トラブルなど/さいとうちほ『とりかえ・ばや』3巻読了
Posted at 13/12/18 PermaLink» Tweet
【トラブルなど/さいとうちほ『とりかえ・ばや』3巻読了】
昨日帰郷。特急はいつもの通りに小淵沢までは順調に走ったのだが、上諏訪で人身事故とのことで長時間止まった。これは仕事に遅れるかと思ったが、急にできた時間だったので、しばらく付ける暇がなかった金銭の出納をレシートを見ながらつけた。現金とSuicaの出し入れは付けたが反対勘定の費用の方をつける前に電車が動き出したので複式簿記の片方の勘定だけしかつけられなかった。特急はそのあと富士見で止まり、青柳で止まり、茅野で止まりとしながら50分遅れで到着して、とりあえず仕事には間に合った。
小淵沢は八ヶ岳がきれいなのだが、反対の方には富士山も見える。ただ場所が悪くて、私の車両からはちょうど富士山の真ん前に建物があって、稜線は見えるけれども全景がふさがれているという珍妙な景色になった。日食のように、太陽が月に隠されているような状態。ただただ発車を待つけだるい車内の中で、変な弛緩した空気にその景色が良く似合う気がした。
雪が降るとの予想があったが、なかなか降らないなあと思いつつ、今朝はモーニングページを書いていろいろブログやそのほか書くものについて構想を練ったり書きつけたりして、図書館に出かけようと外に出たら、ついに降っていた。気温が高い(0度前後)ので、昼のうちに降った雪はたぶん融けてしまうだろうけど。小雪の中を車で駅の向こうに回り、そう言えばと思って工事中だったファミリーマートに行ってみたら、今日開店ということで大混雑していた。駅に近いけれども旅館や歯科医院などが並ぶあまり店のないところなので、近くに住む年配のご婦人たちにとってはずいぶん助かるだろうなあと思う位置。今日こんでいるのは開店記念でいろいろ安くなっているからだけど、立地的にはかなりいい場所なのではないかと思った。
思い出のマーニー〈上〉 (岩波少年文庫) | |
ロビンソン | |
岩波書店 |
図書館に回り、借りようと思っていたジョーン・ロビンソン『思い出のマーニー』上下(岩波少年文庫、1980)を見つける。これは、来年の公開を目指してスタジオジブリで制作が進んでいる作品の原作で、amazonでも在庫が切れているようだし、いろいろな図書館でも貸出中になっていてずっと探していたのだが、検索で見つけることが出来たもの。それから、読んでいてすごく面白くなってきたさいとうちほ『とりかえ・ばや』の原典を読もうと、「とりかへばや物語」で検索するとずいぶん古いものしかなく、書庫から出してもらったのを借りたのだが、奥付を見たら大正三年刊だった。つまり1914年刊。ということは、99年前の本だ。えらいことだなあと思う(しかも返却期限は来年1月4日だから、100年前の本を返すことになる)が、考えてみたら「とりかへばや物語」は11世紀の話、つまり1000年前の話なのだった、と考えればそんなでもないか、と思ったりもするのだが、そんな時代の話をこんなに面白く読ませるというのはすごいなあと読んでいて思う。
とりかえ・ばや 3 (フラワーコミックスアルファ) | |
さいとうちほ | |
小学館 |
というわけで、さいとうちほ『とりかえ・ばや』3巻読了。2巻のあたりを読んでいるときに、「これは面白い!」とすごく思った。男らしい女と女らしい男、というテーマだけでも現代性があるのに、女が女であることを隠したままで元服して宮中に出仕し、さらには結婚までしてしまうという展開。男が男であることを隠したまま裳着の儀をして女官として女の東宮に仕える。そこに出て来るトリックスター的な色好み、石蕗の中将がまたいい味を出していて、本当は女性である沙羅双樹の中納言の身辺をひっかきまわして行く。
一方男でありながら尚侍(ないしのかみ)になってしまった睡蓮の尚侍は女東宮に魅かれていく。彼らは東宮が姫でありながら東宮になるということを予言した吉野の宮を東宮と共に訪れ、性が入れ替わっていることを見抜かれる。しかし彼は彼らの味方となることを告げる。このあたりの展開が、後々の避けようもないであろうトラブルに巻き込まれて行く彼らを救うだろうという予想が出来て、非常にわくわくする。
最近いろいろ身体の変化を感じながら結構横着しているところがあったので、そのあたり身体がもっとこっちに気を使えと言っている感じ。はいはいわかりましたよと思いながらわが身体に付き合っている。真面目に相手をしないとへそを曲げてしまうお姫さまのようなものだ。あんまり心配し過ぎても調子がくるってしまうところもまた似ている。
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