早朝のドライブ/ランドリオール33巻地下王城ダンジョン編感想
Posted at 19/06/01 PermaLink» Tweet
今朝はなんとなくドライブに出かけ、20号を東に走っていたのだが、不思議なくらい信号に引っかからずに順調に行ったので、もっと早く引き返すつもりが富士見まで行ってしまい、諏訪南インターから中央道に入り、原SAに寄って一区間だけ高速を走って帰ってきた。ちょうど一時間ほどのドライブになったが、たまにはこういうのも気持ちいいなと思った。
***
アメブロで書いているマンガ・アニメブログのコメントでランドリオールのことについて言及してくださっていて、そういえば最近ランドリの感想を書いてなかったなということで、今日は最新33巻あたりの感想について書きたいと思う。
ランドリもDXたちがクレッサールから帰ってきて、ファラオン卿の即位があり、ディアが王の婚約者という地位のまま話が進む。それに関連して31巻ではリゲインたちが留守にしていた期間のエカリープでの出来事の収束、ディアの過去が語られ、今読み直してみるとレーカーベアのあたりからはしっかり覚えていないところが多く、ここのところ忙しかったからランドリも読み込みが足りないなと思った。またもう一度ちゃんと読んでからこの辺の感想もかけるといいなと思う。
今回は32巻183話から始まった地下王城(インヴァース)ダンジョン編について。この辺りは作者さんのゲーム指向がかなり前面に出てきたことが感じられ、ドラクエも1しかやっていない私はよくわからない部分が多いなとは思っていたのだが、話が展開していくうちに未来への要素や過去につながる要素なども出てきてこの先の期待が増してきた。
アシュビー湖畔にある大教会(ランドリ世界の宗教の中心)との関連で地下王城の大哨戒(モンスターの討伐?)が行われることになり、アカデミーの騎士候補生たちも安全な範囲での哨戒に参加することになるが、その最中に地脈に変動が起こり、ダンジョンが自己修復を初めて安全な上層階と危険な下層階の転送(ワープみたいな感じ)ルートがごちゃごちゃになり、わけのわからない事態が起こる、という話。
候補生たちは現役の騎士団員達の引率でダンジョンを踏破していくが、騎士団員達がトラブルに巻き込まれて(石化したり魔女の一撃を受けたり)、候補生のDXとその仲間たちが困難を切り開いて行くという展開になっている。
32巻ラストでは大哨戒には参加しなかったけどイオンと一緒にみんなを迎えにきたルーディーがチャームの能力(ジェムを活性化し治療するなど)があることからライナスに引っ張り込まれ、また変事に気づいたイオンがダンジョンに飛び込むが、DXが行方不明になっている、というところで終わった。
このあたりまでは何と言うかおもちゃ箱をひっくり返したような展開で、ゼクスレン教官らアカデミー関係者だけでなくいままで出てきた女傭兵隊長や戦術家でアカデミーでも教鞭をとるアリス・ケリーとかいろいろな人が出てきて大掛かりな作戦であることは印象付けられた。
33巻に入ると、イオンが本領発揮。DXがおそらく無事らしいということを知ったイオンは、B6にいた六甲、レヴィ、パーヴェル、マグナルに的確な目標を示して指示を出す。またパーヴェルがモンスターの毒にやられたが、アカデミーをスピンドル(小型モンスター)が襲った際に毒を受けたレヴィたちは無事なので、抗体があるか否かだと判断したマグナル(生物学に詳しいパティウス公国の王子)が輸血でパーヴェルを回復させる。このあたりの話はアカデミー騎士団編を思い出して懐かしい。また、DXとイオンについてる忍者の六甲はともかく、イオンと共に戦った経験があるレヴィとパーヴェルがイオンを強く信頼しているのに対し、それを知らないマグナルが戸惑っているのがお約束とはいえ可笑しい。
一方B34に迷い込んだティティ・フィル・竜胆・五十四(いつよ)・ターナー卿のパーティーは竜胆と五十四さんの活躍でモンスターを撃退し続けるが、壁に擬態したモンスターが来る直前に五十四さんがフィルに「反対側から何か来ます」「騎士団のパーティー?」「覚えてフィリップ。これは人の気配ではありません」というセリフがかっこいいと思った。従騎士になるフィルが、たくさんのことを竜胆の護衛である五十四さんから教わっている、というのも何かいいなと。その教わったことを、「五十四さんが帰るまではお前に返す!」と。
そして竜胆の指示で名刀「夜の果て」を取りに行った五十四が戻ってきたとき、ライナスのグループはライナスがティティたちの救援に行ってしまったために戦えるものがいなくなり、ルーディーが五十四から刀を託されて竜胆に届けに行くことになる。
