参院選近し。誰に投票するのか。誰に投票するのがリーズナブルなのか。
Posted at 16/07/08 PermaLink» Tweet
参議院選挙まであと2日。この選挙がどう言う政治的節目を形作るのかはわかりませんが、自分のスタンスを書いておくのもいいかと思い、書いてみることにしました。
刺激されたのは、東浩紀さんがポリタスで「 ぼくは民進党に入れる」と言う文章を書いておられたこと。なかなかこういう形で自分の投票行動を堂々と説明する人というのは、あまりいなかった気がします。
私は東さんの意見に必ずしも共感するわけではないのですが、こういうことをみんなもっとはっきり訴えて行くといいんじゃないかと思っています。立場があってそういうことは言いにくい人も多いだろうけど、そういうことも含めてもっと支持を明確にした方が、稔りある議論が出来るのではないかと。
実は私はもう期日前投票を済ませています。東京選挙区では蓮舫氏、比例区は山田太郎氏に入れました。選択理由は、表現規制反対シフトです。逆に言えばそういうふうに発言しておかないと、民進党や新党改革を支持したと思われても困るので、はっきり書いておきますが、今回はその観点から一点集中で人選しました。
以下その理由を述べます。
私は最近は自民党に入れることが多かったのですが、今回は正直候補者に魅力がないということもありますし、選挙結果によって政権が交代するということもなさそうなので、自民党には入れませんでした。
憲法に関しては、今回は争点ではないと思います。
私は憲法に関しては不備な点、現状にそぐわない点、独立国としてどうかと思う点などは改正して行くべきだと思っていますが、自民党改憲案に関しては基本的に反対のスタンスです。憲法というものに関する基本的な教養に欠けている面が多々見られると思うからです。
憲法の発議が可能になるかどうか(参議院で与党が3分の2を超えた議席を持てるかどうか)は選挙結果によります。しかし憲法改正発議にこぎ着けるためには、膨大な時間をかけての国会での審議が必要になります。野党は各院で必死に抵抗するでしょうし、そうなると法律や予算の審議にも影響します。そして、そういうことをやっている間に、必ず次の衆院選が来ます。現在の自民党改憲案に公明党が賛成するはずがないですし、発議の内容をすりあわせることはそんなに簡単なはずがありません。
私は、憲法改正を日程に乗せること自体は、そんなに悪くないと思います。というか、いっぺん真剣に憲法の内容をそれぞれの立場から吟味し、多くの人が発言し、法理論の立場や政治的な立場、外交的な立場、さまざまな人々の感情を表明することは必要なことだと思いますし、それに伴って自民党内ですら分裂や抗争が起こることは十分あり得ます。そしてそれが日本を活性化させる起爆剤になる可能性もあるのではないかと思います。抗争が治まらず混迷化する危険性も、イギリスを見ていればないわけではないのですが、日本は民主主義とかアメリカ抜きの安保体制とか、あまり考えて来てないことをもっとしっかりと議論した方がいいと思います。
ですから憲法改正はまずは論点ではないと思いますし、むしろ問題に直面した方が日本のためにはいいように思います。
憲法改正が論点でないとすると、もうひとつ重要なのは経済の問題になりますが、今の状態の経済はどの党の誰がやっても難しそうで、ならば民主党時代よりはうまくいっている自民党がやっておけばいいんだと思っています。ですからこれもあまり論点にならないように思います。経済問題では若年層の非正規・低賃金とかが深刻な問題ですが、これに対して妙案を出している政党はないので、もっと議論を深めたりアイディアを出して行くことが求められている段階だと思います。
ですから、今回は選挙で争点になるとされている問題が、あまり争点になってないと思いますし、そういう理由で選挙戦そのものが割と低調なのだと思います。
それでは、どういう風に考えて投票権を行使したらよいのか。
私は、報道やネットの情報などから感じられる、考慮した方がいいと思われる「対立のある問題」を投票者それぞれが意識して、自分と同じスタンスを持つ人に投票する、という選択がリーズナブルなのではないかと思うのです。
私の場合は、それが表現規制の問題なのですね。
表現規制は、ポリティカルコレクトネスの問題とか非実在青少年の問題とか、さまざまな面から、またさまざまな立場から進んで来ています。また一方で、商業主義の立場からの過剰報道の問題などもあり、そういう点から規制を求める声も出て来たりしています。
この問題は、表現者の側にそれぞれの信念や配慮をもち、その立場からの自己コントロールが求められると思いますが、それを行政や司法が法により規制することは、極力慎重であるべきだと思います。
ですから今回はこの問題に熱心に取り組んで来た、山田太郎氏と蓮舫氏に投票することにしました。
そういう意味での投票なので、新党改革や民進党を支持しての投票ではありません。表現規制派は日本会議などの右派勢力にも、PC推進やフェミニストなどの左派グループにもいますので、右ならいいとか左ならいいという問題でもありません。規制を求める声がおそらく票を得やすい土壌や空気が存在するように思いますので、その中で表現規制に反対するのは本当に信念に基づいての行動だと思われます。
私が投票相手を人選した理由は以上です。
まあ大したロジックではないのですが、一応そんなふうに自分の投票行動を説明できるようにしておくのもいいんじゃないかと思います。何となくの好き嫌いで投票してもいいのですが、せっかくなら自分にとって重要と思われる問題に少しでも貢献できる選択をしたらいいんじゃないかと思います。
誰に投票するのがリーズナブルなのか。
そんな観点から、投票する人を決めてみるのもいいのではないでしょうか。
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