【『進撃の巨人』BD8巻が届いた。「原作に忠実に」作られたアニメがさらに原作を刺激する、幸福な作品だ。】

Posted at 14/02/20

【『進撃の巨人』BD8巻が届いた。「原作に忠実に」作られたアニメがさらに原作を刺激する、幸福な作品だ。】

進撃の巨人 8 (初回特典:フルカラーイラスト集(48P)) [Blu-ray]
荒木哲郎監督作品
ポニーキャニオン

昨日仕事を終えて家に帰ると、『進撃の巨人』のBD8巻が届いていた。昨日は『コミックリュウ』の昨日発売号を変えなくてショックを受けていたが、これが届いたのはありがたかった。

本編は20話から22話。女型の巨人戦の後半で、女型の巨人をとらえたと思ったら脱出され、リヴァイ班が殲滅され、エレンが連れ去られようとしたときに、リヴァイとミカサのタッグで取り戻し、辛くもカラネス区に帰還するまでの話。22話についてはかなり賛否両論もあったし、帰還中に遺体を放り出して巨人から逃れる描写についてはやり過ぎだという意見がかなりあった。あれは確かに、日本人にとっては生理的に受け付けない部分があるような気がする。まあそこがトライだったのだろうけど、まあ評価は微妙だな。しかし、全体としてみたらやはり完成度は高いし、リヴァイ班がばたばたやられて行くところとか、見たのが何度目だか分からないのに涙ぐんでしまったところが多かった。

ちみキャラ劇場では二つ目のミカサがエレンと二人きりになれるおまじないをかける話と、三つ目のハンジとモブリットが超大型巨人にちょっかいを出す話が面白かった。

特典はイラストブック。雑誌の表紙やコラボ広告などで発表された『進撃の巨人』アニメのイラストを集めたもので、サイズはBDケースだが、46ページの豪華版。見たことのないイラストもかなりあった。

私が気に入ったのは、10ページのサシャがミーナに髪をとかしてもらっているのをベッドに片肘つい手寝転がるユミルが見ているという構図。このサシャがやたら可愛くて、まとめサイトでも評判になっていた。

そう言えば直接関係ないが2月17日は公式ガイドブックでユミルの誕生日という設定になっていて、ツイッター上などでも誕生パーティーが開催されていた。ユミルグッズを山のように集めた祭壇みたくなっている写真があって、これはなんかなみだものだった。ユミルは「ユミルの民」というこの物語全体のキーを握る存在と関係のあるキャラクターであることはまず間違いないのだが、それはまだ謎のまま。でも #ユミルの民 というハッシュタグで検索してみると、実は実にファンが多いことが分かる。

ローソンやピザハットとのコラボのイラストもあったが、あと私がいいと思ったのは「リスアニ!」の表紙になったもの。この「リスアニ!」は私も買ったが、元イラストは表紙よりもっといいなと思った。エレンとミカサが背中合わせに立っているだけのものなのだが。

その他、立体機動装置の描写の進展が詳細に13ページにわたって描かれていて、メカマニアのアニメーターたちのがんばりがこのアニメを支えたのだなと改めて思った。

ブックレットは巨人の設定および表情集。インタビューはリヴァイ役の神谷浩史と原作者の諫山創。特に諫山さんのインタビューはアニメならではの物語構造についていろいろ答えていて、なるほどと思うことがいくつかあった。

ユミルのこともそうだし、ペトラとかモブリットとか地味なキャラがどんどん人気が出て行くところは、横山光輝の『三国志』とよく似ていると思う。LINEで『三国志』のスタンプが人気だ、と言う話があったけど、物語構造がシンプルでしっかりしているからこそ、キャラクターがそれぞれ輝く、という面はあるのだろう。

諫山さんは元々世界観重視でキャラクターを設定していて、キャラクターが生まれたときを自分で知っているから、あまり「本当に存在している」という感じがなかったのが、アニメで声優が喋るのを聞いているうちに、本当にどこかに存在しているような気がしてきた、という話は面白かった。

「アニメーションは生き物でないものを生き物のように見せることだ」という言葉を引用して、キャラクターが本当に生き物になってきたと。そしてそのことが原作にも大きな影響を与えている、と言っている。キャラクターたちを掘り下げたいとか、キャラクターたちに目がいくようになった、と。

確かに最近の物語ではその辺りの掘り下げがかなりなされてきているし、スピンオフのリヴァイが主役の『悔いなき選択』とか、ヴィジュアルアニメのアニが主役の作品とかも、とても上質なものに仕上がっていると思う。それはそう言うところから出てきたのかもしれないなと思った。

原作を忠実に再現するという目標で作られたアニメがさらに原作を刺激し、より深くより広い世界を作って行くと言う、コラボの一つの理想が実現しているということで、本当にこの作品はすばらしい、また幸運な作品だと改めて思った。

そのほか『ワン・シング』を読んで思ったこととか、月刊MOKUで読んだ水野和夫という人の話とか、描いておきたいことはいろいろあるのだが、とりあえずこのブログは今日のところはここまでということで。

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