世界情勢について考えていると落ち着く/2018年の世界についてまだまだ知らないといけないことがある
Posted at 18/11/06 PermaLink» Tweet
ここのところ『限界の現代史』を読んでいて、すごく頭の中が整理されてきて、今の世界の実体としてのあり方がすごく見えてきた感じがあった。実質としてパワーポリティクスだったのは冷戦時代から変わらなくて、それは「ゴルゴ13」なんか読んでてもイデオロギーより国益という面が強かったことはあるが、米ソの掲げてる旗がそれぞれ世界の国々に希望と打算を持たせていたことは事実で、冷戦構造の崩壊によってその旗による秩序が崩壊したのに新たな世界秩序が形作られなかったことが今日の大きな問題になっているということは理解しやすい。
この世界がどうなっているのか、なぜそうなのか、という問いとその答えはもちろん昔から提示されてはいたのだけど、冷戦時代は冷戦構造そのもので説明が止まることが多く、その他のことは冷戦構造の中で起こった矛盾みたいに処理されていて、あまり説明にダイナミズムが感じられなかった。また、説明にダイナミズムがないだけでなく、実際に世界秩序再編の動きも停滞していたのだろう。
現代は良くも悪くも世界秩序が崩壊する過程にあり、その中で新しい秩序、それは一時的なものである可能性も大きいが、ロシア・中国・トルコなどの諸帝国が新しい相貌を持って存在感を示してきていて、アメリカやドイツ、イギリスなどもまた新たな在り方を模索している段階にあるだろう。そうした中で起こることはやはりそれぞれの国の動き一つ一つにダイナミズムがあり、知的な意味では非常に興味を引かれる。自分自身に関して言っても世界情勢のことを考えているときが一番落ち着く感じがする。というのは、自分の性向として一番大きな枠組みをとらえたうえで自分自身の考えをまとめていくというのが一番性にあっているからだろう。
逆に言えば今までいろいろ迷いが多かったのはそこが捉えられてないので自分の判断に自信が持てなかったということなのだなと思う。もちろん今書いたことだけですべての情勢がつかめるわけではないからもっと勉強していかないといけないことは多いのだけど、自分の行動するべき方向性がだいぶ見えてきた感じはする。
今の大きな問題はトランプによるイラン経済制裁の発動で世界四位の生産国であるイラン産原油の動きが止まるという現象がどういうことにつながるかということだと思うのだが、原油の動き一つを見てもシェール革命以来アメリカが世界最大の産油国になったこととか、それまで輸出を禁止していたアメリカが輸出を解禁し、カナダ以外にも中国、イギリス、オランダなど自国でも産油している国にまで輸出しているという情勢などはきちんと把握しておらず、原油相場の上昇でアメリカはむしろ得をする可能性もあるということなどはきちんと見て行かなければ、というか先ず勉強していかなければいけないことだと思う。
世界情勢から見ていくという、つまり大から小への見方と、自分の身体から見ていく、つまり小から大への見方と、両方必要なのだと思うが、とりあえず大から小へについて書いた。
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