今日はリセットの日/会計帳簿/iPhone機種変更/文芸マンガとリストの伝記/余裕のない東京と贅沢な東京/強欲は悪ではないが吝嗇は悪である
Posted at 14/03/10 PermaLink» Tweet
【今日はリセットの日】
今日はどうもいろいろなことのリセット日だったらしい。
いろいろ考えて、というか3月6日にブログ名を変えることを思い立ったのだけど、それはつまり、ブログをちゃんと名刺代わりになるようにしようと思い立ったということなのだ。そうなると、先ず名前が重要だ。
名刺代わりにするということは、名刺を出したときに「○○のHotta」です、ということなわけだから、「Feel in my bonesのHottaです」というのはどうも言いにくい。英語だし横文字だし意味がすぐには分からない。「「地上報告」のHottaです。」と言えば、まあこれだってよくわからないと言えばよくわからないが日本語だし言葉の意味自体が分からないわけではないからなんとなく「地上報告のHottaさんね」と認識されるのではないかと思ったわけだ。
その意味で言うとほかのブログのブログ名も少し見直した方がいいなあとは思うのだけど、とりあえずはまずメインブログの名前が浸透するようにしたいと思う。
というようなことを3月5日に考え、一晩寝て起きて6日の啓蟄の日に『地上報告』という名前を思いついたのだ。
それでいろいろ英訳を考えて、「Terrestrial」という言葉にぴんときた。なんだかかっこいい響きだ。「地上」という言葉もいい言葉だと思うけど、terrestrialというのも、地球がTerraだし、天上に対する地上、つまり「現世」という意味もあるだろう。
この世界の森羅万象、と考えても、決してそれがすべてではない。目に見えない世界や知覚すらできない世界も存在している。仏教の三千世界で言えば、この地上はその中の一つに過ぎないともいえる。その中で人という存在は、けなげに生きているのだ。
そんな意味も込めて、この地上で生きている私が、この地上のことを、誰かに報告しようと思う。
この世界が、少しでもいい方向に歯車が回るように、及ばずながらものを書いていきたいと思う。
***
と、そういうことは考えていたのだけど、それはともかくいつも書いているブログが全然書けない、という以前に全然書く気が起こらなくて往生した。
ほんとうにリセット日だったんだなと思う。
【会計帳簿のつけ方】
お金の付け方、つまり会計帳簿の付け方をこれで行く、と方針を決めたり、また、いろいろ滞っていること、それが滞っているにはそれぞれ引っ掛かりがあるからなのだけど、その引っ掛かりを取り除いて、前に進むようにしようと決めたりした。
会計帳簿の付け方というのは簡単に言えば家計簿のことなのだが、去年はずっと手書きで複式簿記でやっていたのだけど、さすがにそれが大変になって、このコンピューター時代にもっと効率的に簡単に正確にできるはずだと思っていろいろとサービスやソフト、アプリを探していたのだけど、どうも自分の思うようなものがなくて困っていたのだが、自分でエクセル(ないしグーグルドライブのスプレッドシート)を使って作ればいいんだということに気がついたのだ。それもマクロなんて面倒なものをつくらなくても自分で出来る表計算の操作をするだけでちゃんと必要な帳票がつくれるということに気がついたのだ。
まだやり方を考えながら確立している途中なのだけど、これは結構自分には使いやすくできるのではないかと思う。どこかでそのやり方も公開できればいいなと思う。
【iPhoneの機種変更を迷う】
あと、引っかかっていたのはiPhoneの機種変更。今使っているのが4なので、5Sに変えると4で使っていたアクセサリが使えなくなる。4の端子が30ピンコネクタであるのに対し、5Sの端子はiPadなどとも共通したLightningコネクタだからだ。それに、中に入っている写真データの保存も困るなとか、いろいろそういうことを考えていたのだけど、iPhone4も最近動作が不安定になってきていて、またSoftBankからも下取りや機種変更のお知らせも来ているので、機種変更した方がいいと思い始めている。今確認したら下取りはもうかなり安くなってしまっているので、音楽用の端末としてとっておいた方がいいかなとも思うのだけど。
しかしこのままではずるずると言ってしまいそうなので、先ずコネクタのアダプタを探すことにした。
夕方出かけて家の裏のヤマダ電機に行ってみたが、見つからない。ちょっと用事があって西葛西に出かけ、そこから引き返して銀座に出て、アップルストアに行った。
純正なら何かあるだろうと思って探してみると見つかったのだが、30ピンの♀とLightningの♂の組み合わせでケーブルがついてるのは4080円もしてびびった。しかし純正だから仕方ないかと思い、購入。純正でなければどういうのがあるかなと有楽町のビックカメラに行くことにして、途中どこかでご飯を食べようと思って探した。
【文芸マンガとかリストの伝記とか】
歌 文芸ロマン (ホームコミックス) | |
松田奈緒子 | |
ホーム社 |
