雪かきの一日と『あぶさん』最終話
Posted at 14/02/16 PermaLink» Tweet
【雪かきの一日と『あぶさん』最終話】
とりあえずブログを書こうと書き始めてからなかなか書けなかった。今思ってみると、朝から雪かき以外のことをしていないし、雪かき以外のことを考えてなかったからだろう。
山梨県は大変なことになっている(群馬や埼玉県の秩父もそうだが)ようだが、私のいる長野県でもかなりの降りで、今日は雪かきに忙殺されたと言っていいだろう。家の周りをかき、駐車場をかき。駐車場は道から車庫までそれなりのぼりの道になっていて、いつも結構大変ではあるのだけど、今日は積雪の量が違うから普段の比ではなかった。
普段がせいぜい2〜30センチの積雪であるのに対して、今日は膝くらいまであったから、雪を置く場所もなかなか確保できない。ということは遠距離を運ばなければならないわけで、普段の雪かきとはレベルが違う感じだった。しかし、こういうことはなかなか描写が難しく、どうしても通り一遍の表現になってしまう。ああそうか、だからあまり上手く表現できなくて、それがストレスになって書けなかったんだな。
とにかく、簡単に言えば、ものすごく大変だった。
普段の雪かきでも結構大変だし、昔ならかなり腰を痛めたところだと思うのだけど、最近は夏からずっと草刈りをしていることもあるのか、身体の使い方が改善されているし、また腕の筋肉がついたり腰が安定したりもしているのだと思う。こういうものはやはり、普段から身体を使っていないと、使い方が上手く行かない。
そういうわけで今のところこれと言って痛いとか故障とか言うことはないのだが、しかしとにかく体力を消費したことだけは確かで、それは凄く運動になった。
親戚の人が融雪剤の塩化カルシウムを届けてくれたのもありがたかった。なかなか融けない氷のようなところに塩カルを撒いておくと割合時間が経たないうちに緩くなって、かきとりやすくなる。
まあいろいろと、今回は勉強にもなった。やはり実際にこういう機会がないと、経験値としてあがっていかないんだなと思う。
中央本線はずっと運休したままで、普通電車も高尾と長野県の茅野の間で止まっている。駅に行って聞くと、茅野と松本の間では普通電車が一応動いていて、そこから長野行きも出ているようだったけど、朝の時点で駅まで行って掲示されている臨時の時刻表に載っていたのは上下10本ずつだけだった。長野から東京行きの新幹線は一応動いてはいるが、70分遅れというような状況で、どんなに早くついても5時間はかかりそうな感じだった。先週はやはり私が乗っていた特急が相当遅延して、2時間半以上遅れて5時間くらいはかかったのだが、特急に乗ったままの5時間と普通電車のそれとは条件が全然違う。体力的にも厳しいので、今日動くことはとりあえずやめにした。明日の状況を見てまた考えようと思う。
ということでくさくさした気分を抱えてずっと部屋で身体を休めていたのだが、少しは気分を変えたいと思い、車で出かけた。朝、町の様子を見に行ったときは道路もぼこぼこ(車に踏み固められたところが固くなって出っ張り、そうでないところは取り去られていたりして)だしハンドルを取られて蛇行したりと言う状態で4WDでも怖かったのだが、だいぶ雪かきも進んでいるだろうと思って外に出てみた。やはり裏道は雪が残っているところが多かったが、国道や主要な県道はかなり除雪が進んでいて、思ったよりスムーズにツタヤに行けた。
茶柱倶楽部 5 (芳文社コミックス) | |
青木幸子 | |
芳文社 |
行ってみるとツタヤの駐車場はほぼ満車状態で、全く娯楽の少ない地方だなと思う。ここのツタヤはレンタルだけでなく書籍やマンガも売っているのだが、もちろん代官山や函館のようなおしゃれな書店ではない。ロードサイドの中規模の新刊書中心の書店だ。昨日が発売日だった青木幸子『茶柱倶楽部』5巻を昨日は買いにいく暇がなかったので、ちゃんと届いているかはいまいち不安だったが、行ってみたらあったので嬉しかった。
