意思の疎通の難しさとか本来意思なんか疎通してたんだろうかと思ったり
Posted at 18/11/18 PermaLink» Tweet
10月21日にブログを書くのを再開して以来、毎日書くことを目標に書いてきてはいたのだが、ここの所なかなか書けない日が多く、飛び飛びになってしまっているのだが、少し角度を変えて書く内容のバリエーションも増やしていこうかな、と思った。
もともとツイッターで書いたことを基に書くことも多いのだけど、今日もそういう内容にすることにした。というか、あまりツイッターでも書いてはいない内容なのだけど、こういう書き方ならこういうことも書けるかもしれないなという感じがあって。
82歳になる母が治療のために少し遠い街にある病院に入院しているのだが、母と連絡を取るのは母の持っている携帯電話を介して、ということになるけれども、最近こちらのいうことがほとんど聞き取れなくなってきている、という問題がある。
それで、こちらの言いたいことはメールで送ることになるのだが、メールに関しては見たり見なかったりなので、こちらが伝えたつもりのことがどう認識しているのか、わからないままになっていることもある。
今一番大変なのはそういう意味で意思の疎通なのだけど、今日もそんなことをしながら「衰えるということは意思疎通が難しくなるということだな」と改めて思った。そういえば、父の最後の入院時もそうだったなあと。
父は連休後に誤嚥性肺炎で入院し、しばらく治療ののちリハビリという形で違う病院に転院したが、どんどん元気がなくなり会話も難しくなった。食事が難しくなったのでチューブから栄養を補給する、というときは珍しく激しく抵抗したのだけど、結局私が説得して納得してもらったのだが、それはやはり可哀想だったのではないか、と母が言ったりしていて、でもそこで命を終わらせる決断は正直難しかった。でもそのあとは本格的に意思が通じなくなり、ひらがなボードみたいなのを持ってきてもどの文字を指しているのかわからないし、こちらが一方的に話しかけるだけみたいになっていた。
父のときは主に父が何を感じ、何を考えているか、何を思っているかが分からない、というのが問題だったのだが、今は母にこちらの意思を伝えるのが難しい状態になっている。とはいえ当時の父よりずっと元気なので、まだ携帯の機種を変えるなどしてそこは改善しようと思っているわけだが。
しかし、よくよく考えてみると、まだ父も母も、また私自身もお互いに若い頃から、父や母が私のいうことをどれだけ「聞いて」いたかというとよくわからん、という部分もあるよなとは思う。というのは、お互いに元気なら、こっちのいうことをきちんと「理解」なんかしてなくても、本当に認識が一致したりしなくても、何となく物事は進んでいくのだ。
父母が元気がなくなり動けなくなると、意思の疎通、コミュニケーションがどんどん重要になってしまう。父や母の望んでいることが何かがわかればその通りにできるかどうかは別にして判断はできるけれども、本当にこういうことを言いたいのかが分からなければ、こちらのやることも雲をつかむような感じになる。
そうなるのは、もともと潜在化していた本質的なディスコミュニケーションが、父や母が動けなくなることでいきなり露わになる、ということもあるのではないかと思ったのだ。
違う人間なのだから当然なのだけど、もともと父母とは考え方はかなり違うしセンスも全然違うわけで、それでもなんとか親子をやってた(考えてみればよく対立してたんだよな確かに)のが、父母が衰えてきて「意思疎通が大変」という形で顕在化してきただけなのかもしれないとも思う。
だから意思疎通が困難になってきた、と感じるのは、本当は意思疎通自体が問題なのではなく、父や母の衰えの方が本質的な変化なのだということだ。
私はもともと人を教えることを仕事にしているということもあって、相手が言ったことを今言ったこと、昨日言ったことなどを含めてこういうふうに言ったよね、と相手に確認を求めてからこちらの言いたいことを伝える、ということが多いのだけど、この「確認を求められる」というのが年寄りには結構大変なのかな、と感じるようになってきた。
おそらく、一番気になるのは今のことで、過去に何を言ったのかとかを考えるのは思考が別回路なのだろう。私がこういうことを踏まえてこういうふうに行動している、と説明しようとしても、母は母がいま感じていること「だけ」を根拠にしてものを言うから、こちらがいらいらしたりすることが多い。
こちらも余裕のある時は余裕のある対応ができるが、疲れのどん底に落ち込んだりしているときはなかなか相手に合わせるのも大変なので、無用なことが起こったりしてしまう。
コミュニケーションの問題というのは、そう単純なものではないし、場合によってはそんなに重要な問題でもないこともあったり、一筋縄では行かないものなのだなと思っているところだ。
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