新自由主義というイデオロギー/蛙を使った祭儀

Posted at 20/07/29

井出英策「欲望の経済を終わらせる」(インターナショナル新書)を読み始めた。

欲望の経済を終わらせる (インターナショナル新書)
井手 英策
集英社インターナショナル
2020-06-05



この本は新自由主義について、さらには自由そのものについて色々と考察されているようだが、まだ序章の途中なのだが「新自由主義はイデオロギーの一つだと考えた方がいい」という指摘があり、これは目から鱗が落ちた思いがした。新自由主義とは何なのか、ということを考えてはいたのだがイデオロギーという言葉が思いつかず、この言葉が実態に最もぴったりくるものだと思った。

そうなると新自由主義者たちは散々馬鹿にしてきたマルクス主義と同じくイデオロギーの徒であるということになるが、これは少し複雑なことに、自分で「私は新自由主義者である」と主張する人は見たことがない。「新自由主義」という言葉はどちらかというと罵倒語に近く、相手にレッテル張して攻撃する言葉になっている、という指摘もまたなるほどと思う。

主にリストラ推進・規制緩和推進・緊縮財政主張・デフレ推進と言ったあたりの人々が一般に「新自由主義者」とされているが、この括りは流石に大雑把すぎるので、もう少し勉強しておきたい所だと思う。

ただ、著者の井出英策氏がググってみると民主党の前原氏のブレーンだとか、岩波新書で「幸福の増税論」という本を書いているということもわかって、ちょっとそのまま受け取るのもまずいのだろうなとも思ったので、しっかり読んで自分の考えと氏の主張の違いのようなところもはっきりさせられるといいなと思った。

***

タンポポの綿毛
藤森 照信
朝日新聞社
2000-03T



最近諏訪の地域史・郷土史に興味があって史跡や神社等によく出かけているのだが、家に藤森照信「タンポポの綿毛」(朝日新聞社、2000)という本があり、なんとなくパラパラ読んでいたら子供時代(昭和30年代か)の高部地区の様子が色々と書かれていて、かなり面白そうだった。高部は江戸時代の高部村で明治以降は宮川村の一部になり、現在では茅野市になっているが、洩矢神の子孫であり諏訪大社の神長官を務めた守矢家の屋敷(一部は現在の神長官守矢史料館)があって、上社本宮のある神宮寺地区(諏訪市)、上社前宮のある小町屋地区(茅野市)に挟まれていて、歴史的にもかなり面白い土地だ。この神長官史料館は藤森先生の設計で建てられているのだが、先生の父君が以前ここで案内をされていて、お話を聞いたことがあった。父君は茅野市内の小学校の先生だったので偶然私の母の子供の頃のことを知っていて、そんな話題も出たりしたことを思い出した。

この本は何ということもない主に子供時代のことを書いたエッセイのようなものだが、藤森先生が子供の頃に目撃した蛙を使った祭儀などについても言及されていて、その辺りもかなり面白いと思った。

今日はメモ程度で。

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by Luke Peterson

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