その前に教文館に立ち寄って、何か読みたいものがあるかなと思って探す。マンガのコーナーにあった松田奈緒子『歌』(ホーム社、2013)。これは中原中也のエピソードや、芥川龍之介の小説を題材にした「文芸ロマン」マンガということらしい。面白いし、よくできている。
フランツ・リストはなぜ女たちを失神させたのか (新潮新書) | |
浦久俊彦 | |
新潮社 |
それから、浦久俊彦『フランツ・リストはなぜ女たちを失神させたのか』(新潮新書、2013)。ふざけた書名だが、中身は面白い。生涯ただ一人の師となったツェルニー(ベートーベンの弟子)との出会いが書かれたくだりは、『ピアノの森』でカイと阿字野先生の出会いを髣髴とさせる。決して豊かではないハンガリーの田舎町の家庭で育ったリストを、ウィーンの超有名なピアノ教師がその才能を見出し、育て上げたのだ。
「演奏は全く変則的で、不正確。運指法もでたらめで、指を勝手気ままに鍵盤の上に投げつけるのだった。それにもかかわらず私は、自然が彼の中に込めた才能に驚かされた。」ショパンは本当にほとんど独力の天才だったが、リストは厳格な教育を施す先生がいて初めて伝説の超絶技巧を身につけたというのもすごい話だなあと思う。
【余裕のない東京と贅沢な東京】
有楽町駅前の丸井の地下に何かあるかなと思って入って、牛タン定食を出す店があったのでそこに入って麦とろごはんで牛タンを食べた。なんというか若いお客さんが多いのに一人の客が男女とも多く、スマホとにらめっこしてご飯を食べている。そういう風景、丸善のカフェだと別に何とも思わないのに、丸井の地下だとなんだか凄いぎすぎすした風景に見えてしまうのはなぜなんだろうと思う。場の力というものは大きいなと思った。
ビッグカメラに行ってiPhoneアクセサリを探すが、自分の欲しいものは見つからなかった。まあ駅前の量販店だから仕方がないが、とにかく混んでいる。AppleStoreもそうだし、丸井の地下もそうだったけど、何というか「余裕のない若者(いや社会人も含めて30代くらいまでだともう若者という感覚なのだ)がごちゃごちゃたくさんいる」という雰囲気が、よく言えば新鮮、悪く言えば疲労度万倍という感じになって、いかに自分が普段「余裕のある空間」を選んで行動しているのかが逆にはっきりとわかってある意味すごく新鮮だった。
丸井に戻って、7階のツタヤ書店に行って本を見るが、エスカレーターで上がっていくと、やはりここも「余裕のない若者」のための店なんだなということがよく理解できた。こういう空間は、自分を癒しに来るところではなくて、ネタを探したり必要なものを買いに来たり、つまり仕事に来る空間なんだなと思う。最近は居れば癒されるというか、気分が落ち着いたり集中できたりする場所ばかりに東京ではいる傾向があったけど、何というかそういう形で自分を甘やかしていたから逆にフレッシュな感覚が刺激されてなかったんだなということが理解できた。
東京というのは、贅沢な空間は贅沢なのだけど、面白いビビッドなエネルギーが集まっているのはある意味若者向けのごちゃごちゃした空間だから、そこに行って面白さも不満も感じて来なければ、新しいエネルギーは得られないのだと思った。そういう空間にもっと果敢にチャレンジしていくことによって、新しいエネルギーを得て生きたいと思う。
【強欲は悪ではないが吝嗇は悪である】
一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教 (集英社新書) | |
内田樹・中田考 | |
集英社 |
とはいえだいぶ考え過ぎていて癒しのエネルギーも必要だったので、山手線に乗って東京駅に出て、丸の内の丸善に行って本を物色した。やはりこのあたりはホームグラウンドなので、落ち着いた気分になれる。もう新しい本を買う気はなかったのだけど、結局イスラム教の話が面白そうだったので、内田樹・中田考『一神教と国家』(集英社新書、2014)を買った。
少し読みかけたけど、一番印象的だったのは、遊牧民文化に由来するイスラムと農耕民の社会からできた日本の違いという話で、イスラム世界では「強欲なのは悪ではないが、吝嗇なのは悪である」ということだった。日本では、もちろんいろいろな意味で鷹揚で気前がいい方が評価はされるにしても、吝嗇なのは仕方ないと思っても強欲なのは嫌われるし税務署に狙われるという感があるが、イスラム世界では逆なんだなということだった。100円の水を500円で売りつけるのはいいが、自分が飲んでる水をほかの人に分け与えないのは人間としてあり得ないのだという。だから、水のペットボトルに名前を書いている日本人が、「お前とは一緒に仕事はできない!」と怒鳴られたのだという。へえっと思うが、まあ昔は日本でもそんな感じだったなとは思った。
4階のカフェへ行って、そんなあたりを読みながら、カベルネのグラスで生ハムをつまんで窓の外の新幹線を眺めたりしていた。やはり結局、癒されるというのはこういうことなんだなと思った。
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