「お国のありがたみが分かってない」/「天皇はサヨク」という言葉の破壊力/性と権力関係/自分が影響を受けたキャラの立った人たち
Posted at 18/10/27 PermaLink» Tweet
ブログに書く内容に迷っていて、一度書き始めたのだけど取りとめがつかなくなってきたのでもう一度最初から考えなおそうと思っている。
ツイッターでは今話題のシリアで武装勢力に拘束されていて3年ぶりに解放された安田純平さんのことやオバマ元大統領やロバート・デ・ニーロに爆発物を送りつけた容疑者が逮捕された話などをつぶやいているのだが、こうした時事ネタはアクセスはのびるけれどもそれによって自分が本当に書こうと思っていることよりアクセスの方を優先する傾向が出てしまうことが過去に多かったので、しばらくは自重しようと思っている。
ただ少しだけ書いておくと、安田純平さんをめぐる対立というのはジャーナリズムの大義とか命を賭してでも真実を明らかにしようとするジャーナリストのノブレス・オブリージュを称揚する人たち、ジャーナリズムが市民社会において根幹の重要性を持つことを重視する人たちと、そうは行っても安田さんは日本国民であり、日本人としての保護を日本政府から受けているのに、何度も武装勢力に拘束されて政府の動きもあって解放されてなお日本政府を非難していて、「お国のありがたみが分かっていない」と憤慨する人たちの対立という図式になっているように思う。
この対立は市民存在を実体とし「日本政府」を便宜上の組織と考える言わば唯名論の立場と、市民存在を無力な民草と考え「日本政府」を自分たちを守ってくれる実体としての保護者とみる実体論の立場の対立とも見える。
ただツイッターでも書いたがこの日本政府の「顔」は多くの人にとって安倍総理であって天皇陛下ではない。むしろ安倍総理を諫めているように見える天皇陛下の発言に対し「天皇はサヨク」と発言する何と言うかポストモダン的な情景が見られるのは現代的と言えるかもしれない。「天皇はサヨク」という言葉の破壊力は前代から生きている我々から見ればものすごい構造の脱構築で、我々はまだポストポストモダンには至っていないという感想を持ったのだが、天皇制ないし皇室制度という強い構造が脱構築されるには数十年の時を要したということかもしれないとも思った。
あと、フェミニズムに対する違和感についてツイートしたものでは、性関係の分析に権力という要素を持ち込んだところにその違和感の正体がある、という認識についても書いた。権力を研究するのは政治学であるから、そういう意味ではフェミニズムは性政治学とでも言うべきものなのだという認識を得た。しかし権力というもの自体を関係の疎外された形態だと考えることもできるわけで、全てを権力でぶった切ろうとすることによって見えなくなるもの、失われてしまうものに無頓着であることに私は反発を感じるということなのだと思う。
書きかけた草稿というのは、今の自分を作ってきたと思われるさまざまな本や関心との出会いについて、その出会ったものだけでなくそれを与えてくれた人たちのことを考えることによって自分という人間の歴史をより広い視点で考えることが出来る、ということに思い当って具体的にどういう人たちに影響を受けたかということを書き始めたのだが、すぐにきりがなくなってしまい、うまくまとめられない感じになったということだ。
父や母から与えられた影響だけに絞ってもものすごく多くの関心のもとになるものを与えられていることが書いていてよくわかったし、さまざまな影響を与えてくれた人たちがどんな人たちであったかを思い起こし始めるとその時代その時代の風景と自分を取り巻く状況が立ちあがってきてとても簡単な文章ではまとめられない感じになってきて、とりあえず方針転換を図ったのだった。
私に何か影響を与えた人というのは、その時代の空気のようなもの、雰囲気のようなものをオーラとしてまとっている人が多かったなと思うし、それは年長の人でも例えば同級生でも同じような感じがする。時代的な意味でキャラが立っているとでも言えばいいのだろうか。そういう「面白い人に出会う」という能力があるとすれば、私は結構ある方だと思ったのだが、最近はそういうものが少なくなっているなとも思う。
そして、そういう面白い人たちに多く出会いながら、自分自身がどうも十分に面白くないことに忸怩たるものを感じたりもする。
自分自身のキャラをどう立てるか、が自分の課題ではあるなあと思った次第でもある。
というわけで何となくオチがついてしまった。今日の内容は漫談だな。内容がない。
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