本を読む力:興味を持ち続ける力と許容するのが難しい文章
Posted at 19/08/29 PermaLink» Tweet
昨日は車の12ヶ月点検に行って、その待ち時間の間は仕事の電話をしたり「古今和歌集の創造力」を読んでいたりした。最近本を読む力が落ちている感があったので、ちゃんと本を読めていること自体が嬉しい。「本を読む力」というのは、結局は「興味を持ち続ける力」なので、感性を働かせながら読み続けられるか否かにかかっている。興味を持てない本というのは出てくる事例ひとつひとつがことごとく癇に障ることもあるから、そういうのはなかなか厳しい。法律とかネオリベ的な経済本とか左翼リベラル系の政治本というのは「一行を読んでは一行に腹立ち、一編を読んでは一編に頭にきぬ」という感じなのでなかなか読み進められない。
以前、父の友人が日本国憲法に関して書いた本があって、それを寄贈されたのだが父が面倒臭がって私に読んで著者に感想を送れと言うので頑張って読もうとしたのだが、数ページ読んだ時点で、「憲法9条はすべての日本人が当然の前提としていると考えていいですね」みたいな表現が出てきてこれはダメだ、と思い、途中で放棄せざるを得なかった。そのことを父に言ったらそのことを正直に書いて感想を送ればいい、と言うので「根本的に考え方と受け止め方が違うと思います」と書いて送ったらその後全く音信がなくなったが、良かったのだろうか。
まあその辺、ニュートラルな歴史本とか文学本は考え方が違っていても割と客観的にこの人はこう言う説、こう言う主張なんだなと受け止められるので読めないことはない。やはり私は政治とか民主主義とか人権とか経済とか国際関係とかそう言うものに関しては自分で自分なりに考え抜いて出た結論を持っているので、それに反するものは許容するのが難しいところがあるんだなと思う。
理系の方の本は、時々アクロバット的な物事の捉え方の飛躍が出てくるところがあって、そう言うのをうまく飛び越えることが難しい時が時々あり、それを理解し飛び越えるには徹底した読み込みと思考が必要になるのでやっている暇がない、と言うことがある。
外国語に関してもそう言うのはあるな。違う論理的前提に立っている感じさせられる言語というのはある。英語とかフランス語とかを読んでいて、著者が当然の前提としているものが見えてきた時、それを自分は受け入れられないなと思うとそれ以上読めなくなる時があり、結構外国語学習の妨げになる時がある。それを受け入れると自分が前提としている世界の枠組みが崩される、というか。
まあ現実に生きているとそんなことはしょっちゅうあって、自分を世間の枠組みの方に合わせざるを得ないことは多くて、それに対して強い拒否感があるから、自分の勉強したい世界の中ではせめてそういうものを受け入れたくない、というのがどうしても先に立ってしまうのだろうなと思う。
まあいろいろだな。
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