たましいのホームポジション/「行ってらっしゃい、エレン」
Posted at 13/07/12 PermaLink» Tweet
【たましいのホームポジション】
金曜日あたりになると毎週疲れが溜まっていて、今朝も起きたら7時20分だった。朝食前に職場のごみを捨てるのを断念し、寝床の中で身体を感じる。昨日うまくいかなかったグラウンディングが自然にできていると感じる。寝ている時に丹田から地球の真ん中に太い柱が伸びているのを感じる。起き上がり、椅子に座ってみると股の付け根、第一チャクラから真下にドーンと伸びているし、立ち上がってみると足の裏からズーンと地球の中心、いやもっと下に向かって大きな柱が伸びているのを感じた。
野口整体では背骨に気を通すということを言うのだが、今日の感じでは自分の胴体全体が気の通路になったような感じがし、もっといえば自分から外に向かって少し広がった、オーラというか自分の気の範囲が気の柱になってずーっと下まで続いているのを感じた。意識を上に持って行ってみると、そのままの感じで気の柱がずーっと天上まで、そしてさらに上まで伸びているのを感じる。この感覚は気持ちいいなと思った。
しかし起き上がってみると、ずいぶん気持ちが沈んでいるのがわかった。何というか人生が、辛くて苦しくてつまらなく感じられて仕方がない。気持ちがただただ沈んでいく。これはどう言うことなのだろうと思い、自分を観察していたのだが、観察しているうちに、この自分がグラウンディングしている感じ、つまり「地に足がついている」感じと、その気持ちが沈んでいる、世の中が、生きることが嫌になっている感じが何か根本的には同じことをさしていることに気づいた。つまり、地に足がつくようになったからこそ、生きることを嫌に感じるようになっているのだし、逆に言えば生きることを嫌に感じているからこそ地に足がつくようになったという感じが出てきたわけだ。
「人生は楽しい」教というか、「生きることは楽しい」教というか、「ポジティブシンキングで全部解決」教というか、まあそういうものが世の中にはあるが、私もまあそういうものに賛同しているところがあって、まあなるべくすべてをポジティブに前向きに感じようとしていたのだけど、要するにまあそう「感じよう」とすることの嘘がけっこう極限まで積み重なって、このところの不調になって現れてきていたのだなという気がする。まあ本当に世の中が楽しくて仕方のない人がいるならそれが真実だろうからそれならそれでいいのだけど、生きることは辛くて苦しくてつまらないことだと実際感じているのなら、嘘のない形で自然にそれをそう感じている状態こそが地に足のついた、グラウンディングが出来た状態だということなんだと思った。
そうしてみると何と言うかふっと楽になり、また落ち着いて深い呼吸が出来るようになって、なんだか救われた気がした。世の中を無理にポジティブに感じなくていいということはいかに楽なことか。
そう考えてしばらくじっとしていたのだけど、お茶でも飲もうと思ってお湯を沸かしていると、そのお湯が湧いてくる音を聴いていると、何ともいえず元気が出て来るのを感じた。不思議なものだ。
考えてみると、このつらく苦しく詰まらない世の中や人生において、好きなものがあったりやりたいことがあったりすることが、いかに救いになることだろうかと思う。この世が楽しくて仕方ないなら、何かそういうものを持つ必要は特にないに違いない。何をしてたって誰といたって楽しいのだから。しかし実際にはそうではない。だから人間にとって好きなものややりたいことが大切なのだし、愛するということに意味があるのだと思った。ポジティブシンキング教にはまると、逆にそういうものが見えなくなるところがあるのではないかと思った。
つまり、このつらく苦しく詰まらない状態は、ある意味たましいのホームポジションなのだろう。しかし、その状態であればこそ大地とのつながりを感じることが出来、また天上へ伸びて行くつながりを感じることが出来る。それを至福と感じることはまだできないが、でも思い出して見るとそう感じられたこともあった気がする。
たましいのホームポジションに還ることを恐れてはならないのだと思う。いや、恐れてもいいが避けても仕方がない。辛く苦しく詰まらないと感じているのは幻影ではなく現実なのだから、逆に言えばそのポジションに還ることでさまざまな他の感覚や感情にも敏感になる。お湯がわく音一つで元気が出る、幸福になるというのは、やはり感覚がみずみずしくなければ起こらないことで、そういうことを感じることが大事なのだと思った。
【行ってらっしゃい、エレン】
海月姫(12) (講談社コミックスキス) | |
東村アキコ | |
講談社 |
特に行動することもなく(いろいろ用事は済ませたけれども)グラウンディングをしたり活元運動をしたり体温調節に服を着たり脱いだりしながらこの暑さの中で自分のポジションを探ったりしていたのだが、ツイッターを見ていて今日が東村アキコ『海月姫』12巻の発売日であることを知り、昼食を済ませてから車で出かけた。今週はどうも気分が落ち気味だったので、あまり出かけていなかったなあと思いながら、国道を走る。あれと思う場所に学習塾を見つけたり、いつも走りながら気が付いていなかったものが見えたりしたのだけど、平安堂で『海月姫』を買い、帰りはサンリッツの方を走って自然派スーパーに立ち寄り、コーヒーとパンを買った。ここのコーヒーは確か200円だった気がしたが、セブンイレブンが100円コーヒーを売り出してからどこも値段を100円に下げていて、まあ消費者側からするとありがたい。商売大丈夫かと余計な心配をしてしまうのだけど。買い物をしたらずいぶん気分が上がっていて、もう一軒本屋に回るつもりだったけど取りやめてすぐ家に戻った。
『海月姫』を読み始めるとなかなかコレはという展開だったので落ち着いてじっくり読むことにし、少しだけ読んでやめている。また『進撃の巨人』を少し読み直し、アニメで描かれたシーンが原作ではどう表現されているかを再確認したりしていた。
進撃の巨人(1) (少年マガジンKC) | |
諌山創 | |
講談社 |
マンガの第1巻の冒頭でミカサが「行ってらっしゃい、エレン」という場面があり、それがエレンの夢だった、という描写があって、これが2ちゃんねるなどで物語構造が「ループ」であるとか、いやすべてはエレンの夢だったという構造なのだ、とかさまざまに語られていて面白いのだけど、私はこれは最終話は巨人の問題が解決して、エレンと(多分)アルミンたちが炎の水や氷の大地に向かって探検にでかける、その場面のデジャビュみたいなものだったのではないかという感想を持った。いろいろ読み返して見るとやはりエレンが父親に注射をされた直後に父親が行方不明になっているということのようだし、47話で少しだけでて来た巨人になった人間が人間に戻るための方法について考えていて、巨人になったエレンが人間に戻れたのは「トーマスを食った巨人」を食ったからではないかということを思ったりした。このあたり、作者は実によくわからない形で伏線を張り巡らせているので、何が本当なのかきちんと伏線を回収するまで本当のことが分からないのだが、まあ実際すごい作品だと思う。
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