている知識体系を保存していくことくらいだけど、そういう行為が未来につながっていくといいなとは思う。
二つ目は「鬼滅の刃」の鬼舞辻無惨についての分析。これはまた改めて書こう。三つ目は政治における中道主義について。これも改めて書こうと思っている。
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