ウェブ日記の延長線上で/フラワーフェアリーズクロック/サハラ・サヘルの遊牧民トゥアレグをめぐる問題/「ピューリタン革命」の見直し

Posted at 13/09/10

【ウェブ日記の延長線上で】

忙しくてなかなか日常生活に手が回らず、田舎に戻る火曜日になって家事や家計簿付けや掃除や洗濯をする、ということを繰り返している。東京にいられる日をもう一日増やせればもう少しは手が回りそうだが、田舎ではまた田舎の仕事もあり、田舎にいるときはもう一日信州にいるべきかと考えることが多い。それはまあ仕方のないことなのだが、できる範囲で出来るだけのことをするしかないと思う。

ブログに書くのもメインの目立ったことだけになっていて、まあブログなんてものは本来どう書いたっていいのだけど、もともとが『日記猿人』でウェブ日記を書いていた延長線上でブログを書いている部分があるのでどうしても日常で発見した些細なことなんかを書きたいという気持ちが強くあって、大きな出来事だけでは物足りなくなるんだよなあと思う。それに、考えたことの中でも重要なことはよく考えてからでないとこういう場所には書けないから自分の中で何らかの変化があったつもりでも書いていることは変わらなかったりして、なんかその辺に不自然さを感じてしまったりする。とにかく「人に読まれる文章を書く」というのは、自分の中で凄く大事なことになっていて、でも不調な時はなかなか書けなく、そういう時にごそっとアクセスが減ったりグーグルやヤフーのアルゴリズム変更に影響されたりするため一時は毎日500を超えていたアクセスも200前後になっていて、まあそれでも自分なりに書く内容を充実させようとしてやってきているのでまあ仕方ないかとも思っている。

【フラワーフェアリーズクロック】

ユ-パワ- Flower Fairies フラワーフェアリーズ クロック ホワイトバインドウィードフェアリー FF-03541
ユーパワー

昨日教文館に物語を探しに行って『銀のうでのオットー』を買ったことは書いたが、そのあと4階のカフェの窓際でお茶を飲みながら銀座通りを眺めて、隣のエインカレムにあったシシリー・メアリー・バーカーの絵の花の妖精の置時計がどうしても欲しくなり、買うことにした。これは最近エインカレムで見て、本当に欲しくなるまで買うのを我慢しようと思っていたのだけど、見るたびに欲しいなと思ってしまったので、やはり買うことにしたのだ。「贈り物ですか」と聞かれたので(まあそりゃそうだよな)「あ、簡単な包装でいいです」と誤魔化したのだが、この人の絵にはなんだか世界があって、すごく魅かれるものがある。家に帰ってきてテーブルの上においてみたが、ああ、買ってよかったなあと思う。うちはもう全く絵とかそういう置物類とかが多いのに本棚に入りきらないくらい本があるので置く場所がなく、いろいろなところに置いている。でもこれは目につく場所に置きたいものの一つ。こんな感じで移動させてはいるんだけど。


【サハラ・サヘルの遊牧民トゥアレグをめぐる問題】

教員時代からずっと届いている雑誌に山川出版の『歴史と地理』があるのだが、時々大学院時代に同じゼミにいた人が寄稿したりしていてああ頑張っているなあと思う。それでなくてもいろいろと興味深い論考が多い。今回は「世界史の研究」で、印象に残ったのは私市正年「フランスにおけるサハラ地域の植民地化とトゥアレグ問題」と後藤はる美「ピューリタン革命から三王国戦争へ」。そのほかベトナムの都市、インドのイスラーム、ドナウ川の近世と近代と興味深い話がいくつも。

トゥアレグの話は昔から興味があるのだが、歴史的な背景とフランスによる植民地化によって生じた問題、2004年以降のアルカイダ系との結びつきや、フランスの利権確保=再植民地化(このテーゼへの賛否はともかく)と幅広く現代の問題と結びつけながら書かれていて興味深かった。トゥアレグはラクダの遊牧と交易と略奪を中心とする民族だったが、フランスによる植民地化で最下層に転落させられ、かつては黒人奴隷を所有していたのに現在ではマリやニジェールに分断された生活圏で黒人政府に圧迫されているという構造になっているのだという。そこまではなかなか想像しにくいところで、アルジェリアで起こった人質事件なども同じ背景を持っているのだということは理解した。


【「ピューリタン革命」の見直し】

それから、研究動向として知らなくて読んで凄く印象に残ったのが「ピューリタン革命から三王国戦争へ」。イギリス史もイングランド中心史観の見直しというのは一つのトレンドとしてはあるのだけど、ピューリタン革命をイングランドの内乱とみるか市民革命の嚆矢とみるかでその位置づけは全然変わってくる。近代化そのものの意味を見直すという方向性が最近強いから、前者の方の見方が強くなってきてはいる。三王国とはイングランド・スコットランド・アイルランドで、同時期に内政変革が起こりそれをクロムウェルが圧倒していくという過程があって、17世紀の内乱を「三王国戦争」と位置づけようという試みがあるということは初めて知った。ヨーロッパの歴史学はダイナミックだ、イギリスもフランスも。

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