今更だが『進撃の巨人』に沈潜している/『ジブリの教科書3 となりのトトロ』

Posted at 13/07/10

【今更だが『進撃の巨人』に沈潜している】

別冊 少年マガジン 2013年 08月号 [雑誌]
講談社

今朝は諏訪で起床。やはり東京と違い、朝夕は涼しいのでよく眠れ、その分休まる。昨日は東京を出がけに東陽町の文教堂で『別冊マガジン』の8月号と林修『いつやるか?今でしょ!』(宝島社、2012)を買い、丸の内の丸善で『ジブリの教科書3 となりのトトロ』(文藝春秋、2013)を買った。それから家を出るときに『モモ』と『考える人』、『月刊全生』7月号なども持って出た。

いつやるか? 今でしょ!
林 修
宝島社

特急の車中ではまず『別冊マガジン』の「進撃の巨人」47話を読む。すごく良かった。そうかあと思うこともあり、ああ、21話「開門」のアニが去る時のあの場面はこういう意味だったのか、と深く納得したりもした。また同時に新たな謎がいくつも提示され、それがこれまで明らかになっているさまざまな展開とどう関係してくるのか、さらに興味が深まった。この話のストーリー展開には2ちゃんねるの掲示板などでさまざまに議論が戦わされているし、「進撃の巨人ちゃんねる」などさまざまなまとめサイトでもいろいろな角度からの議論が行われていて非常に興味深いし、また自分が気がつかなかった場面の指摘などもあってさらにああなるほど、と思わされる。こういうリアルタイムでマンガやアニメの展開をネットを駆使しながら追いかけていくというのは初めての体験なので、大変面白い。

内容はネタバレになるのであまり書けないけれども、誰誰が誰誰を好き、ということが原動力になってストーリーが動きそうなことがいくつかあり、作者が自らブログで指摘していたのはこのことだったのか、と合点が行ったりした。改めて47話の副題を見てみると「子供達」。深くうなずくものがある。15歳から17歳でこういう世界に放り込まれて、緊張の極限で戦い、自らの使命を果たそうとする。そのうちの正体がばれた3人が主人公エレンをさらって逃げようとし、調査兵団が全力でそれを追いかけている場面を見ていると、追いついてほしいような、逃げ切ってほしいような、複雑な思いに駆られる。この先のストーリーはまだ読めないが、本当に毎号が楽しみだ。

進撃の巨人(4) (講談社コミックス)
諌山創
講談社

アニメの方は7日(MXで)の放送は第13.5話と銘打った総集編だったが、その編集の仕方もいろいろ不思議だった。アニメの次回予告並びに別冊マガジンの予告によると、14話は「まだ目を見れない」で審議所の裁判の場面、15話は「特別作戦班」だからリヴァイ班の結成と古城の清掃等の場面だろう。(これは地味に見えるがリヴァイのファンには大受けだと思われる)そして16話が「今、何をすべきか」なので、これはジャンが主役の回になるだろう。アニメでは原作で魅力的な場面がいくつか削られているのでこの場面が残るかどうか心配だったのだが、原作第4巻でアニメ化されずに残されていた場面が取り上げられそうなので嬉しい。17話は壁外調査に出発する。副題が『女形の巨人』なのでおそらくは第5巻の最後、原作22話までは進むだろう。原作第6巻の23話に入るかどうか。

進撃の巨人(5) (講談社コミックス)
諌山創
講談社

アニメがはじまるまでは毎月一度9日の発売日と4カ月に一度の単行本の発売日に盛りあがって沈潜し、またひと月待つというパターンだったが、アニメがはじまってからは一週間単位になっていて、沈潜している時間が大変長くなってきた。子供の頃でもそんな見方はしてなかったから、まあ大変なことをさせてくれる作品だと思う。

自由への進撃 (通常盤/CD Only)
Linked Horizon
ポニーキャニオン

諏訪に戻って仕事をし、家に帰るとLinked Horizon、『進撃の巨人』の主題歌集『自由への進撃』がamazonから届いていた。初回限定でDVD付きも出ているのだが、私は敢えてCDのみの通常版を買った。というのは、通常版の初回限定ジャケットが諌山創の描いた調査兵団のメンバーのイラストだからで、まあ何だかややこしい。収録されている曲は3曲で、1曲目がオープニング曲の「紅蓮の弓矢」、2曲目が2クール目のOP「自由の翼」、3曲目は「もし壁の中が一軒の家だったら」とそれぞれ『進撃の巨人』の世界をモチーフにした作品で、3曲とも実に良かった。「紅蓮の弓矢」のロングバージョンはニコ動で一度見たのだがあまり感心しなかったのだけど、ちゃんとCDで聞くとその良さが良くわかる。歌詞カードが技と読みにくい作りになっていて、文字を絵で表したりインクが擦れて読みにくくなったりしているという演出を施してあるのだが、そう言えば昔、友人の詩人がこういうイメージの作品を作っていたなあということを思い出し、懐かしくなった。これらの曲を作った人も、実にたくさんの知的・音楽的財産を持っているのだなあと感じさせられて、その辺もすごく印象が良くなったひとつの理由だろうと思う。

今朝は用事で駅に出かけ、ついでに『ビックコミック』を買った。今号で面白かったのは「天智と天武」だったか。中大兄皇子と大海人皇子、百済王の息子豊璋、額田王とその姉鏡女王というメンツの中で話に出てきたのが新羅王の金春秋。古代の日韓関係史の綺羅星のような図柄が魅力的に描かれている。


【『ジブリの教科書3 となりのトトロ』】

ジブリの教科書3 となりのトトロ (文春ジブリ文庫)
文藝春秋

午後はずっと、『ジブリの教科書3 となりのトトロ』を読んでいた。かなり読み応えのある本なのだが、あっという間にもう半分近く読んでしまった。集中度でいえば2の『天空の城ラピュタ』の比ではなく、1の『風の谷のナウシカ』さえはるかに超える。この本は自然描写についての記述がものすごく多いのだけど、どれだけの手を尽くして自然が描写されているのかということを克明に書いていて、そこにものすごく引きこまれるのだ。それは自分の身体の中に入っている自然と呼応して、そう、これだよ、これなんだ、と言っている感じがものすごく強い。トトロがその嚆矢ではあるけれども、その後のジブリの自然描写の巧みさがどんどん神技の生きに入って行くのはいうまでもないのだけど、ああ、この時できなかったことがたとえば『耳をすませば』や『もののけ姫』で実現して行くのだなあということも感じる。トトロはすごい一歩ではあるけれども、やはり「最初の一歩」なのだ。そしてナウシカ、ラピュタとSFっぽい作品のあとに続いていきなりトトロという企画を実現させたことのすごさもまた改めて感じさせられた。それにしてもこの場面はどの色とどの色を使って、みたいなすごい具体的な記述もあり、ある意味本当に『ジブリの教科書』なんだなと思った。続きはまた。

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by Luke Peterson

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