『ジョン・レノン 家族生活』/伊藤みろ『フォトグラファーズ・バイブル』

Posted at 12/11/06

【『ジョン・レノン 家族生活』】

日曜日は午前中は何とか書きかけの小説の6部中第5部まで第1稿を上げて、一息ついていた。日曜から月曜にかけては何かと忙しかったのだが、ジョン・レノンの写真集を見せてもらったのが印象に残る。

ジョン・レノン家族生活
西丸文也
小学館

これがすごくいい。カリスマでない、素顔のジョン・レノンがそこにいる。本当にただの好青年。ジョン・レノンですよね?と言われると似てるってよく言われるんです、と言ってごまかせていたという話が乗っているが、本当にこれがジョン・レノンなのかと思うような、笑顔の素直な傷つきやすい好青年がそこにいてなんだか涙が出そうになった。

ジョンの魂
ジョン・レノン
EMIミュージック・ジャパン

しかしそれがギターを持つと一変する、というか先ず当たり前のことながらギターがすごく似合うのだけど、もうそうするとそこにはああジョン・レノンがいる、という感じになってしまう。でもそれはまだ『ジョンの魂』に現れるような、音楽以外には何もわからなくなっている孤独なジョンがそこにいるという感じだ。さらに先に行ってサングラスをしている写真になると、ああ、もう「カリスマ」のジョン・レノンがそこにいる、という気がしてしまう。

ヨーコは家族写真でもなんというか筋金入りのアーティストという感じで写っているのだけど、でも母親と映っている写真などでは確かに娘性が開いていて、ああそういうファミリーなんだなと思う。そしてショーンはどの写真でも可愛い。


【伊藤みろ『フォトグラファーズ・バイブル』】

フォトグラファーズ バイブル: プロに学ぶ発想と絵づくり、構図とライティング
伊藤みろ
誠文堂新光社

東京駅の丸善で本を物色し、伊藤みろ『フォトグラファーズ・バイブル』という本を買った。一番役立つなと思ったのは構図の取り方だろうか。いろいろなもの、いろいろなかたち、色、光り方、落ち着き方をどのように写すか。視線の動きをどのように流れさせるか。写真は、絵でもそうだが、ぱっと見て全部が見えるわけではないから時間の経過とともに視線の動きがあるわけで、その無意識の流れの指定のようなものは、小説の描写における視線の指定みたいなものと共通するものがあるように思う。また描写の配分だとか、そういうことを考えるにも役立つように思った。もちろん、写真を撮るときの考え方に一番役に立つのは当然なんだけど。

「典型的な写真」が多いからちょっと意図が強調され過ぎかなという感じのものも結構あるのだけど、でも説明のためにはよくわかるし、逆に強調しすぎないためにはどうしたらいいかということも考えるヒントになる。いい本だと思う。

月別アーカイブ

Powered by Movable Type

Template by MTテンプレートDB

Supported by Movable Type入門

Title background photography
by Luke Peterson

スポンサードリンク













ブログパーツ
total
since 13/04/2009
today
yesterday