何も考えていないときが一番いい/シミュレーションは役に立たない/『荒天の武学』とマンガとカエターノ・ヴェローゾ:さまざまなシンクロニシティ
Posted at 13/01/11 PermaLink» Tweet
【何も考えていないときが一番いい】
呪文のように聞こえる話だと思うが、ある種のフィクションとして読み飛ばしてもらえばいいのだけれど。
何か面白いことになっている。万聖節というか、いろいろなものが自分に降りてきているような感じだ。何というか、自分の守護霊とも少し話をしたような感じがした。ああ、導かれているんだなと思う。そういう意味では、私は筒抜けだな。宇宙の声が、そのまま反映されているような。私は何も考えていないときが、一番いいんだ、と思った。いろいろなものが聞こえ、いろいろなものが見えている。いろいろなものが入って来る。一度考えだしたら、いい方向に持って行きたい。いいものを作れる方向に持って行きたい。今まで、その場しのぎをいろいろ繰り返して来ていた気がする。でも本当に自分の一番いいところは、筒抜けのところ、宇宙の声がそのまま聞こえるところなのだ、と思った。
【『荒天の武学』:シミュレーションは役に立たない】
荒天の武学 (集英社新書) | |
内田樹・光岡英稔 | |
集英社 |
『荒天の武学』読了。何というか、人間という存在がどういうものか、ということについて教えてくれる本だと思った。期待しないこと。振り返らないこと。いろいろ大事だ。いろいろなものが入って来る。
重要な要素として、シミュレーションは役に立たない、という話が出て来る。あの時こうだったらこうなったのにと後悔したり、これからこうなるとこうなってしまうんじゃないかと先のことを患いたりしても役に立たない、ということだ。なぜならば、そういうことはなってみないと分からないことだし、実際にそうなってみたときには全然違う要素が発生して予想もできない状況になっていることだって珍しくないからだ。
もちろん、シミュレーションが役に立つ状況もある。というか、手順を確認するみたいな意味で練習しておくということが役に立つことは必ずある。特に人間の世界の内部で起こることでは。もちろんそういうときはそうすればいいし、私もかなりそういう意味でのシミュレーションもしているのだが、何が起こるか分からない状況でのシミュレーションはあまり意味がないし、シミュレーションしている暇があったらそれに備えた稽古であるとか考え方をはっきりさせたりすることをしていた方がよっぽどいい。
【『荒天の武学』とマンガとカエターノ・ヴェローゾ:さまざまなシンクロニシティ】
昨日モーニングとビックコミックを買って読む。『ピアノの森』は連載中で、ついにレフとカイが腹を割った話をし、少し展望が開けてきた感じ。しかし二人とも本番直前、エミリアに聴かせるために弾く。波乱要因はいろいろあるけど、さあどんな展開を読ませてくれるか。来週も掲載されるので、楽しみにしたい。
『Giant Killing』はU-22で椿が大活躍の巻。椿の活躍が日本代表を変える、みたいな。また来週も楽しみだが、最近休載が多い。けっこう展開が大変だろうなあと思うから無理もないと思うのだけど、先々わくわくする。頑張ってねとしか言えないな。
別冊 少年マガジン 2013年 02月号 [雑誌] | |
講談社 |
それから午前中に思いついて、ツタヤに別冊マガジンを買いに行った。発売日だということを思い出したからだ。どうも内容自体は別世界の話のようなものが増えているのでちょっとアレだったが、『進撃の巨人』はほっとする展開。いや、いつになったらエレンたちがこの城に現れるかと思っていたら、まずミカサが現れた。そしてユミルも死なずに済みそうだし、クリスタが本当の名前を明かした。先々何が起こるか、これもまた楽しみ。絶望の中から希望が現れる。何重にも張り巡らされた絶望の中にも、希望がある。希望がある限り、人は死なない。『進撃の巨人』は本当にそういうことを思わされる。
本当に自分が関心があるのは、人が生きるか死ぬかということだけかもしれないと思う。特に自分が。私は自分の中で決めていること、自己規律といってもいいのかもしれないけど、それは死ぬまで生きる、ということだけだ。でも何というかな、やはり、何も考えない、ということも大事なんだと思った。何も考えないで生きるってそんなの無理だよ、という感じがあったけど、やっぱり何も考えないで、勘だけで生きなければならない。たぶん本当は、そのための試行錯誤なんだろう、今まで。何も考えてない時間があればあるだけ、自分の生産性が上がる、気がする。何も考えないで生きるためには、いろいろ考えておかなければいけない、という矛盾はまああるのだけど、たぶん本当はそれも矛盾ではないのだ。
サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド | |
ビートルズ | |
EMIミュージックジャパン |
今まで、好きなことをするためには何も考えないようにしないといけない、というような感じで考えていたけれども、そうじゃないな。何も考えていなければ、好きなことができるのだ。ジャイアントキリングを読みながら"Being for the benefit of Mr.Kite"を口ずさんだり、あれこれしなければならないことを思いついてはぽんぽんしてみたりしている。今朝は朝食後ごみを捨てに出かけて、職場のごみを出したあとサークルKでコーヒーと『週刊漫画Times』を買ってガソリンスタンドに行って給油と洗車を頼み、頼んでいる間にマンガを読んだりして、また部屋に戻ってきた。
日々これ好日 2 (芳文社コミックス) | |
真鍋譲治 | |
芳文社 |
この号で一番印象に残ったのは『日々これ好日』だった。二人の女性とどう向かい合うか思い悩む笑庵が父の霊を呼び出してアドバイスを乞う。すると父の霊はいう。
「男と女の関係で特効薬は何もねえな。茶事も恋も一期一会。同じ恋などねえ。万の出会いがあれば万の恋も生まれようってもんだ。どんなに修羅場だけをくぐり抜けようと解決法も答えもねえんだよ!まっ難しく考えるな。官能流は基本・自然体だ。流れるまま行きついたところが結末だろうな。それを受け入れな。」「どういう結末でもですか?」「あー一つだけ言っとくぞ!勝手に自分の理想の結末を夢見るなよ。何が起こるか分からんのが世の常だからな。現実と理想のつじつま合わせになっちまうぞ。そうならないためにもな。今を大事にしな。その二人のネーちゃんとの今をな。」「今を?」「そうよ。どうも人間てのは先のことばかり考えちまうが、今を楽しめてないやつにろくな未来はないぜ。だから今はネーちゃんをしっかり愛してやんな。」
父が霊界に帰った後、笑庵は兄の天一坊と話をする。
「少しは参考になったか?」「会った甲斐はありましたよ。自分の理想の結末を追い過ぎてましたかね。ついついレールを敷いちゃって他の人々もそこに乗せようとしてました。」「別にそれが悪いとは言わねえが…硬直しすぎるなってこったろうよ」「恋もしなりが大事ってことですね。」「親父も言ってただろ、修羅場を楽しめって」
「日々これ好日」は基本エロマンガで、簡単にいえば茶道の家元たち(とはいえ官能流とか武闘派流とか存在しない流派だが)がやりまくってるというたぐいの話(だいたいこの作品が表紙を飾っているときはコンビニで買いにくい)なのだが、それだけでなく読ませるものがかなりある。
『荒天の武学』で、出会わなければ何も起こらなかったのに出会ってしまったために殺し合いになってしまったというような相手と出会った時にどう対処するか、みたいなことが武術の本質だ、というようなことを言っているのだけど、「二人の女性に挟まれてにっちもさっちもいかない」みたいなこともまた「出会ったら殺し合いにならざるを得ない出会い」みたいな意味でどうにもならない修羅場には違いない。どう対処したらいいか常に答えがないような場所でどう対処するか、どう切り抜けてある種の結末に持って行くか、それもまたここでいう「しなり」だといえるだろう。まあまさかこのマンガで『荒天の武学』の話の先が読めるとは思わなかったけれども。
シルクラドー | |
カエターノ・ヴェローゾ | |
マーキュリー・ミュージックエンタテインメント |
いろいろ読み返しながら、何となく『シルクラドー』の最初の曲を口ずさんでいたのでもう一度聴いてみようと思ってかけて見ると、どうも一曲目に何やら日本語で「無秩序」と言ってるなあと思われるフレーズが出てきて、ライナーを読んでみたら笑ってしまった。ポルトガル語だから歌詞は全然わからないのだけど、日本語訳が載っていて、それがこんな歌詞だ。
「麻薬密売人の手先が建設途中で廃墟となった学校で発見された ここでは何もかもが完成しないうちから廃墟のよう 裏通りに溢れる少年少女 アスファルトや橋や陸橋が月に向かってキャンキャン吠えたてる なにも続かない そして子どもたちがしゃぶるピストルの筒には ありとあらゆる都市の色が反射する そう 絵はがきなどより何倍も美しく 何倍も強烈な色が」
……ほとんど絶句する。つまりこれも、『荒天の武学』の世界なのだ。ハワイにいた光岡がハワイアンやサモアンの乱闘シーンみたいなものをいくつか語っているが、実は同じことで、こういう世界の生きるか死ぬかの人間の原点みたいな場面を描いているということは全く一緒なのだ。そしてよく聞くと、というかよく読むと、実はいろいろな言語で同じことをうたっているらしく、ポルトガル語・英語・スペイン語・フランス語・日本語のボーカルの名前がクレジットされていて、日本語のボーカルとしてKazu Makinoと書かれていた。やはり日本語で「世界の無秩序」とうたっていたのだ。
