モーニングページ/方法論との付き合い方

Posted at 20/06/24

2007年ごろからモーニングページというのを書いているのだが、これはJulia Cameron "The Artist's way"(邦題「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」)に出てくるもので、朝一番に自分が気になってることやらなんやらを3ページくらい書き出すというものなのだが、13年くらい続けているけれども、ノートはもう230冊目になっていて、いやまあ続いたものだなと思う。書いたノートは東京の自宅で本棚一段を占拠している。年によっては20冊くらい書いた年もあるのだが、今年はまだ2冊目だ。

というのは、どうも書くのを忘れてしまったり、他にやることを朝から思いついてしまって(今日は裏庭を見たら草が気になったので草むしりをし、他の庭も手をつけたり職場の草が気になってたことを思い出してそちらもむしりに行ったりして、そのあと入浴してドライブに出かけ、このところ凝っている郷土史関係の地籍や地名を確認しながら動いたりしていたので、「朝起きてすぐ書く」みたいになかなかならなくなっていたのだ。

でもブログを書く前に一度モーニングページを書いたほうがいいなとは前から思っていて、今日書きながら思ったのはつまりは「頭と心の内側にあるものを洗いざらいひっくり返してみる」というのがモーニングページの目的だなと改めて自覚して、元々のキャメロンの本に「脳の排水」と書いてあったことを思い出した。なかなかこれは「何を書けばいいか」というのは書き始めてずっと経ってからも分からなくなることがあるし、単なる日記みたいになったり洗いざらいというより思い出し思い出し書いたりみたいになってしまうことも多くて興に乗ってガンガン20ページくらい書いたりすることもあれば2ヶ月くらい全く書かない時もあってまあそれでも続いているのはやはりこういうことをすることが自分にとって必要だからなんだろうなと思う。

先日タイムラインを見ていたら「会議でKJ法が出てくるとうんざりする」みたいなことを見て、気持ちはわからないでもないけどつまりは方法論の精神を参加者が誰も理解してないでやると結構つまらないことになる例だなと思った。こういう思考や会議の方法論というのは誰でも何も勉強しないでもできるように思われがちだけど、そんなこともないのだよな。私は父がやっていたこともあって川喜田二郎先生の著書は何冊か持ってるし、研修に参加したこともあるので多少は感じはわかるし、自分が物を考えるや行動を起こすときに結構参考にしている。だからその辺が理解されないで形ばかりのやり方としてやられているのをみるとちょっと残念だなと思う。

モーニングページは本を読んだだけで実践している「アーチスツウェイ」の一部な訳だけど、多分こういうのもちゃんと先生について学ぶと違うだろうなとは思うのだよな。まあアメリカのこういう方法はスピ系が入ってたりアメリカ的な思考様式・生活様式が前提になっているのでちょっと適用し難いところもあるのだけど、まあ自分なりにアレンジしながらやっている。ただ、ずっと続いているのはモーニングページだけだし、まあそれでもいいかとは思っているのだけど。

方法を学ぶ、というのはいいことだと思うのだけど、方法には必ず広い意味での「思想」がついてくるので、それに対する好き嫌いというのはあるだろうなと思う。でもこれは多分科学や学問も同じことで、例えば歴史学者が歴史付きの人々に時に嫌われるのは「史料批判」という方法論を絶対視するのがある意味カルトっぽく見えるからだし、科学者が人々に嫌われるのも科学的な方法論や手続論にこだわりすぎる(ように見える)からというのはあるのよね。

これは営業の人が「営業の思想」みたいなものに染まり過ぎていたり、スポーツの指導者がその時の理論に、まあ一番始末が悪いのは精神的な根性論だけど、そういうものに染まり過ぎていると周りが迷惑するというところもあるのだよな。

これは教師がなんとなく敬遠されるのと同じで、やはり教育に関する方法論や規範というものがなんとなく敬遠される原因になってたり、その辺を強く主張することで逆に「社会経験がない」などと批判されたりすることにもつながるのだと思う。

まあ方法論や考え方というのはある種の武器なので、武器を振り回している人は周りから見るとあまり近付きたくない人だということなんだろう。

しかしある意味での方法論を持たないと何事も実行できない、やっても行き当たりばったりで行き詰まってしまうというのも確かなので、まあその辺りのところをどう受け入れ、どう付き合っていくのかということは結構考えた方がいいことだとは思うのだよな。

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