人間が主語でない文章は読みにくい

Posted at 20/08/03

まとまったものを読めていないせいもあってなかなか更新できないのだけど、っていうか普通に他のことが忙しいということもあるなと思ったり。あと、梅雨が明けてどうも暑くなって、落ち着いてものを書く気がしなくなっているというのもあるな。世の中いろいろだ。

欲望の経済を終わらせる (インターナショナル新書)
井手 英策
集英社インターナショナル
2020-06-05



「「中国」の形成」を読み終わってから「欲望の経済を終わらせる」を読んでいたのだけどなかなか進まず、なぜ読めないのか考えていたら、歴史というものは普通個人名が出てきてこの人はこういう人だとかこういう考えなのだなと考えながら読む習慣がついているので、こういう経済本みたいなものだと「政府」とか「経済界」とか「大蔵省」とか人間でないものが主語になって書かれているのが読みにくいのだなと思った。こちらとしては、「経済界とは庶民のことを考えない悪の大企業」だとか「大蔵省は庶民から税金を搾り取ることばかり考えている」みたいな見方は持ちたくないのでそういうざっくりとした見方ではなく個人名であげて欲しいと思う部分が強い。

そう意識しながら読み始めたらもう少し深く読めるようになってきた気はする。ただある時期に新自由主義化を推進した人物が経営する企業が後で不況期に破綻したりしているとちょっとざまあみろみたいな気持ちが湧いてきてしまうのだが、ただ従業員は気の毒だし、まあ先見の明がなかったんだなと思うしかない。

それにしてもイギリスやアメリカに比べて日本は新自由主義的な改革に大失敗した例として後世に名を残すだろうなと思う。日本は基本的にケインズ政策が向いている国なんじゃないかという気はする。そろそろ再転換していいのではないか。

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