まあ何かこんな感じであちこちでシンクロニシティが発生している。何がどうなるか分からないしどこに導かれているのかもわからないが、とりあえず「しなり」を大事にしていろいろ書きながら表現して行きたいと思う。
カテゴリ
- Bookstore Review (17)
- からだ (237)
- ご報告 (2)
- アニメーション (211)
- アンジェラ・アキ (15)
- アート (431)
- イベント (7)
- コミュニケーション (2)
- テレビ番組など (70)
- ネット、ウェブ (139)
- ファッション (55)
- マンガ (840)
- 創作ノート (669)
- 大人 (53)
- 女性 (23)
- 小説習作 (4)
- 少年 (29)
- 散歩・街歩き (297)
- 文学 (262)
- 映画 (105)
- 時事・国内 (365)
- 時事・海外 (218)
- 歴史諸々 (254)
- 民話・神話・伝説 (31)
- 生け花 (27)
- 男性 (32)
- 私の考えていること (1052)
- 舞台・ステージ (54)
- 詩 (82)
- 読みたい言葉、書きたい言葉 (6)
- 読書ノート (1582)
- 野球 (36)
- 雑記 (2225)
- 音楽 (205)
月別アーカイブ
- 2023年09月 (19)
- 2023年08月 (31)
- 2023年07月 (32)
- 2023年06月 (31)
- 2023年05月 (31)
- 2023年04月 (29)
- 2023年03月 (30)
- 2023年02月 (28)
- 2023年01月 (31)
- 2022年12月 (32)
- 2022年11月 (30)
- 2022年10月 (32)
- 2022年09月 (31)
- 2022年08月 (32)
- 2022年07月 (31)
- 2022年06月 (30)
- 2022年05月 (31)
- 2022年04月 (31)
- 2022年03月 (31)
- 2022年02月 (27)
- 2022年01月 (30)
- 2021年12月 (30)
- 2021年11月 (29)
- 2021年10月 (15)
- 2021年09月 (12)
- 2021年08月 (9)
- 2021年07月 (18)
- 2021年06月 (18)
- 2021年05月 (20)
- 2021年04月 (16)
- 2021年03月 (25)
- 2021年02月 (24)
- 2021年01月 (23)
- 2020年12月 (20)
- 2020年11月 (12)
- 2020年10月 (13)
- 2020年09月 (17)
- 2020年08月 (15)
- 2020年07月 (27)
- 2020年06月 (31)
- 2020年05月 (22)
- 2020年03月 (4)
- 2020年02月 (1)
- 2020年01月 (1)
- 2019年12月 (3)
- 2019年11月 (24)
- 2019年10月 (28)
- 2019年09月 (24)
- 2019年08月 (17)
- 2019年07月 (18)
- 2019年06月 (27)
- 2019年05月 (32)
- 2019年04月 (33)
- 2019年03月 (32)
- 2019年02月 (29)
- 2019年01月 (18)
- 2018年12月 (12)
- 2018年11月 (13)
- 2018年10月 (13)
- 2018年07月 (27)
- 2018年06月 (8)
- 2018年05月 (12)
- 2018年04月 (7)
- 2018年03月 (3)
- 2018年02月 (6)
- 2018年01月 (12)
- 2017年12月 (26)
- 2017年11月 (1)
- 2017年10月 (5)
- 2017年09月 (14)
- 2017年08月 (9)
- 2017年07月 (6)
- 2017年06月 (15)
- 2017年05月 (12)
- 2017年04月 (10)
- 2017年03月 (2)
- 2017年01月 (3)
- 2016年12月 (2)
- 2016年11月 (1)
- 2016年08月 (9)
- 2016年07月 (25)
- 2016年06月 (17)
- 2016年04月 (4)
- 2016年03月 (2)
- 2016年02月 (5)
