トルコキキョウ/『奇跡の経済教室』/CDプレイヤー/『ダンス・ダンス・ダンスール』:表現は勇気だ
Posted at 19/08/19 PermaLink» Tweet
昨日は暑かったのだが、午前中西友に出かけて食品を買い出したついでにトルコキキョウの花束を一つ買った。最近原村の人と話をしたときにトルコキキョウはほとんどが原村の生産だという話だったので、これも原村から来たものかもしれない、と思いつつ。花バサミと剣山などの生け花用品がどこに仕舞ったかわからない(花瓶は結構ある)のだが、先日花バサミは買ってあって、剣山は買っていこうと西友の2階の百円ショップで聞いたらオアシスはあるということだったのでそれを買って帰り、見つけ出した二つの花瓶に生けた。一種類だからシンプルだけど、青い背の高い硝子の花瓶にトルコキキョウの白と紫がとても合うなと思った。
午後はどこかに出かけようと思い、お盆の日に出かけて思うところに入れなかった神保町に再度出かけた。買うものはいくつかあって、まずアート関係の古書店で『象徴主義』の解説を書いた本を先日見かけたのでそれを買おうと思っていたのだが、いくつか書店を回るうちにどこで見たのかわからなくなり、結局買えなかった。そのあと東京堂へ行って、先日読了した『奇跡の経済教室』の続きを読もうと中野剛志『全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】』(KKベストセラーズ, 2019)を買った。この本はあとで文房堂の喫茶室で少し読んだが、読めば読むほど今までの経済情勢と政策との関係の中で腑に落ちなかったところが次々に納得されていく音が自分の中でして、これは本当に日本は何とかしないといけないという気持ちになった。
そのあと書泉グランデで埜納タオ『夜明けの図書館』6巻(双葉社)を探していたら『キングダム』の55巻があったのでそれも買った。新巻でも『夜明けの図書館』は棚挿しだったので自分で見つけられなくて、店員さんに聞いた。今読んでるけど、やはりおもしろい。
そのあと文房堂のカフェに。先日行ったときはお盆休みで入れなかった。窓際が混んでいたのでどうしたかと思ったら、大きい方の部屋では展示のセッティングをしていて結構にぎやかだった。その分大テーブルには人がいなかったのでそこに座って本を読んでいたのだけど、なんかこういうセッティングというのはどうも血が騒ぐ部分があるというか、芝居をやっていた時の小屋入り時のようで、本に集中していたのかどうなのかよくわからなかった。
目当てのものは入手したのでさてどうしようと思ってディスクユニオンに行ったら、中古CDやらレコードやらのセールをやってて、CD3枚500円の箱の中から6枚も買ってしまった。『東アフリカの音楽』『西アフリカの音楽』『ニニ・ロッソ』、コールドプレイ『静寂の世界』BOY『MUTUAL FRIENDS』エディ・ハーディン『日暮れまで』。なんだかマニアックなラインアップで、こういうのってなかなかこういう機会でもなければ聞かないな、という感じのもの。
話しは40年ほど前に遡る(いきなり)。1980年、ジョン・レノンが死んだ年だがとりあえずそれは関係ない。私は高3で諏訪に引っ越したのだが、それまでの環境で普通にあったステレオ(当時はオーディオセットをそういった)がなくなったので、親に頼んで買ってもらうことにした。叔父がソニーに勤めていたことがあったので、そのつてでメーカーに頼み、かなりいいものを安く手に入れることができた。それでも30万はしたと思う。アンプにチューナー、レコードプレイヤーにカセットデッキ、それに70センチほどの高さのスピーカセット。スピーカは20年ほど前にウーファーが破れてしまい、処分して新しく小さめのものを買っていて、カセットデッキも同じころに動かなくなってしまったのだけど、ラジオとレコードはそれでずっと聴いている。その叔父も今年亡くなってしまったのだけど。
当時はまだCDが普及しておらず、主にLPを買っていたのだけど、東京に出てきてからもかなり突っ張ってLPしか買わないでいたのだが、あるころからCDも買い始め、ラジカセやCDウォークマンで聞いていたのだけど、PCを使うようになってからはPCで聞いたりしていた。
