精神的ダメージをお金に換算してみる/二年ぶりの春/田中靖三『マグネシウムは宇宙の旅人』
Posted at 12/04/09 PermaLink» Tweet
【精神的ダメージをお金に換算してみる】
考えることがたくさんあって、書くことがまとまらない。でも気が付くと二日間更新が空いていたりしてびっくりする。昨日は友人と桜を見に行ってそのあと喫茶店で話をした。いろいろ話したのだが、自分が過去に受けたダメージをお金に換算してみるというのは面白い解決法だなと思った。この人と付き合ったダメージはマイナス3000万円とかこの仕事から受けたダメージはマイナス5000万とか。金に換算するとなんだかすっきりするというのも面白い。まあ当然人に与えたダメージとかも人生の中には数限りなくあるということにすぐ思い当ったりはするのだが、金に換算してそれを取り戻すために頑張るぞ、と思うとなんだか割と気が晴れる。本当は金に換えることができないものでも、ダメージとかメリットとかの部分だけ自分の感覚でお金に換算してみると結構整理がつく部分があるのはなぜだろう。
一つには数値化することによって相対化することができるということだろうな。心のエネルギーとか、感情のエネルギーとか、自分が受けたダメージによって損なわれた被害みたいなものも、お金という数値に換算してどれくらい回復しただろうかとか考えるとなんだか可笑しくなってくる。なんだか大したことじゃない気がしてくるから不思議なものだ。言葉で表現して抱え込んでいると大袈裟でも、数値に換算したらどう考えたって津波で被害を受けた人たちに比べればごくわずかなもので、ぐずぐず言ってたら罰が当たる、みたいな感じがする。まあもう相当罰は当たってるような気はしなくもないけど。(笑)
【二年ぶりの春】
昨日はまだ少し寒い感じがあったけど、今朝はとても暖かくて、7時に目が覚めた後緑道公園の桜を見つつ散歩して、桜のほかにもコブシも雪柳もレンギョウも車輪梅ももちろん藪椿も雪椿も咲いていて、もう花海棠さえつぼみが膨らんでいる。一気に春が来た。今年はずっと寒くて、いつ春が来るんだろうか、いつまでも冬だな、動く気がしない、なんて思っていたけど、もうそんな言い訳もできなくなるなあと思う。
今朝の春が本当に明るい感じがしたのは、たぶん去年は春が来た気がしなかったからなんだなと思った。3月11日以来、長野県と東京を往復するだけでも大変で、また震災で崩れ落ちた東京の家の本棚を整理する気が全然しなくて結局年末まで放置してしまったし、一番いい季節である4月に計画停電だの放射能だのと騒いでいて春が来た記憶が全然残っていない。
そういう意味では、今年の春は二年ぶりの春なのだ。そして寒い日が続いてじらされただけに、春が来たという実感が本当に強い。世界も宇宙も生き物たちも動き出している。私も、じっとしてはいられない。
まだまだ動き出せない方も多いとは思うが、この春が背中を押して、また前に進む気持ちがよみがえってくることを、切に願う。
【田中靖三『マグネシウムは宇宙の旅人』】
マグネシウムは宇宙の旅人 | |
田中靖三 | |
幻冬舎ルネッサンス |
有隣堂で田中靖三『マグネシウムは宇宙の旅人』(幻冬舎ルネッサンス、2012)を買った。科学読み物という感じだけど、マグネシウムという一見地味な選択が面白いなと思う。マグネシウムというと昔の写真のフラッシュに使われていて、「マグネシウムを焚く」という表現が使われていたことを思い出すが、後は高校の化学でよく出てくる物質という印象だ。第2族のアルカリ土類金属で…と書いてからウィキペディアを見たらベリリウムとマグネシウムは第2族だけどアルカリ土類金属ではないと書いてあってちょっとびっくりした。やはり高校レベルの知識しかないとわからないことはたくさんあるんだなあと改めて思った。
この本は「マグネシウム」が主人公になって弥助少年の成長と研究の過程を描くというまあ科学読み物なのだけど、結構本格的な感じで子供だけでなく大人が読んでも面白いのではないかと思う。特に高校時点で科学の知識がストップしている私のような人間が読むのが一番面白いのではないかなという気がする。まだ読み始めたばかりだけど。
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