そのあと少し足を伸ばして自然派のスーパーまで行ってみたが、ここも車がいっぱいで、買い物をするのはやめて駐車場を抜けて帰ってきた。帰りは国道の方に出て、交差点のところにあるセブンイレブンによる。近い方のセブンは除雪がかなりしっかりなされていたが、ここのセブンはぐじゃぐじゃだ。かなり大きなトラックが止まっていて、駐車場に入りにくかった。何となく気分が晴れないで、雑誌のスタンドを見ていたら、水島新司『あぶさん』の最終回が掲載された『ビッグコミックオリジナル』があった。元々この号は買おうと思っていたので、ラッキーだった。ちょっと気分があがった。
あぶさん 103 (ビッグコミックス) | |
水島新司 | |
小学館 |
『あぶさん』は巻頭カラー。福岡に単身赴任していたときに同居していた110歳くらいのおばあさん、武藤ワカとの会話から始まる。ワカは作家であり、酒蔵の女将でもあった。彼女が作った最後の大吟醸が『あぶさん』と銘打たれていて、その味に感動したあぶさんは、一緒に飲みたい相手、三人を尋ねて旅に出る。
一人目は上越の「恋の宿」の小畑さんの墓。あぶさんが三年連続三冠王をとったとき、癌で苦しんでいたが、最後までそれを見届けたいと言っていた人だ。このとき最後の打席であぶさんは野茂からヒットを放ち、三冠王を獲得する。そして「恋の宿」を訪れたあぶさんは、線香の匂いに枕元に走り寄ると亡くなっていた。しかし、息子の話では三冠王の獲得を見届けてから亡くなったのだと言う。これは、あぶさんの中でも記憶に残るエピソードだった。
わたしは『あぶさん』は90巻くらいまでは買っていたのだが、さすがにマンネリを感じてきて最後の方は買わなくなった。107巻まで出るそうなのだが、どこかで読めればいいなと思う巻はいくつかはある。
二人目はうわばみのあぶさんのお母さん。それから、野球に出会うきっかけをつくってくれた有野さんの墓にも訪れる。
そして最後の一人は、『ファンの皆様へ』という最後のコマだった。
物語のメインの舞台だった居酒屋「大虎」が出て来なかったのは寂しいが、きっとそれまでの回でドラマが十分展開したのだろう。だからこの回は最終回というよりもむしろエピローグ的なもの、と考えるべきなのだと思う。
こういう終わりかたをした例を考えると、すぐ思い浮かんだのが貞本義行『新世紀エヴァンゲリオン』の最終回だ。このオンエア版とも旧劇場版とも全く違う最終回は評判になって、掲載された『少年エース』は売り切れになり、次号も同じ作品が掲載された。この最終回でも、出てくるシンジもアスカも記憶を失っていて、使徒に襲われた残骸もまた誰もなんだったのか認識していない。完全に切り離されたエピローグらしいエピローグで、しかも『再生』をイメージさせる、庵野作品とはかなり違う感触を残した最終回だった。
『いきなり最終回』という名作マンガの最終回ばかりを集めた本が以前あったが、最終回だけ読むというのもそれなりに味はある。ただ、最終回を読むとその前も読みたくなるのが人情ということもあり、きっとあの本をきっかけに全巻大人買いした人とかもいるんだろうなあと思う。
それにしても『あぶさん』が最終回というのはなんだか不思議な感じだ。連載41年だそうだから、私が9歳のとき、1971年から始まったのだろうか。長寿マンガは多いけれども、実名のプロ野球選手が出てくる野球マンガはもう肖像権の関係上新しくは出て来ないだろうし、確かに一つの時代が終わったということができるのだろうと思う。
おつかれさまでした。
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