モーニングの新連載、田島列島『子供は分かってあげない』が面白かった。
Posted at 14/03/06 PermaLink» Tweet
今朝は母が東京へ行くというので、6時前に起きて駅まで送って行った。始発の特急が出るのが6時34分。母は脚の調子が良くないので、少し早めに行動するために駅に6時20分頃に着くように行った。昨日の雪で特急が動くかどうかを母は心配していたのだけど、今日は全然大丈夫だったようだ。駅の駐車場は、私が着いたときにはほかに車はいなかったのに、私が帰るときには満車になっていた。
そのあとセブンイレブンへ行って『モーニング』を買う。朝の早い時間は客層にお年寄りが多い印象。家に帰ってモーニングを読んだ。巻頭カラー・新連載の田島列島『子供は分かってあげない』がめちゃくちゃ面白かった。
まず、「子供は分かってあげない」という題が何とも言えずいい。もちろん、トリュフォーの映画「大人は分かってくれない」のもじりだが、ただひっくり返しただけなのに何でこんなに可笑しいのか。
絵柄はのんびりした感じ、色づけもパステルカラーで、高校2年生の夏のボーイミーツガールという話なのだけど、出てくるキャラクターたちがいちいち可笑しい。主人公の朔田さんは水泳部で一人だけ大会に出場するくらいは泳げる。書道部の門司くんは字がうまい(当たり前か)。
朔田さんはプールでぼーっと空を眺めていたら校舎の屋上に気になるものが見え、練習を終えて見に行ったら門司くんが「魔法左官少女バッファローKOTEKO」の絵を描いていた!
……まずなんというか、「魔法左官少女バッファローKOTEKO」って何、と思わず笑いが止まらなくなった。KOTEKOって何かと思ったら、つまり左官が使うコテのことなのだ。そのKOTEKOファンということで二人は意気投合する。次の日屋上を見たら煙が上がっていて、はっとして屋上を見に行くと殴られてけがをした門司くんが階段を下りてくる。KOTEKOが破られているのを見た朔田さんは仕返しをしようと屋上に駆け上がるが、そこにやってきた千田くんが既に不良たちを全員殴り倒していた。千田くんは門司くんに「これで借りは返した』と言う。その借りとはラブレターの代筆だった。
保健室に行って養護の先生に治療してもらうとき、けがをした理由を朔田さんにやられたといいわけをする。朔田さんは慌てて練習に戻るが、「今回のことは貸しでいいかな?」と言って去る。
とまあ基本青春グラフィティなのだけど、キャラクターの台詞や行動がいちいち面白い。
朔田さんが殴り込みに行くときに小銭を握る場面があるのだが、これはどうも小銭を握るとパンチの威力があがるためらしい。(それは知らなかった)
また千田くんがラブレターを代筆してもらった理由を訪ねた朔田さんに、中学のときに告白しようとして緊張のあまり爆笑して振られたと言うトラウマがある、という話を門司くんがすると、「何ソレ?告白あるある?」「知らねーよ。告白したこともされたこともねーもん俺」「私もないなー。お互いつまらん人生を歩んできたねー」「そーね」という展開になり、なんと言うか日常的な言葉の使い方のセンスが凄くいいなと思う。
あんまり面白かったので、そのあとでモーニングのバックナンバーを探して、田島列島の作品を探してみた。私は雑誌は半年分とってあるのだけど、「田島列島縦断読み切りツアー」と銘打って読み切り3話がモーニングの8号、11号、12号に掲載されていたのを見つけ、「おっぱいありがとう」「お金のある風景」「ジョニ男の青春」の3本を読むことができた。
過去Dモーニングやモーニング本誌に掲載された作品としては、「ごあいさつ」「官僚アバンチュール」があるとのことだが、それはかなり前のことのようで、残念ながら読むことはできなかった。
しかし久しぶりに「これは!」と思うマンガを読んだという感。次号以降も毎週掲載のようなので、楽しみにしている。単行本はまだ出ていない本当の新人のようだけど、なんと言うか昭和のセンスと言うか、我々の世代のセンスをくすぐるようなところと、私が全然知らない、ないしは思いつかないようなネタも満載で、短編集も早く出してほしいと思う。
ちなみに、iPadとiPhoneにモーニングのアプリ「Dモーニング」をインストールしてみた。モーニング本誌にはない独自のコンテンツもある。月額500円という値段は、紙のモーニングを買わなければわりといいと思う。ただ、『バカボンド』や『BillyBat』のようにデジタル化を拒絶しているコンテンツもあるということはあるのだが。
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