丸の内とか千駄木とか神保町とか/おがきちか『Landreaall』23巻:「なんて幸せな理由で俺は生きているんだろうか」
Posted at 14/01/27 PermaLink» Tweet
【丸の内とか千駄木とか神保町とか】
昨日。夕方出かけて、東京駅のあたりでお茶。丸の内仲通りに『カフェ サルバドール』というのがあって、ちょっと休憩したり軽く話をしたりするのにいい感じだった。Wi-Fiも完備で、MacBook Air初心者としては、レシートにWi-Fiのパスワードが書いてあるというのが新鮮だった。それから少し散歩して東京中央郵便局のKITTEをのぞき、雑貨屋などを見たり。
今日も東京駅に出ていろいろ用事を済ませる。セブンイレブンでお金をおろして保険料等の払い込みをして、三菱東京UFJ銀行を探してお金を入れ、新丸ビル地下のPoint et Ligneというベーカリーカフェで昼食。
それから千代田線まで歩き、千駄木に出て久しぶりに往来堂書店へ行った。でもこれがほしいなと思うのを見つけられず、そのまま根津まで歩いた。新御茶ノ水で降りて神保町へ行き、書泉ブックマートでおがきちか『Landreaall』23巻を買う。限定版の方はamazonで注文してあるので、通常版を購入。それから三省堂、東京堂をぶらっと見てすずらん堂へ。ここは基本的にはエロ本が扱いの中心なのだが、時々思いがけずアッと思うような本を置いてあったり、他のところで売り切れたものがあったりするので神保町に行くときには足を伸ばすようにしているのだけど、今日も絶版になっていたみなもと太郎『松吉伝』(復刊ドットコム、2014)を入手することができた。なかなか思いがけないものが手に入った。
それからマザーズへ行って自然食の弁当を買い、文銭堂で草餅を買って半蔵門線・東西線経由で帰宅した。
【おがきちか『Landreaall』23巻:「なんて幸せな理由で俺は生きているんだろうか」】
Landreaall 23巻 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス) | |
おがきちか | |
一迅社 |
『Landreaall』23巻(122話~127話)読了。私は連載誌で追っているので新しいストーリーを読んだわけではないのだけど、単行本作業で入れ替わったところなどを確認したりするのが面白いと言えば面白い。今回気がついたのは124話に出てくる『風蓮』という架空の植物の名前を、私は「水蓮」からの連想で「ふうれん」と読んでいたのだけど、単行本で「かぜはす」と振り仮名が打たれていた、ということだけだった。掲載されていたのは『コミックZEROSUM』本誌では10月末発売の12月号までの掲載分なので、明日28日発売の3月号では途中が2回分抜けることになる。限定版の小冊子・ドラマCDの編集の都合で出るのが遅くなったのだと思うので、まあ仕方ないかなというところなのだけど。
『ランドリオール』というマンガは実にまったりとしたペースで話が進んでいるのだが、とても面白くてずっと読み続けている。あらすじをすごく簡単に説明してみる。もともとは結構長い話なので最近の部分をかいつまんで。またこのマンガは複数の筋が同時に進行しているので主人公DX(ディーエックス)がらみの部分のみ。
DXは架空世界の「アトルニア王国」の王位継承権者の一人で、王国の辺境にあたるエカリープ領の領主の息子、17歳(だったかな)。馬上槍試合で優勝者に花輪をささげてくれる乙女に密かに恋していたメイアンディア・クラウスター嬢を指名するが、ディア(メイアンディア)が実は新しく選出された次代の国王(大老と呼ばれ、すでに老齢で、つなぎとしての即位)の妃になることを知ってしまい、傷心状態に。しかしその場に突然亡き前王の孫娘にあたるユージェニ姫が現れ、政治状況は一気に混乱化してしまう。
DXの父・リゲインは前王に仕える騎士だったが、正気を失い兵を限りなく消耗する戦争を起こし、王女のリルアーナを王妃と見分けがつかなくなって執着した前王を切り捨ててしまった過去を持っている。それは半ば公然の秘密だったのだが、王女リルアーナに仕える騎士でもあったリゲインとその妻(DXの母)ファレル、DXと兄弟のように育ったニンジャの六甲はその死の真相を確かめるため王女が身をひそめていた謎の多い砂漠の隣国・クレッサールに向かう。そこでユージェニとリゲインがクレッサールで救出したアトルニア貴族・クエンティンと落ち合うはずだったのだが、そこで行方不明になったとの知らせがアトルニアの王都・フォーメリーのアカデミーに寄宿するDXたちのもとに届いた。
DXは父の行方不明の謎を探るため内々にクレッサールに向かうが、大老はなぜかディアにDXとともに行き、DXを助けるように命じる。DXの妹イオンはきつくアカデミーに留まるように言われるが、ディアのメイド・アイーシャに変装してDX・ディアとともにクレッサールに向かう。
クレッサールでDXたちは六甲を助けてくれた「灰撒」と呼ばれる部族の兄妹バハルとチンクに出会う。彼らの案内でクレッサール人たちの市場を訪れたDXは以前DXにいのちを奪う呪いをかけた「葛焚」と呼ばれる部族の呪術師と出会う。呪術師は「呪い」についてDXたちに説明し、バハルたちも知らない知識を教えてくれる。そこで呪術師は両親をさらったと思われる「曲鳴」と呼ばれる部族の呪術師たちの居場所を教える。
とまあ、最近の部分をこの巻の中の話に至るまでかいつまんで説明するだけですごく複雑なお話になることが分かってもらえると思う。この話の何が面白いのかというと、こういう架空世界の政治過程の攻防が面白いということもあるし、出てくるキャラクターたちが持っている能力の設定が面白いということもあるが、登場人物たちはみな何かを目指して生きていて、その時その時にその人その人の人生観をぽろっと吐露する、そのセリフが魅力的だ、ということが大きいのだと思う。このマンガは『ZEROSUM』という中高生女子向けの月刊誌の連載なのだが、男性のファンも多いというのはうなずける。なんだかんだ言ってこういう権謀術数渦巻くような背景を持つストーリーが、男は好きなんだと思う。
この巻にも心に残るセリフはいくつかある。特に、123話のイオンの「戦うとき、祈りは背中を暖めてくれる」というセリフ。126話の六甲の「恩ばかりが増えていく…恩を返すために生きなければ。なんて幸せな理由で俺は生きているんだろうか」というセリフの二つだろうか。特に後者は、ここのところでも出色の言葉であるように思った。
これからの展開を、さらに楽しみにしたい。
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