「鳥類学者」とか「ブラッククローバー」とか。

Posted at 17/05/08


なかなか新しい本を買ったり読んだり出来てないが。

昨日は東京駅八重洲北口の三省堂書店で本を見ていて、コメニウス「世界図絵」(平凡社ライブラリー、1995)と川上和人「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」(新潮社)を買った。

世界図絵 (平凡社ライブラリー)
J.A. コメニウス
平凡社
1995-12



「世界図絵」は子どもが世界を学ぶ時に向けた教科書と言えばいいだろうか。コメニウスは17世紀チェコの人だが教育学の祖のひとりと言われ、新教国のモラヴィア(チェコ)をハプスグルク家が支配したことによってカトリックのみが公認の宗教にされ、ポーランドを始め諸国に亡命し、最後はオランダのアムステルダムで亡くなった。

内容を読むと17世紀当時のヨーロッパの世界観がよくわかるとともに、その表現の簡潔さは何だかおかしみを感じさせる。神、世界、天空・・・とそれぞれについて説明して行くが、例えば53「肉屋」では「肉屋は太らせた家畜を屠殺します。(やせたものは食用になりません)」なんて書いてあって、絵入りでそれぞれの言葉について番号がふってあり、その同じ番号を絵で探すとそれが何だかわかるようになっている。子どもにものを教えるってこういうことだなと、日本の戦前の教科書なんかを思い出した。

序言では「無知にとっての薬は学識です。それは学校で若人にもたらされるべきものです。したがって、真実の、完全な、明らかな、そして確実な学識であることが望まれるのです。人生にとって有益であるものだけしか教えたり学んだりしないならば、それは真実となるはずです。」というような文章があり、まあ言ってることがわかる部分もあるが、現在でもある種の人々にとって疑いなく正しいと思われるようなことだよなと思うが、こういうところが「教育」の怖さで、ある種の「洗脳」でもある所以だ。先生の言ってることが絶対正しい、という教育には辟易して来た私などにはやや苦笑してしまうところがあるのだが、ただ生徒にはまず第一に「正しいこと」を教えざるを得ない、という面が教育にはある。批判力を身につけるより前に、教育は始めなければならないのだし。

まあいろいろそんなふうに考えさせられはするのだが、よくも悪くも教育の原点みたいなものがここにあるなと思うし、そういう意味で面白いなとは思った。まだあまり読んではいないのだけど。
「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」は、まあひねくれ者の理系の学者が書いたという感じの本で、そのひねくれ具合がおかしいし、当然のことながら鳥についての知らなかった話などを読むのは興味深い。小笠原の固有種としてメグロという鳥がいる、というのは聞いた覚えがあるが、まあ目の周りが黒いメジロみたいな感じだ。鳥は体重に比して移動距離がすごく、体重20グラムのスズメが500キロ移動したりするのだそうだ。体重比で言うと人間なら150万キロ、月へ2往復以上の距離になると。そういわれてみると鳥のすごさを実感する。

まだ読みかけだから何とも言えないが、小笠原諸島の噴火の続く島、西之島での調査(無人飛行機による)の様子など、興味深いなと思った。

夜になって、ジャンプが隣のコンビニに入荷する時間になり、買いに行って読んだ。連休明け、2週間ぶりのジャンプを貪るように読んだが、特に面白かったものを3本上げると「OnePiece」「ブラッククローバー」「鬼滅の刃」だろうか。
「OnePiece」は864話「ヴィンスモーク家皆殺し計画」。先週最後のコマで目的の「マザーカルメル」の写真を叩き割ることに成功した麦わら(ルフィたち)・ファイヤタンク(ギャング・ベッジ一味)連合軍だが、ビッグマムが混乱して奇声を発する予定だったのにあまりに事態が重なり過ぎて混乱し、奇声すら発してない状況。3秒後に奇声、と言う予定が狂って慌てる連合軍。その中でプリンが気を取り直してサンジに発砲するものの兄のダイフクにうっちゃられ、ヴィンスモーク家は予定通りビッグマムの子どもたちに囚われの身となり銃口を向けられる。イチジ、ニジ、ヨンジが自分の死にさえ無感情というのは予想してたが、父のジャッジが泣き叫んで命乞いをするのは予想外だった。彼自身は感情があるんだな。

で、「もう一度マザーカルメルの割れた写真をビッグマムに見せる」というブルックの作戦が成功すると判断したギャング・ベッジが表立っての反乱の姿勢を見せる。少しだけ未来を見ることが出来るビッグマムの息子・カタクリに向かって、「あんたは少し先に未来が見えるだけ。別にそれが見えなくても、未来を変える権利は皆平等にあるんだよ!(ドン!)」と啖呵を切る、そのラストの場面がカッコ良かった。まあ大混戦だがやはりバトル展開は面白いということではあるんだろう。
「鬼滅の刃」60話「二百人を守る」もバトル展開。汽車と一体化した鬼をどう倒すか。伊之助、煉獄が覚醒して鬼と戦うし、禰豆子は鬼のまま、善逸は眠ったまま鬼と戦う。善逸が寝てる時の方がイケメンなのがおかしい。禰豆子の活躍もいいが煉獄がすごい。そして急所を狩りに行く炭治郎と伊之助、というところで次週へ。展開の早いバトル週で面白かった。
「ブラックックローバー」第108話「無冠無敗の女獅子」。今回の主役は騎士団「紅蓮の獅子王」のフエゴレンに代わって新たな団長になったその姉・メレオレオナ。不甲斐ない成績の騎士団員たちに特訓を加えるという場面に出食わしたアスタは、安定の巻き込まれで自分も「温泉合宿の特訓」へ連れてかれることになるが、今回可笑しくて仕方なかったのはアスタだけでなくユノも、連れてかれる羽目になり、(俺そんなキャラじゃないはずなのに・・)とか口走っていたら、調子に乗ってたヤミがつかまり、野薔薇の団長もノエルもつかまる、と言うどんどん犠牲者?が増える展開が可笑しくて仕方なかった。この作品、強力な女性はたくさん出て来たが、いままでで一番迫力があることは間違いない。

「食戟のソーマ」や「僕のヒーローアカデミア」、「ハイキュー!」も面白いのだが、何か引っかかりがある部分があって、先に上げた3編の方が爽快感があった。まあそういう週もなければ物語に深みが出ないけれども。

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