「極黒のブリュンヒルデ」。第10回「生きている証」を見た。
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「極黒のブリュンヒルデ」。第10回「生きている証」
アニメの感想、たまにはこちらにも書いてみよう。今回はとても面白かった。今回はあらすじ抜きで、感想だけ書いてみたいと思う。
前半、記憶を操る魔法使いの奈波の運命がどうなるのか、というところ。奈波は研究所から派遣されて魔法使いを捜しているのだけれども、日常の楽しさを知ってしまって研究所に戻りたくなくなり、また良太や寧子たちと出会って自由への希望を持った。その奈波がビーコンを外して自由になれるのか、というところで結局イジェクトされてドロドロに溶けてしまう場面は衝撃的で、さらに奈波の存在自体を寧子もカズミも小鳥も忘れてしまっている、というのが残酷だった。しかもそれをやったのが奈波自身で、「ライトワンス」、どんなことがあっても記憶を失わないという設定の村上良太だけがそれを覚えているというのも残酷だなと思った。
良太は普通の高校生っぽいけれども寧子が幼なじみのクロネコに似ている(まあ本人だろうけど)ことから魔法使いの少女たちをかくまうという流れになり、いろいろな個性の魔法使いたちに手を焼いたり翻弄されたりしながら、優秀な生徒であり純情な男子高校生でもありまたやけに説教臭い親父っぽさもあり、全体としてはリーダーシップを持って彼女たちを仕切って行き、命がけで彼女たちを延命させよう、普通の生活の楽しさを味あわせよう、救おうとしくところでこの話が成り立っている。
前半は衝撃的、後半は「幸せな日常」回、ラストの引きは一つの謎の核心へ、という展開。奈波かわいそうでけなげ、カズミは「2番狙い」とかいじらしい、と言うか実は男を立てるタイプの古風さを持ってる。寧子は天然で優秀。「間接キスなんて気にしない」と歌うのが可笑しい。巨乳タイプは頭が悪い、というお約束があるのか、小鳥は赤点。しかし転校生の魔法使いに1番3番とられるとか、この「日本有数の優秀な進学校」はどうなっておるのか。
やはり全体を通してのこの作品のテーマの一つは「記憶」だな。幸せ、というのが「思い出」というものと関わりがある、ご褒美が「友達が出来ること」、記憶の中に残ること、という奈波が寧子たちを悲しませないために自分の記憶を寧子たちから抹消する、というのは残酷だけど、逆に「自分の人格をすべて村上の記憶の書き込んだ」というのもある意味究極のエゴイズム、あるいは愛だよな、と思う。
このアニメは全13回で作られているということなので、そろそろクライマックスに向けて動き出しているのだろう。最後に出て来た髪の色以外は寧子に瓜二つのヴァルキュリア、藤崎真子の存在が、寧子との対決を予想させる。
そう、今回からOPが変わって、ヘヴィメタ風になった。これは好みが別れるかなと思うけれども、ちょっと映像と合ってない感はあった。後4回はこれで行くのかな。
海に行ってみんなでしみじみと幸せを実感する、という場面も、「普通に生きることの素晴らしさ」のようなものもまたこの作品の一つのテーマだと思うし、いいなと思った。
何度も描いているけれども、こういう萌え系の要素の強い作品は自分にとっては本当に斬新なジャンルなのだけど、作品の背後にあるテーマのようなものを勝手に考えているといくらでも深みが感じられるものだなと思う。
今回小五郎(良太の親戚の科学者)は何をしに現れたのかいまいち良くわからないのだが、彼も今後の展開に鍵を握る存在であることに間違いはなく、次回を楽しみにしたいと思う。
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