『美男へのレッスン』と『海月姫』

【『美男へのレッスン』と『海月姫』】

	美男へのレッスン 上巻 (中公文庫)
	橋本治
	中央公論新社

橋本治『美男へのレッスン』が面白く、かなり厚い文庫本であるにもかかわらず、上巻を一気に読み終えた。美男論からブオトコ論、美女論へと展開して行き、男社会における女の生きづらさとかがかなり具体的に理解できた感じがした。自分ではない立場のことというのはなかなか理解しづらいものだけど、橋本の筆力は本当にそういうものを超えるなあと思う。この話題がこんなに面白いとは思わなかった。

	海月姫(11) (KC KISS)
	東村アキコ
	講談社

東村アキコ『海月姫』１１巻（集英社、2013）が出たので買う。このマンガ自体が面白いのだけど、この巻は「アパレルもの」の蘊蓄が展開されていてそういう意味でも凄く面白かった。新しいキャラ＝アジアのファッション市場を支配する襟足の長いイケメン社長（アジア人ではあるが日本人ではなさそう）が登場し新展開。おふざけとシリアスのバランスが『主に泣いています』などではちょっと前者に傾き過ぎだと感じられたが、この『海月姫』はちょうどいいように思う。この作品は東村の作品の中で、私は一番好きだ。