一方、地下深いところで一人迷っているDXに来た救いの手は、王位継承候補であるDXの玉階(王を推挙する役職)であるアニューラスが放った探索用の召喚猫、アイリスだった。このへん、ランドリ世界の知識を復習する感じがいっぱいあって、最近のワンピースのアニメみたいなのだが、もうワンピース級に長期間連載が続いているランドリも時間さえあれば一通り読みなおした方がいい感じになっている。
そのため、「夜の果て」を五十四から預かったルーディーは思いがけずDXと合流するわけだが、六甲を怪我させたことに気づいていたDXは「ふてくされて」いて、それをルーディーに指摘されるところが可笑しい。というか、DXは自分の気づいてないことをフィルやライナスやルーディーによく指摘されてちょっと凹むことが多いのだけど、ルーディーの指摘が一番和むところがある。この辺、幼少時代にルーディーを女の子と勘違いしてDXが求婚した件を思い起こさせる。
33巻では単行本になって連載からプラスされた部分があるのだが、「ちょっとぼーっとした」というアニューラスの言う印象しかなかった神官騎士長が実は超有能だということが明らかにされていたり(6ページ分)、レイが王城の地下書庫で遭難しかけるエピソードが追加されて(2ページ分)いて、このあたりは物語に広がりが出た感じがした。
結局DXとルーディーはライナスを含むティティ・フィル・竜胆のパーティーに合流し、ここから「いつものメンバー」のパーティーになって、まあなんというか、「待ってました!」の水戸黄門パターンというか、「はじまるぞ〜!」という雰囲気が立ち上ってくるのが長期連載の重みだなと思った。
そこで王の名代であるディアがアカデミーを訪れティティとテレパシーでつながるトリクシーを連れて行くのだが、イオンのことも含めて寮監のR・ケリーと話していると寮監は「あなたは騎士候補生に女子枠でもつくるつもりなの?」と言うのに対し、「それはとてもいいアイディアだわ!」というところが、物語世界の展開の未来みたいなものを感じさせた。
また、王城の地下からたくさんの過去の騎士たちの人骨が湧いて出るあたりは、アトルニアの歴史との関連が出て来るのかなとも思えるし、ランドリオールというストーリーは歴史との関わり合いの中で今を生きる少年少女たち、という側面が大きくて、そのあたりがとても面白く、どんな話の伏線になるんだろうなと期待してしまう。
ラストは迷宮庭園で休息した「いつものメンバー」が、DXをパーティーリーダーに選ぶが、その時のライナスの「DXはリーダーにしとくべきだ。全員で帰るためには」というのが意味深で、DXが指揮官として有能だという意味なのか、指揮官としての責任を与えておかないとDXが何をするか分からないという意味なのか、まあこのあたりは先に行ってわかるかな、と思った。
プチリオールはユージェニと共に魂の浄化に来たクエンティンがハイネフィの海岸でユルドゥ(遠雷)という馬と出会い、精神をつなげて危機を救われる話。ユルドゥの姉はフルムという名で、砂竜の竜脈に沈みかけて魂が死にかけた、とあったが、これは31巻のプチリオールに出てきていた。この姉妹の活躍はまだこれからだろうけど、今は色々伏線を張っている段階なんだなと思った。
ラストのact59.5はどこかで読んだ覚えがあるのだが、どこだっただろうか。
ここまで読んだ感想としては、ランドリ世界もDXの親(リゲイン・ファレル)たちの時代から続く話、「革命を終わらせる」話がメインイベント感があっただけに、それが終了した後の再スタートがゆっくりと進んでいる感じだ。この巻に来て革命以前のアトルニアの建国以来の歴史とか、これから続くファラオン王時代のDXたちの冒険譚と、まあ言わば「女子の社会進出」みたいな話?が未来への要素としてどう編み上げられていくのか楽しみになったし、またそこに前王の血を引く王女ユージェニとアトルニアをひっくり返す陰謀を企てて事実上追放されたクエンティンがどのように物語に関わっていくのか、と関心が掻き立てられた。
ランドリ世界には明確な敵とか悪役はあまり出て来ず、その中でも最大の悪役がクエンティンだったわけだけど、その彼が浄化されて行くことでまた違う展開が生まれるのもやはり何か希望を感じさせて、楽しみにしたいと思う。
なんというかまあ、「過去の清算」だけでなく「新しい冒険」はやはり読みたいし、そしてその「新しい冒険」もまた、過去との延長線上に紡がれていくものだから、時間のあるときに通して読み直してみたいなと思った。
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