自分とは自分でもよく分からない何かの生き物なのだなと
Posted at 20/05/13 PermaLink» Tweet
昨日は書くことに一日こだわっていた感があり、何かに憑かれているような感さえあるが、一晩寝たらだいぶ変わった。
書くと言うのは心の中の、書くと言うこと以外では、ないしは表現すると言うこと以外では使わない筋肉を使う感じがあって、だから書くことによって新たに書くことができてくるし、新たに見えてくることも多い。これは本当の筋肉も同じで、使わないと衰えるし、使ってその筋肉が充実してくると今まであまり考えなかったことをしたくなったり、世の中が違う見え方をしてきたりする。
昨年来ずっとどうもこのままではいけないと思っていて、しかし何をどうすればいいのか分からないままいろいろと試行錯誤で思うことを書き出してみたり図解を作ってみたりしていたのだけど、「文章を書いて形にする」ことの意味というか自分にとっての意義というかが見えなくてとにかくただいろいろ考えさせられた。
つまりは、書くことによってしか切り込めない自分の内奥というものがあり、そこが開放されないと息苦しいというか何かが死んでいく部分があって、書くことへの諦めみたいなものがしばらくずっと付き纏っていた間は、書いていてもそこまで到達できない感じがあったのだなと思う。
まあなんというのかな、今まで書いていたときの多くの感じは「自分が何者かになるために」書くという気持ちが強かったが、今必要なのは「自分が何者かであること」であるという感じだろうか。というか、「何者」以前にただ「自分があるために」「自分が自分であるために」と言えばいいのか。ただ、そう書くとそういう自分のことを自分はよく知っているという感じがしてしまうけれども、本当はあまりよくわかっていない。自分は自分も知らないうちに自分と名付けるのが妥当かどうかも分からない何者かになっていて、自分はそのよく分からない生き物を生かしていかなければならない、という感じと言えばいいだろうか。
昔は自分を知りたいと思った。というか、何者かになるためにはまず自分を知らないと、と思ったのだが、どうもそういう道は多分あまりうまくいかない。他の人はわからないが、自分を知るということは生易しいものではないし、知り尽くすのは多分無理で、そうやっている間に一生が終わってしまうし、そうやっているうちに自分という何者かよく分からない生物は衰え、場合によっては病み、あるいは死んでしまうような気がしてきていた。ただそうなっていたのは、「自分が自分のことをよく知らない」ということを知らないと言えばいいのか、ただ単に「自分は自分でもよく分からない何者かである」ということを把握していない状態だったのだなと思う。
まあ無知の知というか、人間は自分がわかっているつもりのアポロン的なものとよく分からないくらい情熱的なディオニソス的なものの両方を持っている、みたいな言い方をしてもいいけど、多分もっと違う、まだ名づけられていない、あるいは名づけられるのを拒んでいる何者かが本当の自分というものなんだろうと思う。
まあそのように考えてみると、なんだかよく分からないことに変わりはないとも言えるが、少し考えるのが楽になった感じがする。つまり、分からないということがわかったから、という感じか。
これはまあ、数というものを初めて知り、「じゅう」のつぎが「じゅういち」になるということを知った新鮮な喜びのあと、「じゅうく」のつぎが「にじゅう」になることを知り、どんどん考えて、「じゃあ99の次は何になるの?」と母に質問したとき、次は「100」で、101、102と行くんだよ、と言われてさらに世界が広がって、千とか万とかの単位を知って、億、兆、「兆の上は?」と聞くと大人でも知らなくて、京とかその上は自分で調べてついに「無量大数」という言い方に至り、「その上はない」ということを知った。
しかしどう考えても数はもっとあるはずなので、もっとないの?と聞くともう「無限」みたいなものだね、と言われた。無限、というものを初めて知ったとき、どんな感情を持ったかあまりよく覚えてはいないが、数は言い方はなくてもなくなりはしない、という安心感だっただろうか。10の何乗、という概念を知ったのは流石にもっとあとだが、逆に「そんな言い方したら幾らでも言えるじゃん」とちょっとプンスカしたような気がする。恒河沙とか那由多とかいうお洒落な言い方がせっかくあるんだからそれを使えばいいのに、と思ったのだと思う。今考えてみるとその辺私は数学的とか科学的なところよりある意味ファッショナブルなところが昔から好きだったのだなと思った。
まあ、自分というものが自分のよく分からない何かの生き物である、という感じとその「無限」の理解は多分近いものがあるのだなと思った。
そう考えてみるとそのよく分からない生き物にも色々な部分にお洒落な名前をつけるのも楽しいかなと思ってみたり。
まあちょっと最近考えていることとか、今書きながら思ったことを書いてみました。
こういう文章ってなんて言えばいいのかな。エッセイでもコラムでもないし日記と言えばいいのか自動筆記とも違うし。
まあなんかお洒落な名前でも考えてみよう。洒落になってるうちに。
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