成功哲学の文化的背景/砂糖の過剰摂取の害
Posted at 12/05/22 PermaLink» Tweet
【成功哲学の文化的背景】
少し更新。本のこと。昨日買ったのがアンソニー・ロビンズ『人生を変えた贈り物』(成甲書房、2009)。これは、読了したコーチングの本、池田貴将『動きたくて眠れなくなる』が面白かったので、著者のメンターだというロビンズの本を読んでみようと思ったから。こういう本というのは、著者の実体験がある程度書いてくれてないとどうも言葉が上滑りしている気がしてしまう。池田氏の本にもややそういうところがないでもなかった。
人生を変えた贈り物 あなたを「決断の人」にする11のレッスン | |
ロビンズ | |
成甲書房 |
ロビンズの本は実例はいくつかあるし自分の話も出て来るのだけど、こういう本って何で読み辛いのかなと昨日いろいろ考えていた。一つの理由として思いついたのが、文化的なもの。人生をどう生きたらいいか、人生いかに生くべきか、みたいな本は、誰でもと言ったらなんだがけっこうみんな読むと思うのだけど、日本で今まであった本というのは日本的な伝統、仏教とか神道とか儒教とかに裏付けられたものか、でなければ西欧哲学、カントとかキルケゴールとかニーチェとかサルトルとか、に裏付けられたものが多かったと思う。そういう文脈の本というのは慣れているので、目新しいことが出てきてもそこの部分に集中して読めばいいのでそんなに困難は感じない。もちろん、禅の思想とかカントの思想とかそのものを理解するのがかなり大変ではあるのだけど、人生論的にブレークダウンしたものになるとそんなにパターンがたくさんあるわけでもない、という感じになる。
マルクス主義系統の言説にしろ耽美主義の言説にしろだいたいこういうことを言っているんだろうなということは想像がつくし、バリエーションの中でこの人はこういうことを選んだんだなあ、ということを思うことが多い。
しかしこういう成功哲学系のものになると、そのどれにも当てはまらない。やはりこういう考え方の背後にあるのはアメリカ的な思想だし、考え方とか感じ方とかも道具として扱うインストゥルメンタリズム的な傾向が強いような気がする。ポジティブシンキングとかいろいろと人間の考え方や思考をスパッと割り切ったものがその思想の根底にあって、最初は戸惑うが自分の実例に当てはめやすいと感じる人も多いだろうし、そうやって信奉者を増やしてきたのだろうと思う。
基本的に自力救済の思想で『ずっとやりたかったことを、やりなさい』などのちょっとスピリチュアル色のある創造性開発ものも自分で動けば宇宙が変わる、という感じのこと、この辺は禅とかでも基本的には同じことを言っていると思うけど、周りの景色がちょっと違い、やはり背後にはキリスト教信仰があるなということも思ったりする。
私にとってはこういう本は考え方のパターンが飲み込みにくいことが多くて、まあそれは結局文化的な部分が大きいからじゃないかということを考えてみたのだった。基本的に衒いがなくて、あまりにストレート。がむしゃら推奨。スマートにやりたいとか思うとなかなか難しい。そこまで求めるならもっと思考操作が複雑になるし、どういうスタイルでやるかは千差万別なのでそこまでは踏み込めないということもあるのだろうけど、例で上がっているやり方はちょっとまねできないなあと思うことは多い。池田さんは工夫してだいぶ日本人に読みやすくなってると思うのだけど、まだ骨と皮っぽいところもないわけではない。
でも教育がアメリカナイズされて行くとこういうものが抵抗なく読める世代も出て来るのかもしれないなあとも思った。日本的な美しさを残しつつ行動に踏み出しやすい指針を示せる本、というのは、まだこれからなのかなと思った。読みかけ。
【砂糖の過剰摂取の害】
成功する人は缶コーヒーを飲まない 「すべてがうまく回りだす」黄金の食習慣 (講談社プラスアルファ新書) | |
姫野 友美 | |
講談社 |
今日出がけに地元の文教堂で買った本。姫野友美『成功する人は缶コーヒーを飲まない』(講談社α新書、2011)。これは去年から存在は知っていてすこし立ち読みでぱらぱら見たこともあったけど、買おうとは思っていなかった。最近、自分の体調と砂糖を使ったものの食べ過ぎという問題を考えていて、野口整体方面のことから甲野善紀氏の実践している禁糖のことを考えたり、河野智聖『緊急時の整体ハンドブック』(ちくま文庫、2012)を読んで避難所で差し入れられるものに菓子類が多いことから食べ過ぎて体調を崩す人が多い、というような話を知ったりして、ここ数日料理に使われた砂糖は仕方ないものとするが菓子は食べないようにしているのだ。立ち読みしてこの本が砂糖の害を説いたものだということを知ったので、ちょっと読んでみようと思って買った。医学的・栄養学的・生理学的に砂糖の害について書いてあって、そっち方面から見ても砂糖の過剰摂取がよくないということが了解された。読みかけ。
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