原泰久さんの「キングダム」43巻王騎フィギュア同梱版を買いました。
Posted at 16/07/19 PermaLink» Tweet
原泰久さん『キングダム』43巻王騎フィギュア同梱版を買いました。
原泰久さんの「キングダム」。10年以上の連載の末、ついに秦王・政は政敵・呂不韋を倒し、秦の実権を握り、天下統一に乗り出して行くことになります。
今回はその超大篇の企画として、すでに作中では死亡していますが人気の高い将軍・王騎のフィギュアを同梱する、と言う企画が発表されていました。しかし、完全受注生産ということで予約のみでしか入手できないとのことで、気がついた時にはもう予約期間が終わっていて、入手は諦めていたのです。
しかしツイッターで見ると、神奈川の方の書店で一部店頭売りがされているという話を読み、東京に帰った際に丸の内の丸善をのぞくと、コミック売り場に段ボール箱がおかれているのが目に入りました。約22×33×34cmという大きさで、思ったより大きいなと思いましたが、せっかく見つけたので買ってみたわけです。買って正解でした。
一つには、単行本の発売日より前に43巻を読むことが出来たということですが、もうひとつは何といってもこの王騎フィギュア、すごい迫力、素晴らしいできばえです。完全受注生産というだけありますね。
フィギュアというもの、本格的なものを手に取るのは初めてなのですが、これはこういうものに夢中になる方が多いのも納得のできばえでした。
本編の方の感想に戻ります。天下統一を志す秦王政の下で、秦は再び李牧が宰相として権力を握る趙と戦うことになりますが、主人公・飛信隊の信は野盗出身の将軍・桓騎と共に黒羊の攻略を命じられます。信は五千将でありまだ将軍ではないので、桓騎の命令によって戦わなければなりませんが、知略に優れた将軍でありながら強盗や強姦、殺戮など何でもやってのける桓騎とは全く馬が合いません。
黒羊の丘の争奪戦のさなか、飛信隊に所属しながら自らも三千将として部隊を率いる羌瘣は、黒羊の中を探っているうちに敵将・劉冬と戦い、傷ついて黒羊の村で病を養います。
一方、羌瘣が戻って来ないことを心配しながらも黒羊丘攻略を進める信たちは、軍師の河了貂の策のもと、絶好のチャンスを桓騎軍に演出します。どのように攻勢に出るかと敵味方固唾を飲んで見守る中、なんと桓騎は全く動かなかったのでした。
激昂する河了貂でしたが、桓騎軍から派遣されて来ている那貴は、「お頭は基本フザけてるが、無駄なことは好まない人だ」と言います。「今回はすっぽかした方が得だと思ったということなんだろ」というのですね。しかし、河了貂たちは納得いきません。それは桓騎軍の将軍たちも同様でした。
しかし実は、この桓騎のすっぽかしに最も頭に来ていたのは、趙側の将軍・慶舎だったのです。慶舎は自ら動かず、敵将がどう動くかを見て蜘蛛が獲物を捕らえるように追いつめて行くのを得意にしているのですが、それを感じとった桓騎はわざと絶好のチャンスを無視することで、慶舎を挑発したわけです。
翌日の戦いで慶舎はついにしびれを切らし、山を下りてみずから囮になっていた飛信隊に攻撃を仕掛けてきます。しかしそれこそが桓騎の狙いでした。慶舎にピンチが訪れる中、それに気づいた趙の地元の将軍・紀彗がそれを防ぎます。慶舎が難を逃れ、桓騎の策がはずれようというところ、深手を負っていた飛信隊が逆に慶舎の追撃にかかります。しかし、余力が足りずに飛信隊が危ない、というところ、羌瘣が戦線に復帰して再び慶舎の追撃にかかる、というところで43巻は終わりでした。
このあたり、智将と智将の戦い、策にはめようとした慶舎を一度は逆に策にはめた桓騎が、思わぬ紀彗の出現で水の泡になろうとするところ、飛信隊が慶舎を追いつめ、しかしそれも届かないというところでヒロイン・羌瘣が現れるという展開は、ストーリーとしてとてもよく練られていると思いました。
私はこの春頃から『キングダム』を読み始めたのですが、この巻でようやく買い始めたヤングジャンプの本誌連載に接続させることが出来ました。この巻収録分以降は本誌で持っているため、最新話まで続けて読むことが出来る状態になったわけです。
毎週19ページずつ読むのと単行本で一気に読むのとではやはり感じが違いますが、468話のあたり、連載で読んでいた時にはストーリーがよくわからなくなっていたのですが単行本で続けて読むと違和感を感じないので、このあたりは連載時のものとあとで少し比較してみたいと思います。
単行本では羌瘣の復帰のインパクトもとても大きかったですし、連載時と印象が違う秘密をこのあたりも探れたら、と思っています。
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