言葉にしないとわからないのだなあとか
Posted at 19/10/26 PermaLink» Tweet
いろいろ考えることがあってまたなんだか困った感じなのだが、基本は疲れてるんだろうなと思う。普段から忙しいのにイレギュラーなことが入ってくるとまたよくわからなくなるみたいな感じ。
今日は弟の会社の保養施設に母と兄弟とで行くことになっていて、私は6時半まで仕事なのでその後出ることになる。中央道は開通しているから基本的にはそんなに大変ではないが、夜の運転はあまり長時間したことがないので休み休み行こうと思う。
今日は久しぶりに天気が良くて、それに土曜日というのも重なって、街に人が出ていて運転する時にいろいろ面倒くさかったりする。晴れるのは気持ちが良いのだけどそれはみんな同じだからまあそういうのも仕方ないのだが、道の狭い古い田舎の街ではみんなそうなんだろうな。
昨日「ブルーピリオド」の最新話を読んだのだけど、藝大に入学して最初の洗礼を受けるという話。授業で初めて教授の前で一人一人自己紹介するのだが、合格することだけを目指して一生懸命描いてきた八虎とは「次元の違う」話をする同級生たちに圧倒され、「これから先どういう作品を作っていきたいの?」と聞かれて「今日皆さんの作品を見て考え直さないといけないと思いました」と答えざるを得ず、心の底からやばいと思う。
まあ正直、「次元が違う」と言っても二浪も三浪もしているような「同級生」たちの話はなんというか現代アート的なこざかしい話の内容が多くなんだかなあと思ってしまったのだけど、ただこれはこういう場面自分にもあったなということを思い出した。
東大に入って先輩たちによる最初のオリエンテーションが駒場の喫茶店であった時、クラスのメンバーが隣の席でモーツァルトやハイドンについて論じ合っていたりして、「なんだかすごいところに来てしまったな」と思ったのだ。それこそ私も合格するために最善を尽くしては来たけれども、何を学ぶかということに関しては入ってから考えようというところがあり、かなり決め打ちが多い他の同級生たちにやはり心のどこかで圧倒されたところがあったのだなと今更ながら思い出す。私は現役だったが私のクラスは現役が5割、1浪が4割、2浪以上も1割いたのでやはり年齢的にも幼いということは現役で受かった八虎と条件は似ている。
ただまあ、最近いろいろあって、そういう「言葉で語る頭でっかちのこざかしいコンセプト」みたいな物を毛嫌いしすぎてきたなということをブルーピリオドのことを考えながら思えてきたりもした。「やりたいこと」をそういうコンセプトで語るというのはなんか性に合わないというか、もっと言葉じゃなくて、例えば身体のありようで示したい、みたいな感じが強くてそういう「こざかしい言葉で語ること」を自分に禁じてきたところがあったのだけど、逆に自分に足りないのはそこなのかもしれないという気もしてきた。
少なくとも、それをいろいろ実践してみた上でやらないならともかく、なんというか生理的に合わない、みたいな感じでそういうコンセプトとか思想とかによってオリジナリティを表現することを自分に禁じてきたことで自分が相当損をしている面もあるんじゃないかという気がしてきたということだ。もちろん、自分の実感を離れて何かをするということを避けるためにそういうことをしてきたのだけど、やはり身体や実感を超えたトライみたいなものも少なくとも今の状況では試す必要があると思えてきたといえばいいんだろうか。
友人がFacebookでコンセプトをパクられた話を書いていて、その痛々しさとともにそれに賭けてきた気持ちがよくわかったので、自分はそこに賭けては来なかったことが少し残念に感じられたこと、そして村上隆が「SuperFlat」というコンセプトを打ち出したことをすごく大きなことのように書いていてちょっとそれが今までピンときてなかったのだけど、そういうことだったのかと思ったりしたこと、そして今回のブルーピリオド、また自分が教養の頃の一般ゼミの発表で周りから酷評されたことも思い出し、そういうコンセプトの打ち出しに失敗してたんだなと(考えてもいなかったから当然なのだが)いうことに40年弱ぶりに気付いたり、あるいは仕事をやってた時にプレゼン的な場で打ち出したコンセプトを組織側に乗っ取られたと感じたことがあり、まあそういうアイデアの盗用みたいなことも現実に身の回りでも起こってるんじゃないかと感じたりしたことも思い出してきた。
そういう意味でいうと自分の文章に欠けているのもそういうところだというべきなのかもしれないなとか、いろいろ思うことが出てきて、まあ考えることは多い。
まあついでに書いておくと予備校や塾の仕事は「階級上昇支援業」だよなということを思いついたりもしたのでまあやっぱり言葉でコンセプトを書くことはある意味大事だよなとは思った。ただ言葉で掬い切れないところを大事にしたいというところがもともと強いからあまり強くは言わないのだけど、ていうかだからあまりそういう方に走りたくなかったのだよなと気が付きもしたけど、もう少しその辺をトライしていってみてもいいんじゃないかと思ったりしている。
まあ、人間は言葉にしないとわからないからなあ。
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