「古今和歌集の創造力」:ユニバーサルとローカルの相互運動
Posted at 19/08/27 PermaLink» Tweet
昨日は月曜日なのでジャンプ、スピリッツ、ヤンマガを買って読んだのだが、その感想はきのう書いたとおり。朝8時過ぎに出て免許試験場に免許の更新に。眼鏡を三つ持って行ったが一番最初のメガネでパスすることができた。写真を撮るとき何度か目をつぶって取り直しになった。講習を受けて終わった時には免許はできていたが、前の免許と比べると頭が白くなっていてなぜか赤っぽい顔に写っていて、ちょっと老けたような感じになった。前の写真は眼鏡なしで撮っていたということ、青いシャツで撮ったこと、今回はジャケットを着て行ったことなどがちょっと写りが違う原因かなと思った。次回は気を付けよう。
無事免許の更新が終わったら昼近くになっていて、腹が減ったのでラーメン屋に入って醤油ラーメンと餃子と半ライスで昼食。出かけようかとも思ったが仕様が試験場のみを目的地としたものだったので、家に帰って休憩した。
最近アニメを録画していてもあまり見ていなかったのだけど、ちょっと「Dr.Stone」を見ようと思って第6話から見始めたらはまってしまい、最新話まで見ただけでなくマンガのバックナンバーも読みたくなってkindleで7巻から10巻まで読むことになった。
午後出かけて、日本橋の丸善へ。本を少し物色した後、八重洲ブックセンターまで歩く。マンガや絵の描き方の本を少し見て、東京駅に戻り、大丸の東急ハンズでいろいろ画材などを見たが、ここまで買い物なし。なんとなく歩いていたらお茶屋さんを見つけたので入って煎茶と和菓子のセットを頼んだ。ヤンマーのビルが解体工事中なのが、上から見るとよくわかった。
そのあと北口の三省堂書店でマンガを少し見、早めの夕食を澄まそうとキッチンストリートを見たら親子丼の店があったのでそこに入ろうと思ったけど、まだ腹がちゃんとすいてなかったので丸の内側まで歩いて丸善で本を物色し、鈴木宏子『「古今和歌集」の創造力』(NHK出版、2018)を立ち読みして買った。
最近、というかかなり前からだけど平安前期の状況、漢文・中国文化全盛の時代から国風文化までの流れみたいなものに興味があり、古今和歌集の成立というのはその一つのメルクマールになるものだなと思って読んでいて、奈良時代末期に成立した万葉集ののち、古今集収録の最新歌が読まれた913年までの間の100年余りが古今集の時代ということになるが、万葉のあとは漢文・漢詩全盛の時代で和歌の伝統が途絶えかけていたのが、強力な中国文化マニア?だった嵯峨上皇崩御の直後に起こった承和の変の頃から揺り戻しが起こり、文徳・清和・陽成・光孝の四代あたりが在原業平や小野小町を中心とした六歌仙の時代になり、宇多・醍醐の二代が紀貫之ら選者たちの時代に当たる、という整理が分かりやすかった。
つまり、桓武・平城・嵯峨・淳和・仁明までの四代が漢文全盛、唐風謳歌の時代で、文徳以降が六歌仙の時代、宇多醍醐が選者たちの時代と整理できると。嵯峨天皇の蔵人として薬子の乱以来実権を掌握していく藤原冬嗣は漢詩人としても著名で、その子の承和の変から権力を握り清和天皇の摂政になる良房は古今集にも取り上げられる歌人でもあるから、藤原北家もまた権力争いの中で文化面でもフォローして行っていることになる。
しかし宮廷ではやはり漢文が役所用語であるわけで、和歌はむしろサブカル的な方から地歩を回復して行ったのだろう。万葉以後の数十年は見るべき作品もない中で六歌仙が革新的な過渡期の歌をつくり、それを受けて紀貫之らの一つのメソッドを作り上げていく、という感じを読みながら持った。
この時代は六国史の時代でもあるわけで、持統朝まで取り上げた日本書紀、奈良時代を取り上げた続日本紀、桓武~淳和朝の日本後紀、仁明朝の続日本後紀、文徳実録、清和~光孝の三代実録ということになる。
また藤原基経が昭宣公、藤原忠平が貞信公などと漢風諡号を贈られているように、やはり文化面においても漢風の影響はまだ残るわけだが、このあたりのせめぎ合いのようなものについての研究があったら読んでみたいなと思う。
唐の文明は律令制度など基本的にユニバーサルな世界に適用できるものだったが、後期になって力が弱まると税制も両税法などのより実務的でローカルな方向に変化していくけれども、日本においても源氏物語に見られるように漢才よりも大和魂(実務的な才能)が重視されていく方向に変化していき、ユニバーサルからローカルへという一つの流れがある。
これは現代においてもグローバル化の進展の次には各国それぞれ独自の文化勢力が台頭しつつあることと似たような面が指摘できるのではないか、と思った。
このようなユニバーサルとローカルの相互運動のようなものも興味深いなと思ったり。
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