今年連載終了した作品の感想を書いてみた
Posted at 19/12/30 PermaLink» Tweet
今年も最後になってしまったが、年末らしくマンガのレビューでも書こうかと思う。今年よかったマンガを書くというのもいいが、今年の印象は、ずっと読んでいた作品が最終回を迎えたケースが多かったので、「今年連載が終わったマンガ」というテーマで書いてみたいと思う。6巻以上続いたもの、という基準で。
「食戟のソーマ」。全36巻。アニメでは連隊食戟までやったけれども、連載ではこのあとノワール編、ブルー編、そしてデザートと続いてエンド。食の感動を性的な興奮で翻訳して表現するというある意味画期的な作品で、ファンも多かったと思う。すごく実直な部分と荒唐無稽な部分が上手くミックスされていた感があったが、終盤はかなり荒唐無稽で、料理の描写すらすっ飛ばしている戦いが多かった。しかしどこでどう使い回されても通用しそうなキャラの立った生徒・料理人が次々と出てきて、なんというか永遠感がある作品になったなと思う。楽しかった。
「ユーベルブラット」全23巻。帝国への復讐、ダークファンタジーという感じで始まったが、途中で仇が闇落ちし、返って正義のヒーローとして「戻る」という展開で、バトルファンタジーとしても一筋縄ではいかない展開だった。海外で人気が高い作品だというが、わかる気はする。
「ハイスコアガール」全10巻。終了したのは去年だったが、最終巻が出たのもアニメの終わりも今年だったので、今年まで引っ張った感はある。日常ファンタジーというか、日常は日常としてあんなにゲームが強いということ自体がある種のファンタジーにも感じたし、大野さんと日高さんという二人のタイプの違うヒロインが最後まで見せてくれたなあと思う。ビッグガンガンでは日高小春を主人公にした「ハイスコアガールダッシュ」の連載が始まり、屈托に塗れたアラサーの小春がこれからどんなゲームとの関わりを見せるのか、楽しみ。ていうかハルオと大野さんはどうなったんだろう。
「Change!」全6巻。お嬢様高校生のラップバトルマンガで、まだまだ先があると思っていたら突然終わってしまい、ちょっと残念。ただまあ、こういうのは言葉を考えるのも大変だし、相当なストックが最初にないと結構厳しいんだろうなとは思った。MCしおりんの前向きなラップは良かった。
「進撃の巨人Before the fall」全17巻。「進撃の巨人」のスピンオフだが、原作の世界を借りて原作より数十年前の世界を描いている。もともとはラノベだったものを、巨人の子=キュクロとその恋人・シャルルを主人公に全体を作り直した感じ。オリジナルとはかなり世界が違うけれども、キュクロもシャルルもラノベよりマンガの方がかなり魅力が増した感がある。
「源君物語」全16巻。光源氏育成作戦、という企画で、女性恐怖症の青年が源氏物語に出てくるキャラに擬せられた女性をものにしていく、というストーリーで、紫の上や女三宮はどうなるのかと思ったが青少年健全条例に引っかかりそうな描写はなかった。なんとなくもやっとした終わり方ではあったが、さてこの先この人の人生はどうなるんだろうなあとか。
「ドロ刑」全7巻。伝説の泥棒と身体派の刑事が付かず離れずで。お姉さんと絡み始めたあたりがどうなるのかなという感はあったが、なんとなくノリを超えないまま行ってしまい、まあそんなものかなで終わった感があった。
「早乙女選手、ひたかくす。」全10巻。初々しい部活カップルの純情が爆発するところと筋肉がフル稼働するところのギャップが魅力、という感じ。最後まで青春の味、みたいな感じだった。これもいつまでもずっと連載されてる気がしてきていた作品。
「はじめアルゴリズム」全10巻。これも年末になって終わることがわかり、びっくりした。最終的に、これははじめとウチダの物語だったんだなと再確認した。でも天才ってすごいよな。
「響 小説家になる方法」全13巻。これも天才少女作家の話。文学ネタが過激なバイオレンスになるという目の覚めるような展開に1巻を読んだ時に超驚いたが、ちゃんと面白いものが面白いと評価される世の中で良かったなと。最後の方はだいぶ丸くなった感じはあったが、世界にケンカを売りにいくのもまた面白いかなとは思った。
「ふたりのおうち」全4巻。これは少し短いけど感想を書きたく。工場勤めの孤独な青年と囲われ者の美容師の訳ありカップル。狭くて陽の当たらないアパートの二人の居場所を見出すが・・・という話なのだけど、彼女の方が自分探しに行ってしまうラストがもう一つ何か違う展開があったんじゃないかなという気がして。でも好きな作品だった。
「レディ&オールドマン」全8巻。不老不死の男・オールドマンとサイドカー付きのバイクに乗るレディ。50年代のロサンジェルスを舞台にしたミステリー。オノナツメさんの絵がストーリーに合ってて良かった。
こうしてみると、今年連載終了した作品には、個性的な作品が多かったなと。どの作品も、楽しませていただいた。ありがとうございました。
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