『進撃の巨人』:アニメ22回「敗者達」原作49話「突撃」ガイドブック「連載第1回幻のネーム」/ネットのカリスマは刑務所で何を読んだか/ハワード=バイル『銀のうでのオットー』

Posted at 13/09/09

【『進撃の巨人』:アニメ22回「敗者達」原作49話「突撃」ガイドブック「連載第1回幻のネーム」】

どうも不規則な生活になってしまってブログの更新も滞ってしまった。

昨夜は午後から夜にかけて爆睡してしまって、目を覚ましたら11時26分だった。慌てて起きて、30分から『進撃の巨人』を見る。展開は原作を読んでるから知っている…はずだったが、中盤以降はほとんどアニメオリジナル。まあ暗い展開になることは分かってはいたが、あまりに絶望感を強調する場面ばかりでネットでアニメファンの言う「鬱回」になっていて、ぐわわんとくる。なんだか気が晴れなくていろいろネットを徘徊したりする。

別冊 少年マガジン 2013年 10月号 [雑誌]
講談社

2時ごろそういえばもう『別冊少年マガジン』の10月号は出ているのではないかと思い、ローソンまで買いに行く。正解。買ってきて『進撃の巨人』49話「突撃」だけ読む。これがまたすごい展開。ネタバレになるので詳しくは書けないが、腕を食いちぎられるものあり、人間性を捨てる展開あり、ナイトも登場すれば悪魔の末裔まで現れ、すげえもんを投げたりする。とにかく展開にぼーっとしたまま、4時ごろ寝た。

進撃の巨人 OUTSIDE 攻 (KCデラックス)
諌山創
講談社

7時半ごろ妹からメールが来てその着信音で目が覚める。モーニングページを書いてさて、今日は何をするかと考えたが、なんだかいろいろ考えてしまって生産的なことが始まらない。10時ごろになってこのままでは何もできないからとりあえず出かけようと思い、駅まで行く。駅の近くの文教堂で『進撃の巨人公式ガイドブック第二弾 OUTSIDE 攻』を買った。どうしようかと思ったがそのまま地下鉄に乗り、大手町まで行って丸善で本を物色し、あまり買う気になるものがなかったので食事に行った。久しぶりに鹿児島ラーメン。ガイドブックをあちこち飛ばし読み。この本の最大の収穫は幻の第1回ネーム。連載開始時に2回目分まで書いて編集部のゴーが出ていたネームを作者がいきなり書き直してきたのだという。結局それでゴーということになって今の形の作品になったのだが、読んでみて描き直してよかったと思った。この『進撃の巨人』という作品は先行するどんな作品にも似ていないという感が凄かったのだが、「幻のネーム」を読んでいると「ありがち」と思われるエピソードのはさみ方をしているところが何カ所か目について、もしこちらになっていたらこの作品の持つ本質的な謎の部分の面白さや話が始まる前に何があったのか想像するしかない奥行の部分が浅くなってしまっていたなあと思う。アルミンの一人称が「俺」になっているのも今となっては違和感。キャラクターの立ち方から言っても、やはりアルミンは「僕」しかないなあと思うし、作者が無茶というか暴挙をしでかしてよかったなあと思うし、それを受け入れた編集部もえらいなあと思った。やはり幸せな作品なんだなあと思う。

【ネットのカリスマは刑務所で何を読んだか】

ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った (ノンフィクション単行本)
堀江貴文
角川書店

降りてきて1階でまた本を物色し、ちょっと気になっていた堀江貴文『ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んでみた』(角川書店、2013)を買った。これはまだあまり読んでないが、ネット界のカリスマの言動が割合素直に書かれていて面白いと思った。彼の思想のようなものがすごく表れている気がする。またこの本については読んでから書いてみたいと思う。そのあとあまりいろいろする気も起らず、神戸屋キッチンでトゥルニーを買って帰った。


【ハワード=バイル『銀のうでのオットー』】

銀のうでのオットー (子どもの文学―青い海シリーズ)
ハワード=バイル
童話館出版

帰ってきてまたいろいろやっていたが今度もなかなか歯車が回らない。このまま何もしないのもなんだなあと思い、また夕方出かけて銀座に行くことにした。なんというかいろいろ迷っていることがあったのだけど、つまりはもう一度物語を書くかどうかということをいろいろ体の各部で考え込んでいたようだ。教文館に行き、6階のナルニア国=児童書の階を物色して、ハワード=バイル『銀のうでのオットー』(童話館出版、2013)を買ってから、ああ、私は物語を探していたんだ、ということに気がついた。これは中世ドイツの話なのだが、立ち読みしていて「ああ、これは進撃の巨人の世界に似ている」と思った。
「ガラン!ガラン!突然メルヒオルの塔の物見やぐらから、急を告げる鐘の音が鳴りわたった。ガラン!ガラン!みやまがらすや小がらすが、飛び交いながら、激しく鳴き叫んだ。ガラン!ガラン!白の馬小屋の後ろ野岩穴につながれたウルフハウンドが、不気味なうなり声をあげた。ガラン!ガラン!ガラン!下の中庭は、たちまち、急ぎざわめく、さわぎの音で満たされた。叫び、呼び合う、人の声。武器や鎧の触れ合う音。……」

この鐘の音は、調査兵団が壁外調査に出かけるときの城壁都市の外扉が開くときの鐘の音に似ている。この描写は瘠せた山の上に砦を構える泥棒男爵の城塞の描写なのだが、この切迫した雰囲気は本当に進撃の巨人まんまだなあと思った。

この本は1888年にアメリカの作家ハワード=バイルによって書かれ1967年に訳され学研から出版されたものを、長崎の「童話館出版」が今年復刊したというものだ。そういう経緯なのでヨーロッパ中世をただ「暗黒の中世」と呼んでたりするのがアナクロな感じはするのだけど、生き生きとした描写は決して飽きさせるものがないと思った。まだ34/206ページだが、小学校上級向きという指定もあり、読み始めたら一気に読んでしまうものと思う。

どんな本、どんな物語が心に、魂に響くかというのは多分その時によって違うのだろうけど、1冊の本がそうだからと言って同じ作者のほかの作品もそうであるとは限らない。でもナルニア国では、そういう本に出会う確率が高いなと思う。私はローティーンからハイティーン向けのものが、どうも水に合う部分があるようだ。

いろいろ書きたいものはあるが、そういうものと並行して、物語も書いていくいようにしよう、と思った。物語でないと描けないものがあるのは、やはり間違いないのだ。

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