鴨澤めぐ子さんの作品(その2)

Posted at 12/04/10

先日、友人の画家・鴨澤めぐ子さんの作品をいくつか紹介したけれども、今年の9月に個展が決まったそうです。詳しくはこちらを。

それで、今回はまた鴨澤さんの作品をいくつかご紹介したいと思います。

ビーズ作品。80年代の鴨澤さんは立体造形や球体関節人形などさまざまな造形に手を染められ、青土社の『ユリイカ』や『イマーゴ』などにも寄稿されていました。単行本としては丸山めぐこ名義の『むしろ花園としての精神病棟』があります。このビーズの作品は1991年のもの。

それ以降の鴨澤さんは絵画作品が多くなっていくが、一時期はパステル画中心に大きな作品をいくつも描かれていました。

チャーミングな女性像に鳥や花、石や水晶、植物や夢見がちな背景が描かれた作品が多く描かれましたが、たとえば上のもの(『烏の寝床』)などは代表的でしょう。また、

どこか遠くの何かを見ている、そして背景もこの世でないどこかのような風景が描かれた作品もあります(『鐘の音(ね)』)。小品ではまなざしの魔術が感じられるもの、

弾むような触感が感じられるものもあります。(『アネモオヌ』)

以上は90年代の作品ですが、近作では前ケルト文化やケルト文化の強い影響を感じさせる火と水と石と植物の交わった、『石の花』と題されたこうした作品もあります。

作品を見ることで私たちは画家のその時の人生の一場面に立ち会うことができるわけですが、鴨澤さんの作品には技術的な面での進境だけでなく、精神性の深さの進展を見ることができます。その心境の深さを受け取るには見る側の心境もまた要求されるわけですが、その夢と現実の遠近法、あるいは幻想と妄想のパースペクティブに鑑賞の焦点が合わせられるようになってくると、作品の先にある深い宇宙を覗いている思いを抱いてしまいますし、またそこを通り抜けて原初の幻想への道をたどり始めているという思いに取りつかれてしまうのです。

鴨澤さんの個展は9月17日から23日、北区十条のギャラリー&カフェ『Find』で行われるそうです。

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Title background photography
by Luke Peterson

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