実家の方ではカーステレオでCDを聞いていたのだけど、自室でもやはり音楽を聴きたいなと思うようになって、昨年ミニコンポを買ったのだがやはり音が良いといいなと思っていて、東京でも、という気持ちもあったのだが何となく買わないでいたのだ。
しかし昨日は、6枚も面白そうなCDを買ってしまい、田舎に帰るまでまともに聞けないというのも業が沸くなと思って、40年目にしてCDプレイヤーを買う決意をした。(大袈裟)神保町周辺には店舗が見当たらなかった(まあもちろん秋葉原へ行けばいいわけだが)ので、家に帰ってから買うことにして夕食の店を探して、なんとなくハワイ風ハンバーガーの店に入ってアボガドとモツァレラチーズのハンバーガーを食べたらかなりおなかがいっぱいになった。
家に帰った時には8時を過ぎていたのだけど、裏のヤマダ電機のアウトレット館はまだ営業中だったので見に行ったのだがどうも思ったものがなく、尋ねてみると棚卸中で入れないところにあるとのことだったので諦めた。ちょっと遠いとは思ったがアリオ北砂まで歩き、ノジマ電機で物色して、本来はDVDプレイヤーだがCDも聴ける種のものが5千円弱であったのでそれを買って帰った。
ステレオにCDプレイヤーを導入していなかった一つの理由はコンボの配線をいじるのが面倒だったこともある。とりあえず勢いで買ってきたので使えてないカセットデッキの配線を外してそれで済ませようとしたがやはりコンポそのものを置いてある位置から引っ張り出さざるを得ず、そうなるとその前に積んである書籍や雑誌類も移動しなければならなくなってかなり引っ越し臭くなり、またコンボの背面も埃だらけでちょっと面倒だったが、とりあえずデッキの配線を外し電源コードを抜いて外に出し、そこにCDプレイヤーをセットして配線を繋ぎ、途中で飽きたのでしばらくそのままにしてスマホをいじっていたらインドにいる友人から電話があって、しばらく話していたら11時を過ぎ、とりあえずセットしてみたらすんなりと動いてくれた。しかもカセットデッキへの配線のままで。
音はいい。やはりラジカセとは違う。6枚のCDをとっかえひっかえしながら聞いてかなり満足し、ついでにモーツァルトやモンゴルのホーミーのCDまで聞いた。
日付が変わりそうな時間に裏のローソンに行ってジャンプとヤンマガとスピリッツを買ってきたが、疲れたせいかジャンプだけ読んで寝た。
朝起きてからヤンマガとスピリッツを読んだのだが、一番よかったのはスピリッツの『ダンス・ダンス・ダンスール』だった。
「自分には表現したいものがない、語れるほどの自分がない、空っぽのハッピーボーイだ」、と悩む潤平に振付師の岩井はプレイヤーでレコードをかけ、その曲に合わせて体を揺する。そのちょっとした動きに潤平は見とれ、「少し身体を揺すったに過ぎないダンスが、何でこんなに刺さる?」と思う。「そもそも本来ダンスなんて、曲があれば勝手に身体が動いてしまう、そんな息をするようなことだ」という岩井。そして「だがハッピーボーイ、振り付けは、そしてダンサーの表現は、「勇気」だ」、という。「今のお前なら楽しいの先に、芸術を体現するその悦楽の触りくらいには立てると思っている」という。
この、「表現は勇気だ」という言葉にはすごく共振するものがある。その勇気のあり方に、その人間というものが現れているからだ。というか、そこにしか表現の本質はないのかもしれない。
達人の手慣れた落書きが読んでいて、あるいは観ていて人を安心させるのは、そこに自らの自信が現れているからで、それは自信があるからこそ踏み込める世界がある、ということではある。人々に迎合しようとする表現はやはりたるんでいて、届きにくい。まあいわれて見たらそんなの当たり前なのだけど、どんなレベルの人にもその人なりに勇気のいる表現というものはあり、まただからと言って開き直りでもなく、また無謀であってもならないわけで、というかそうなると表現が破綻したり妙に小さいものになったりする。
そんなことを考えさせられたこの作品は、今一番私に届く作品だなと思った。
書きたいことはたくさんあるが、とりあえずこんなところで。
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