「承久の乱」/四番町図書館と番町あたり/メイ・サートン「海辺の家」/個性的な図書館と新刊書店
Posted at 19/02/20 PermaLink» Tweet
やらなければいけないことはたくさんあるのだが、「源頼朝」「源実朝」「承久の乱」と読んできて、このシリーズ?を読むことにどうもスイッチが入ってしまったらしく、昨日買った「承久の乱」をもう48/264ページ読んでしまった。今までのところはまだ承久の乱の前史、院政史と鎌倉幕府権力成立のまとめみたいな感じで、今は後鳥羽上皇の朝廷の様子などを読んでいるところ。新古今和歌集の選定のところ。
朝廷の重要な事項は白河院政の前半、堀河天皇崩御までは内裏の近衛陣座あるいは清涼殿で審議されたが、院政の後半、つまり鳥羽天皇即位以降は院の御所で行われることになり、院の御所で行われる会議が最高決定機関になった、という説明が院政の成立に至る過程がわかりやすく説明されているように思った。
院政は上皇の専制のように思われているが、実際には上皇と摂関、天皇のバランスの上に成り立っていて、摂関が若く天皇が幼い場合に特に上皇が専制権力を振るう、という説明もわかりやすかった。具体的には政務に意欲を持っていた堀河天皇が崩御し、幼い鳥羽天皇が皇位につき、鳥羽天皇の外祖父に当たる閑院流の藤原公実の摂政就任を退け、摂関を外戚関係に関係なく道長の子孫の「識」とみなして藤原忠実を堀河天皇の関白から鳥羽天皇の摂政にスライドさせることにより忠実を従えた、というのが白河院政の確立ということになると。
それを考えると後白河院がなかなか朝廷内で権力を確立できなかった事情もよくわかるし、鳥羽法皇と崇徳上皇の確執が騒乱を招いたこともわかりやすい。
ぼちぼち読んでいこうと思う。
***
月曜日は「山月記はなぜ国民教材になったのか」を返却しようと昼ごろ出かけて東陽町の駅前のとんかつ屋でひれかつ定食を食べた後、東西線に乗って出かけて、さて、どこの図書館で返そうかといろいろ考えた結果、四番町図書館に行ってみようと思って九段下で半蔵門線に乗り換えて半蔵門で降りて歩いた。
番町のこのあたり、歩いたことがなかったなと思いながら四番町図書館を探して、坂の写真とかを取りながら歩いたが、わりと人が歩いていて、雰囲気が普通の住宅地とは違うなと思ったり。四番町図書館はそんなに大きくはないが書棚が個性的というか私の読みたくなる感じの本が読みたくなる感じの配列で並べられていて、とてもよいと思った。その中からメイ・サートン『海辺の家』(みすず書房、1999)を借りた。これは作家の日記だが、少し読んでこういう感じで書く書き方は自分が日記やそのほかの文章を書くときのヒントになるなと思ったところがあった。「アメリカ人的な大袈裟さ」と私が呼んでいるものはこの作家にもあったのだけど、そうでない部分で感性のあり方が共感できるところがあり、とてもよかった。
図書館を出るとはす向かいが少し古いたたずまいを持つ九段小学校で、そうかここも九段なのかと思う。それでは番町小学校はどこだろうとグーグルマップを見たら歩いていけそうだったので歩いて行ってみる。ちょうど下校の時間なのか保護者と思しき人たちが学校の外で待っていた。見た目は普通の小学校で、「日本で一番有名な公立小学校」だったことがあるとはあまり思えない感じ。さらに四谷の方へ歩くと双葉高校、いや小中もあるが、があって、これが女子御三家かと思いながら四ッ谷駅に出た。
これからどうしようと思ったが千駄木の書店に行きたくなり、お茶の水までJRで行って新御茶ノ水から根津に出、歩いて往来堂へ行った。四番町図書館に比べると何というか趣味というよりはこういう本を売りたいんだなという感じの品ぞろえで、それはまあ書店だから仕方ないのだけど。この店は書籍もマンガも個性的な品ぞろえで定期的に行きたくなるのだけど、今回は一通りぐるっと見てとりあえず欲しいのは見つからず、買わなかった。
四番町図書館は「こういう本を読むといいですよ」という感じのプッシュがかなり感じられ、そのあたりはなかなか最近の図書館にない気骨を感じた。『逆説の日本史』もそろっていたけどちょっと浮いてる感じだった。それはやはり少し古めの本がたくさん並んでいるからで、時流にあまり迎合していない感じがよかったのだが、書店だと新刊書ばかりだからそのあたり、「最近の本が持っているある種の騒がしさ」みたいなものを感じてちょっとうるさい感じがしてしまうのは仕方ないと言えば仕方ない。
どこかでお茶をしようと思ったがよい店が見つからず、千駄木から千代田線で大手町に出て丸善丸の内本店の三階カフェでビーフシチューを食べた。
「海辺の家」、じっくり読んでみたいと思う。
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