- 2016年01月 (2)
- 2015年10月 (1)
- 2015年08月 (1)
- 2015年06月 (3)
- 2015年05月 (2)
- 2015年04月 (2)
- 2015年03月 (5)
- 2014年12月 (5)
- 2014年11月 (1)
- 2014年10月 (1)
- 2014年09月 (6)
- 2014年08月 (2)
- 2014年07月 (9)
- 2014年06月 (3)
- 2014年05月 (11)
- 2014年04月 (12)
- 2014年03月 (34)
- 2014年02月 (35)
- 2014年01月 (36)
- 2013年12月 (28)
- 2013年11月 (25)
- 2013年10月 (28)
- 2013年09月 (23)
- 2013年08月 (21)
- 2013年07月 (29)
- 2013年06月 (18)
- 2013年05月 (10)
- 2013年04月 (16)
- 2013年03月 (21)
- 2013年02月 (21)
- 2013年01月 (21)
- 2012年12月 (17)
- 2012年11月 (21)
- 2012年10月 (23)
- 2012年09月 (16)
- 2012年08月 (26)
- 2012年07月 (26)
- 2012年06月 (19)
- 2012年05月 (13)
- 2012年04月 (19)
- 2012年03月 (28)
- 2012年02月 (25)
- 2012年01月 (21)
- 2011年12月 (31)
- 2011年11月 (28)
- 2011年10月 (29)
- 2011年09月 (25)
- 2011年08月 (30)
- 2011年07月 (31)
- 2011年06月 (29)
- 2011年05月 (32)
- 2011年04月 (27)
- 2011年03月 (22)
- 2011年02月 (25)
- 2011年01月 (32)
- 2010年12月 (33)
- 2010年11月 (29)
- 2010年10月 (30)
- 2010年09月 (30)
- 2010年08月 (28)
- 2010年07月 (24)
- 2010年06月 (26)
- 2010年05月 (30)
- 2010年04月 (30)
- 2010年03月 (30)
- 2010年02月 (29)
- 2010年01月 (30)
- 2009年12月 (27)
- 2009年11月 (28)
- 2009年10月 (31)
- 2009年09月 (31)
- 2009年08月 (31)
- 2009年07月 (28)
- 2009年06月 (28)
- 2009年05月 (32)
- 2009年04月 (28)
- 2009年03月 (31)
- 2009年02月 (28)
- 2009年01月 (32)
- 2008年12月 (31)
- 2008年11月 (29)
- 2008年10月 (30)
- 2008年09月 (31)
- 2008年08月 (27)
- 2008年07月 (33)
- 2008年06月 (30)
- 2008年05月 (32)
- 2008年04月 (29)
- 2008年03月 (30)
- 2008年02月 (26)
- 2008年01月 (24)
- 2007年12月 (23)
- 2007年11月 (25)
- 2007年10月 (30)
- 2007年09月 (35)
- 2007年08月 (37)
- 2007年07月 (42)
- 2007年06月 (36)
- 2007年05月 (45)
- 2007年04月 (40)
- 2007年03月 (41)
- 2007年02月 (37)
- 2007年01月 (32)
- 2006年12月 (43)
- 2006年11月 (36)
- 2006年10月 (43)
- 2006年09月 (42)
- 2006年08月 (32)
- 2006年07月 (40)
- 2006年06月 (43)
- 2006年05月 (30)
- 2006年04月 (32)
- 2006年03月 (40)
- 2006年02月 (33)
- 2006年01月 (40)
- 2005年12月 (37)
- 2005年11月 (40)
- 2005年10月 (34)
- 2005年09月 (39)
- 2005年08月 (46)
- 2005年07月 (49)
- 2005年06月 (21)
フィード
Powered by Movable Type
Template by MTテンプレートDB
Supported by Movable Type入門