意思決定の本質は不確実性にある

Posted at 18/04/13

文章を書くというのは一定の熱量が必要で、毎日書いていた頃はそれが有り余るほどあった感じなのだけど、いまはなかなかそこまで出てこないというのか、書きたい気持ちはあってもなかなか書けない感じはある。

なんというか、今の自分の状況が半ば修行のような感じになっているので以前のように日常を気軽に書くということもしにくいし、ああそうか、なかなか一つのことに集中するとか夢中になるということがしにくい感じになっているからそのことについて書くというのも書きにくいという感じがあるのだな。

今朝はなんとなくすごくモヤモヤしたものがあって本棚にあったドラッカー「イノベーションと企業家精神」を手にとって少し読んでみたのだけど、「意思決定の本質は不確実性にある」というある意味当たり前の言葉がすごく心を落ち着かせてくれた。ただ、腑に落ちた、という感じでもないところが不思議だ。「企業家精神とは気質でなく行動だ」という一節も。

企業家、アントレプレナーでなくても、人が生きる以上は毎日無数の意思決定をして行動しているわけで、そういう意味では生きるということはある種自分という組織体を運営する起業家でもあるということだなと思う。

人の生き方として前代から受け継がれたものを後代に伝えていく、という生き方が自分のものだと思っていた頃はそうは思わなかったのだけど、自分の部屋で30年前に買った本の棚を見ているうちに、この中のどれだけが後代に受け継がれていくべきものなのかと思ってみると、自分の役割はそんなものではなくて、というか役割とかそれ以前に、自分が生きていくということは常に古く無効になったものを外してどんどんアップデートしていくしか自分の生きる道は無いんじゃないかと思えてきた。

多分、西欧古典学とかインド哲学とかやっていれば、買い揃えた文献が古びるということはあまりないのだろうけど、自分が持っている本たちは例えば歴史のものであってもやはり30年も経てば学説が古くなってしまうようなものであって、「持ち続けるだけ」ではあまり意味がないと思われるものが多い。

それに自分が書こうとしている文章にしたところで、人類の知的遺産として残すというよりはいまを生きる人たちの心に届く文章を書く方が先決問題だと思っているところがあって、そのためには自分自身を常にアップデートしていかなければできないという風にも思う。

そんな風に考えていたところにこのドラッカーの言葉は、腑に落ちるというところまではいかないが、やはり心に響くところがあって、自分自身を新しくしていくという方向に行動しないといけないよなと感じたのだった。

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