「キングダム・総大将の流儀」と「進撃の巨人・壁の中の少年」

Posted at 17/06/10

最近読んだ漫画、と言ってもだいたい「シオリ・エクスペリエンス」にはまっているので新しいストーリーが出た作品を少しずつ読んでるだけで、今週に関してはいつも読んでる作品も読んでいないことが多く、今日は簡単に8日木曜日発売のヤンジャンに掲載の「キングダム」519話「総大将の流儀」と9日金曜日に発売の「進撃の巨人」94話「壁の中の少年」の二作の感想を簡単に書いておこうと思う。ネタバレに関わるので未読の方は読んでからにしていただければと思う。




「キングダム」はついに趙軍総大将・李牧と秦軍総大将・王翦の戦いが始まるところ。決戦の地は「朱海平原」。これは実在の地名ではないと思われるが、趙の王都・邯鄲の西に当たるところ、王翦が狙っている閼与の近くという設定と思われる。

ここで両大将は念入りに頭の中でシミュレーションを繰り返す。一方の鄴では桓騎が都市を包囲しつつ救援軍を撃退していて、余裕のない将たちを尻目に桓騎は戦いを楽しんでいるようだ。

朱海平原に戻り、両大将から発表された布陣に驚く将たち。主人公・信たちの飛信隊(8千)はなんと中央軍5万のさらに後ろ、後衛に配置されている。右翼には王賁の玉鳳隊と王翦の武将・亜光の合計2万5千だが、左翼は蒙恬の楽華隊5千のみという奇妙な配置。そしてその蒙恬は、自分たちが「栄えある第一陣だ」と言っている。なぜこの少数で、しかも第一陣なのか、種明かしがされていないためによくわからない。

秦の趙攻め自体は史実だが、この辺りの戦いの展開はほとんどフィクションだろう。左翼に置かれた蒙恬はともかく、後衛に置かれた信たちがどのように活躍するのか想像がつかないだけに、早く先を読みたいと思う。




「進撃の巨人」。戦いを終え、「故郷」のエルディア人収容区・レベリオに帰ってきたライナーたち戦士隊一行。マーレ編における主人公ぽい扱いの戦士候補生・ファルコは昨夜聞いたライナーの言葉を思い出す。これは前号のファルコへの言葉、「ガビを守りたいならお前がガビを超えるしかない。お前がガビを救い出すんだ。この真っ暗な俺たちの未来から」を指しているわけだけど、ファルコはそれを思い出して「もしブラウンさんがオレと同じ考えで、エルディア人を戦争から解放したいんだとしたら・・・」と思う。「信じていいのか・・・」と。

ファルコが想いを寄せる少女・ガビに対しそういう考えであるのはわかっていたが、「エルディア人を戦いから解放したい」とまで大きなことを思っているとは思わなかった。ファルコの姓がエルディア復権派の一員と同じ「グライス」であり、顔もなんとなく似ていることから、関係があるのかもしれないと思うが、この辺はまた絶妙に伏線を張り巡らせている感じ。

帰還した戦士たちは家族と再会。ジークは祖父母、つまりグリシャの両親が迎えに。まだ生きていたとは。そしてガビがライナーの従兄弟であることが明らかに。そこに現れた負傷兵たちの中に髪の長い腕章を逆につけている男が一人。ファルコが手助けするが、この男が実はエレンではないかとか、ネットでは喧しい。さてここらに何か仕込まれているのか。

ライナーとガビの帰還を祝う一族のお祝いの席で、ライナーはつい壁の中の訓練兵団の思い出を吐露してしまう。ここにライナーの心情を感じてしまうのは多分認めていいんだろう。それを聞いてガビは戸惑う顔をするが、ライナーの母は「私たちを置き去りにして島に逃げた奴らに制裁を与えなくてはならない」という。どうもこれが「収容区のエルディア人」の一般的な感情の一つ、であるように思える。

そしてライナーの回想。明かされるのは、ライナーの父親が「マーレ人」であり、だから「父がいない」のだということ。これはまた何か想像が膨らませられるが、ここで思い出すのはエルディア復権派でマーレ軍に潜伏していた「フクロウ」ことエレン・クルーガー(進撃の巨人の先先代)がマーレ人と偽っていたということ。ただその関係はよくわからない。

そして戦士候補生として訓練に励むライナーが、実は劣等生であったということ。訓練兵団においてはミカサに次ぐ成績を収めていたライナーが、戦士候補生としては何においても傑出したものがなくポルコからいじめられる立場だったというのが驚く。子供時代のライナー、ベルトルト、アニの描写があって、そして収容区の壁の向こうの空。

その空の向こうでは、同じく巨人の壁に囲まれ、「何か起きねえかな」とまさに楽園の憂鬱をつぶやくエレンとそこに走ってくるアルミン。まさに副題の「壁の中の少年」。ようやくストーリーが戻ってきそうだ。23巻は完全にマーレ編で終わる、ということがわかった。

「進撃の巨人」の感想が難しいのは、この作品にとてもミステリーの要素が多いことで、つまりは何を感想に書いてもネタバレになってしまうということだ。しかしそこに触れないとこの作品の世界は描ききれないわけで、まあ書かないわけにはいかない。

今回は、ライナーの「壁の中への思い」の吐露がヤマだったかなと思うし、そして壁の中を知ってしまった収容区出身のライナーと、収容区のエルディア人の様子を知ってしまった壁の中のエレンがどのように戦うのか、ないしは語り合うことができないのか、というようなことが気になってくる。まさかいきなり芋女の話が出てくるとはなあ。


 

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