避難所の環境をよくすること/後ろ向きに見える仕事に取り組むこと
Posted at 18/07/11 PermaLink» Tweet
大きな仕事が一つ片付いたのでホッとしてるのだけど、日常的な仕事を含め、やらないといけないことはまだまだたくさんある。今まではとりあえず仕事の全体像を把握してから取り掛かるみたいなことをしていたのだけど、仕事量があまりに大きくて把握するだけで疲れてしまいそうだしそこから動くのも難儀な感じがして、動きながら考えるという方向になっているが、それだと自分が何をどれくらい片付けたのかわからなくてそれもまたちょっと苦しく感じる部分もあるんだよなあ。
仕事というのは、自分がやろうとしている、意図している仕事だけではなく、自分外としたのとは違うところから降ってくる仕事、特に自分に興味もなくお金にもならない(全く利益にならないわけではない、というかある種の損害を防ぐ場合はあるのだが)種類の仕事というのがこの歳になると増えてきて、そういうものも含めた仕事の仕方というのはモチベーションを作ること自体が大変だったりするのでなかなか厳しい。
今ツイッターで読んでいた記事にちょっと通じるところがあると思ったのだけど、日本のような災害大国で避難するということは体育館生活になるということだというのはちょっと問題があるのでは、というのがあって、これはその通りだなと思った。
どんなに大きな災害でも、避難したがらない人というのはいて、それは自分の家はまさかやられないという気持ちがあるだけでなく、避難所での劣悪な生活環境では耐えられないという気持ちがあるということもあるのだと思う。
もちろん現実問題として避難所の環境を良くする取り組みというのが並大抵のことではないということはわかるのだが、できることが全くないわけでもないだろう。
ただ、災害とかそういうもの、特にそういう状況でも基本的人権が守られるような環境づくり、といったようなことはなんというか政策課題として後ろ向きなところがあり、あまり考えたいと思ってない人が政治家にも官僚にも多いのではないかという気がする。わたしもそうだけど、前向きのことを考えるのは楽しいのだが、後ろ向きのことを考えるとモチベーションが上がらない人が多いのではないかという気がする。
しかし、成熟社会というのはそういうところが問題になる社会なのだと思うし、そういうものとどういう風に真摯に取り組むかは社会のステージとして求められるようになってきていることなのだろうと思う。
教育の段階からそういうことを提起していくのは中学生の頃から介護のことを考えさせるような感じではあるが、それはある意味若い頃から「死」とか「滅び」というものと向き合わせるという意味にもなり、そういう意味ではある種日本の伝統的な教育にも連なるものなのかもしれないと思う。
若い頃イメージする「死」とか「滅び」というものはどちらかというとかっこいい、ヒロイズム的なものを意識しがちだが、現実にそういうものが視野に入ってくると基本的にはあまりカッコ良くない、はかばかしくないもので、そういうものばかりを考えているのは気が滅入るのだが、それは結局は覚悟の問題なんだろうなとは思う。
もちろん、死ぬことを考えるのも生きているからで、生きることの方がずっと重要であることはいうまでもない。「死」とか「滅び」を意識しすぎると「日本はもう成長しなくていい」という奇妙な諦念に取り憑かれた左翼のようになってしまう。どんな状況になっても生きることの方が重要なのだから、その中でどうやって「成長」していくかはとても大事なことであり、そのために経済を活性化させて行くこと自体は大事なことだ。
ただ、「死」や「滅び」に向かう方向で考えなければならないことに対し、昔に比べてリソースを割かなければならないこと自体は確かなので、夢と希望が溢れるだけではない未来に対しての「変な諦念」ではない「覚悟」みたいなものが(それ自体ある意味での諦念とも関わりはあるではあろうが)提示されて行く必要はあると思う。
原子力発電に未来は考えにくい時代になってきているが、少なくとも今までの発電所をどう無事に廃炉し、使用済み核燃料を安全な状態で管理するかなど、原子力に携わる人がいなくなってしまうと困るということとそれは似ている。
その課題に対し、積極的に取り組んでいきたいという若者が、育つ必要はあるのだ。
私などは考えただけで面倒だけど、例えば介護職がこんなに大変だということが明らかになってきても、介護を志す若者は多い。それだけで私などは感心してしまうのだけど、それは介護がこれから大きな課題になっているということを早い段階から意識している若者が多いから、ということがあるはずだ。
上向きの時代に育った私たちには見えない世界が、下向きの時代の、今の若者には見えているのかもしれないなと思うと、そこはとても心強い。ただ、私たち自身もまた、自分たちの心のスタンスみたいなものを動かしていく必要はあるのかもしれないと思う。
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