雪の朝/むつき潤「バジーノイズ」

Posted at 19/01/26

今朝は5時に目が覚めて、そのまま起きて、散歩に行こうと外に出たら雪が積もっていた。とは言っても5センチ程度だったのだが。で、そのまま雪かきをして、それから散歩に行って朝ごはんを買ってきた。うちのある場所は斜面なので行きは下りでいいのだが帰りは必ず上りになるから息が切れる。冬というのは思いがけない仕事が増える。とはいえ、この冬は暖冬だし今のところ雪も少ないのでありがたいのだが。
マンガのことについて多少書こうと思って、まだみんなあまり知らないかもしれない面白い作品は何かなと考えて、思い当たったのがむつき潤「バジーノイズ」。スピリッツに連載中で単行本は2巻まで出ている。一人で音楽を作っている主人公・清澄の日常に、音楽が好きなショップの店員・潮と出会う。潮は部屋を追い出された清澄を自分の部屋に受け入れ、清澄の音楽をみんなに聞いてもらおうと様々に動き出す。そして最初は潮に引っ張り回されていただけだった清澄も自分から動き出して・・・というようなストーリー。

今書いてみると典型的なボーイ・ミーツ・ガール作品なのだけど、素敵なのは音楽の描写。清澄の音が流れ出すと空気が変わる。というか空気がきらめいてくる。その描写がとてもよく、潮も潮と清澄を取り巻く人たちも動き出していく。

舞台は神戸。コンクリートの海岸が清澄のスタジオで、その場所が繰り返し出てくる。パソコン一つで音楽を紡ぎ出していく清澄。とても現代的でありながら、自分の80年代の青春時代の要素、でも多分これはコテコテの熱い女・潮のイメージが重なっているのだろうなと思う。

絵はとても詩情があっていいのだけど、誰の絵に近いかと考えてみたらちょっとひさうちみちお的なところもあるかなと。関西方面からの連想もあるかもしれないけど。同じ音楽が扱われている伊藤重雄「チョコレートスフィンクス考」も思い出したり。でもポップカルチャー的なスクリーントーンを色づくりの基調にした一時期の江口寿史的な要素もある絵作りも、清澄の生み出す音楽と同じ生まれながらのデジタルな懐かしさみたいなものもあったりして、でもその中でよく動く潮が引っ張り出す周りの人の個性がこのポップな世界にお洒落だけでない熱を生み出していて、その辺が「ストップ!!ひばりくん」とは違う関西的な世界を生み出しているのかもしれない。

音楽マンガ、バンドマンガは今とても面白いものがいくつかあるのだけど、今簡単に紹介できるのはこれかな。「バジーノイズ」面白いです。



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by Luke Peterson

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