『進撃の巨人』アニメとか/とり・みき『冷食捜査官』/萩尾望都の対談集/楽を選ばない
Posted at 13/04/29 PermaLink» Tweet
【『進撃の巨人』アニメとか】
いろいろ考えをまとめながら、『進撃の巨人』のアニメを見たり、主題歌を何十回も聞いて歌えるように練習したり。ギターでコードを弾けるようになるといいなと思うのだが、先ずメロディと歌詞を覚えないといけない。何しろ難しい感じが多い歌詞なので、なかなか覚えてそれに節回しをつけるのが大変だ。ギターも弦を張り替えないといけないし、いろいろやらないといけないことが多い。
進撃の巨人 INSIDE 抗 (KCデラックス) | |
講談社 |
たまっていた本を何冊か読む。『進撃の巨人INSIDE抗』。公式ガイドブック第一弾。諌山創インタビューや、ここのキャラクターの解説などで、特にマイナーなキャラクターの解説でふんふんと思うところがあった。『進撃の巨人』もマンガでも相当な売れ行きの作品ではあるが、アニメが始まったことでさらに火がついた感があり、私のブログのアクセスも進撃の巨人関係のエントリがかなり増えている。私も第1回を録画しそこなったのでニコニコ動画で見ているが、オープニングテーマなども何度も見直しているのだが、ニコ動はコメントを書き込めることでほかの人の感じ方などが分かるのも面白いなと思った。最近どうも女の子系のマンガの方が面白いものが多かったのだが、これは掛け値なしの男の子系のマンガで、その分肩入れしたくなる感じがある。
デビルエクスタシー(1) 新装版 (ヤンマガKCスペシャル) | |
押見修造 | |
講談社 |
押見修造『デビルエクスタシー』1巻読了。サキュバスに侵略される人類という話なのだが、まあベタな展開というか直球というか、まあ展開急なところをもっと丁寧に展開していくことで普通のことの異常性みたいなものが見えてくるのが押見の得意なところという感じがするのだけど、この作品はやはりあるいい原点みたいなところがあるんだろうなと思った。
【とり・みき『冷食捜査官』】
冷食捜査官(1) (モーニングKC) | |
とり・みき | |
講談社 |
とり・みき『冷食捜査官』。近未来、すべての生物が死に絶えて人間の食糧はすべて合成で作られるようになった時代に、20世紀の冷凍食品が禁制品として裏社会で出回り、それを取り締まるのが「冷食捜査官」という設定だ。隠れグルメが冷凍食品を裏取引するという発想がおかしいし、登場人物でも『クレープを二度食えば』に出てくるとりの可愛い女の子たちが出てくるのが楽しみな感じ。一番印象に残ったのは第8話「コオリの微笑」で捜査官が裏社会で冷食の魅力を訴えるビデオのモデルになった令嬢に「純粋な気持ちこそ一番人に利用されやすいのさ」という場面。このマンガは上に述べたようにずいぶん複雑な構造のパロディなのだけど、そこに「食べる楽しみ」という人間の根源的な喜びみたいなことが絡んでくるところが面白いし、とりさんもきっと食べることが好きなんだろうなと思った。「純粋な…」という台詞もベタと言えばベタなんだけど、この構造の中で不思議に生きてきているのがいいなと思ったし、実際そういう人間性を利用するしないというのは何を持って利用というのかとか考えだしたら割と迷宮に入ってしまいそうな話だし、とり・みきの作品の魅力というものも改めて考えさせられた作品だった。
【萩尾望都の対談集】
物語るあなた 絵描くわたし 萩尾望都 対談集 1990年代編 | |
河出書房新社 |
萩尾望都『物語るあなた描くわたし』対談集。途中、巌谷國士との対談をのぞいて読了。巌谷は7人中6番目の対談相手だが、全体の量の三分の一くらいを占めていてずいぶん長いし難しそうな雰囲気があるので後回しにした。読んだ部分の対談相手は中島らも、夢枕獏、森博嗣、氷室冴子、ささやさなえ、東村アキコ。中島らもとは恐怖体験の話みたいな話なのだが、後の制作者たち、小説家三人と漫画家二人との対談はどれも制作上の話が多く、いろいろと役に立ったなあと思う。
夢枕獏との対談では、二人とも「かきたいこと」は物語の終わりごろにあることが多いので、どういうポイントを押さえて最後まで行くかが課題だという話が面白かった。確かに、描きたいことが中頃にあると、物語を書く上での推進力が途中で弱まってしまい、どうしたもんかなという気になることがあるので、ちょっとその辺は注意した方がいいと思った。
森博嗣との対談では、「男としてかっこいいと思うのが一番が数学者で二番目が将棋指し」というのが面白かった。数学者は世界で一番頭がいいし、将棋指しも人間として一番強いところがいい、という話がなんだかヒントになった。やはり何でも、世界で一番、というのは魅力的だし、だからこそ書く意味があるのだと思った。どんな一番であっても。
萩尾がそれを直接受けたわけではないのだけど、やはり負けず嫌いだという話になって、しかし「もっと気持ちいい基準で勝ったり負けたりしたい」というのが面白いと思った。「私たちが受けてきた教育では、勝ったからと言ってだから何なの?というような基準だった」と。これもなるほどなあと思う。渦中にあるとそれどころではないが、よく考えてみると確かに「テストの点」に一喜一憂することの意味はそんなに気持ちいい基準とは言えないだろうなと思った。そんなものに振り回されるよりも、まあうまくやって点は取った方がいいのだけれども、もっと鍛えないといけないことがたくさんあるということは言える。
リスト/巡礼の年:第1年「スイス」 | |
ブレンデル | |
ユニバーサルクラシック |
今日は久々に銀座に出かけ、山野楽器でバッハのバイオリンパルティータを買おうと思って探したのだが、間違ってリュート用に編曲したものを買ってしまい、鳴らしてから気づいて苦笑い。それからやすりしていたグレン・グールドのカレンダーと、カウンターに積んであったリストの『巡礼の年』を買った。これはもちろん、村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の作中に出てくるリストのピアノ曲集で、中の「望郷」という曲が作中の一つのキーになる曲なので、多くの人が買い求めているから再発売されたというものだ。まだちゃんと聞いてないが、リストという19世紀の作曲家が、なんだかこういう曲をつくるんだなとなんとなく不思議な思いがする作品集だった。
【楽を選ばない】
男を磨く言葉 | |
桜井章一 | |
角川書店 |
教文館で少し物を買ってコーヒーを飲み、日本橋まで歩いた。丸善で本を立ち読みして、桜井章一『男を磨く言葉』を買う。これは今自分が考えていることにすごく近い感じがして、ちょっと座右の書にしておきたい感じがした。自我のことを考えていて、苦しくても自由な方を選ぶのか、不自由だけれども楽な方を選ぶのか、ということになった時、苦しくても自由な方を選ばなければならないということが、沁みとおるようにわかる言葉たちだと思ったからだ。
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