明治神宮の森

Posted at 20/09/16

Twitterに書いたことの再録なのだが、明治神宮の森が人工林であることを知らない人も多いと思うので。

大都会に造られた森―明治神宮の森に学ぶ
北村 昌美
第一プランニングセンター
1992-04-11



「大都会に造られた森 明治神宮の森に学ぶ」(農文協、1992)がお勧め。明治神宮が作られたのは大正9年なので、1920年。つまりちょうど100年経った森だということだ。この本が書かれたときにはまだ70年しか経っていない。

明治神宮の森は関東の天然林相である常緑広葉樹林を目指して作られたが、そのためにまずマツのような初期の森林を構成する、直射日光にも関東の冬の乾燥にも強い先駆樹種を混ぜながら各種の針葉樹や落葉広葉樹、常緑広葉樹を混植し、自然の変遷に委ねながら東京付近の自然植生である常緑広葉樹林に誘導するという遠大な計画であり、参拝者の安全のために枯れ枝を切り落としたり参道の落ち葉を林内に戻したりする作業を続けて、「永遠の森」を目指して作られた。

第一段階では主木の上冠木としてアカマツ・クロマツを植え、それに加えてやや低いヒノキ、サワラなどを植え、さらに低いカシ、シイ、クスノキなどを植える。第二段階ではヒノキやサワラがマツを圧倒して林冠支配木になり、第三段階ではカシ、シイ、クスノキなどが支配木になって、その間にスギやヒノキ、稀にはマツやケヤキなどが混生した状態になり、100年で天然林相になるという長期的な展望のもとに作られたのだという。

里山を天然林相に近づけるにはそれなりの手を入れなければならないわけで、この辺は素人の手に負えるものではないなと思う。林業が森を生かすためにいかに必要な仕事かと思った。

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by Luke Peterson

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