目標を達成するための、「豊かな完成図」を作ることの大切さ

Posted at 14/03/18

聲の形(3) (少年マガジンコミックス)
大今良時
講談社

昨日。ずっと調子が悪かったのだけど、だんだん回復してきた。

夕方出かけて、丸の内の丸善へ。マンガのコーナーを見たら大今良時『聲の形』3巻(講談社、2014)が出ていたので買った。読むと胸が詰まりそうになるのでまだ読んでいないが、これは本当にハードな名作だ。

あなたの1日を3時間増やす「超整理術」 (角川フォレスタ)
高嶋美里
KADOKAWA/角川学芸出版

夜は、親しい人に誘われて、先日書いた『あなたの1日を3時間増やす「超整理術」』を書いた高嶋美里(蝶乃舞)さん主催の出版記念セミナーに出てみることに。こういうものに出席するのは多分初めて(なんかデジャヴ感があるのだがそれがなんだか思い出せない)なのだが、3人の講師が時間を超えて熱弁を振るっていて、エネルギーというかパワーをもらった感じがする。

ちなみに、出版されたのは下の電子書籍2冊。話の内容は、この本の内容を足掛かりに、目標達成のための方法論や、講師の方々が今取り組んでいるインドに学校をつくるプロジェクトなどについての話だった。

マンガの主人公に学ぶビジネスの成功法則
蝶乃舞
クリーク・アンド・リバー社
本田圭佑やイチローの作文から読み解く成功法則
泉忠司
クリーク・アンド・リバー社


内容的には今思い浮かんでいる言葉通りに書くと陳腐な感じになる気がする。「こういうことだよな」と思うことを少し書いてみたい。最後に激しい売り込みがあったのはちょっと疲れたが、何というか、目標達成のためにはこれくらいのパワーを注入してやらなければできないんだなということを十分感じさせてくれたと思った。

まず、目標を達成するための、ゴールをいかに設定するかということについて。

これは上で述べたインドに学校をつくるというプロジェクトについてなのだけど、現地を訪問して一度は最初に聞いていたプラン通りに計画に賛同して寄付をしたけれどもなんだか違うというもやもや感が残り、滞在予定を延長してもっと違う可能性を探っている間に現地の人で日本語がペラペラの人に出会い、その人との話の中で新しいゴールが浮かんできて、それに注力することにした、という話が面白かった。

お仕着せのプランにとりあえず乗ってみると、ゴールが実は曖昧であることはよくあることだけど、それを通り一遍で済ませるのではなく、ゴールを自分たちで設定し直して現地の人にも日本の人にもプラスになるような企画に変えてトライして行くというダイナミズムが仕事というものの躍動的な部分なのだなと思った。

ただ、一度しっかりとゴールを決めたら、それは最後までやりぬくこと。ゴールを決めるというのは、つまり完成図が描けるということで、逆に言えばこれはプロジェクトの途中まで進んでからゴールが見えるということも珍しくない。何かやらなければならない、あるいは何かこのあたりに面白そうな、やるべきことがありそうだ、ということで仕事が始まるということもよくあることだから、そうなると最初はかなり様子見というか、全体像がつかめるまで時間がかかるわけだ。

特にインドに学校をつくるなどというプロジェクトは、大海に水を一滴加えるような事業なわけで、特に日本などの外国の事業者がそういうものに関わることに、どんな意味があるのか、というようなことは見失われやすいと思う。

だから、最初のプランに飽き足りず、さらに出会いを呼び込んで、その日本語ペラペラの現地の人が抱えていて頓挫しそうだったプランをさらに充実させる形のプランを作り、また日本への人材供給に道をつけることまで盛り込んで、援助する側にとってもされる側にとってもプラスになる完成図を描いたことは素晴らしいと思った。

物事を成し遂げる、目標を達成するためには「確信、覚悟、覚醒」というプロセスが必要だ、という話があったのだけど、先ず第一に確信、つまり完成図を描く、ということが重要だということだ。

十分自信のある完成図を描けたら、「よしわかった!」ということになる。「わかった、やる(ぞ)」ということになり、あとはやるだけだ、というプロセスになるわけだ。

このあたりは6R累積KJ法における「判断、決断、実行」のプロセスと同じだ。


以下はセミナーの内容というよりは感想というか反省。

私が個人的にうーんと思ったのは、目標を立てたらそこから逆算して計画を立てて実行していくということを講師の方々が何度も強調していたことだった。

わたくしごとになるが、自分は大学受験のときにはもうそれははっきり意識して、「合格最低点を超えるためには何をすればいいか」ということだけを考えて勉強していた。それで幸運なことに合格できたのだけど、何となく割り切れない思いが残って、それで「目標設定→逆算計画→実行」という作戦をなんとなく封印してきた感があった。

つまり、「日々の努力を積み上げる」という方式では現状とかけ離れた目標を達成することはできない、とは言うのだけど、しかしその方が日々のプロセスを楽しむことができ、また余裕を持って目配りして単純に目標を達成するだけでないゆたかさが得られるのではないかと思ったし、また目標達成のためにとりあえず後回しにしていたことが結局あとで付けが回ってきたりしたので、どうもなんというかこの方法はどうなんだろうと思うようになっていたのだなと思う。

私の場合は、目標設定をするとどうしても思考が引き算的になり、余分だと思うことを排除して最低限必要なことだけをやって目標を達成しようという感じになってしまうのがいけないので、そうではなくより豊かな完成図がいかに描けるかということが大事なのだなと思う。

インドの学校の話で完成図を描いていくうちに、あれもできたらいいね、これもできたらいいねと付け加えて理想の完成図を作っていく過程は、ああいうやり方をしたら楽しいんだろうなと思った。

豊かな完成図をつくらずに、目標達成マシンみたいな感じで突っ走っても、目標は達成できても得るものが少ないなと思う。

ということで、個人的には昨日のセミナーで一番得たものは、「豊かな完成図をつくることの大切さ」だったなと思ったのだった。ありがとうございました。

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