一生本から離れて生きていくことはできないだろう/田舎の弱点/日本人と日記/意識のチカラ
Posted at 12/03/23 PermaLink» Tweet
【一生本から離れて生きていくことはできないだろう】
父の本の出版関係の仕事が続く。自分の本ではないが、本を出版するという仕事は初めてのことだし、原稿を書いたらそれで終わりみたいな話ではなく、原稿集めから編集、印刷依頼までは母がだいたいやったが校正から印刷所との折衝、納本、支払い、その他売るための工夫やいくつかの手続きなど、ただ自分で本を「書く」だけでは経験することのできない仕事ができているのは大変ではあるが興味深い。いずれ自分の本も出したいと思っているし、その時に出版専業の会社から出版するならこちらの労力がそんなに多く書からないで済むということはあるのだが、つくった経験があるとあなた任せの出版とはまた違ったことができる可能性があるということが確認できているのはよいことだなと思う。
どちらにしろ一生本から離れて生きていくことはできないだろうと思う私の人生において、本というものといろいろな形で濃密に関わっていくことは、自分の人生においてプラスになることだろうと思う。今日はISBNコードや書籍JANコードの取得の申請などをしたり。お世話になった人への寄贈の郵送なども行っていて、素人ながらいろいろな得難い経験ができているなと思う。
【田舎の弱点】
デラシネマ(5) (モーニング KC) | |
星野 泰視 | |
講談社 |
今日はモーニング連載の『デラシネマ』5巻の発売日だったので書店を二つ回ったのだが二軒とも入ってなかった。モーニングみたいなメジャー誌の連載の単行本が入って来ないのだから他のマンガは推して知るべし。全くこれだから田舎は、と思ってしまう。しかしデラシネマは4巻が今品切れ中でamazonでも中古しか買うことができず、講談社自体の単行本部数の絞り方が酷過ぎるんじゃないかと思う。連載中の作品のバックナンバーくらいいつでも買えるようにしておいてほしいもの。ネットカフェでパラ読みはしたが、早く手元にほしい。
デラシネマ(4) (モーニング KC) | |
星野 泰視 | |
講談社 |
それでとにかく何か本が読みたいというでも読みたいものしか読みたくないという中で必死で何とか自分基準に合う本を探したのだけど、昨日は瀬戸内寂聴・ドナルド・キーン『日本を、信じる』(中央公論新社、2012)を買って一気に読了し、今日は浅見帆帆子『新装版・あなたは絶対!運がいい』(廣済堂出版、2007)を買って読んでいる。
日本を、信じる | |
瀬戸内寂聴・ドナルド・キーン | |
中央公論新社 |
【日本人と日記】
『日本を、信じる』はそう目新しい話はなかったが、日記文学というものが日本独特だというのがそうなんだなあと思った。確かに日本人はウェブ日記やブログなど、誰かの日記を読むのが好きだなと思う。また書く方も、とにかく「出来事や思いを文字で書き記すことを大事にする」というのは結局のところ自分が全くその通りなのでそうだよなあと思う。戦争中の兵士がつけた日記とかを遺族に届けたり、今回の震災でも日記を失ったと嘆く人が多かったのだそうだ。確かに手帳とか日記とかは自分が生きてきた軌跡そのもので、ある意味レーゾ・ンデートルでさえあるような感さえある。そういう日本人と日記との付き合い方は、いわれてみて気づいたが多分独特の文化なんだろうなと思った。
あなたは絶対!運がいい | |
クリエーター情報なし | |
廣済堂出版 |
【意識のチカラ】
『あなたは絶対!運がいい』はまだ読みかけ。まあこれを買ってみようと思ったのは、どうも『デラシネマ』がなくて自分の中で田舎に対する呪詛が噴出してきたのでちょっと何か本の力を借りて自分の方向性を前向きにしようと思って買ってみたのだった。まあ普段気をつけていることを基本的に書いてくれてあるのだけど、3次元空間あるいは時間軸も入れて4次元時空に生きている我々にとってその時空の因果律を超え得るものは何だろうかと考えたとき、それが意識の持ちようだという答えを浅見は用意していて、それはなんだかピンと来るような来ないような感じではあるのだけど、確かに4次元時空内での自分の思考だけでは超えられない問題に直面した時にでもやるだけのことをやったあと気持ちの方向性を変えて違う努力をしていると問題解決の方向がいつの間にか見えているということはままあることで、それを「意識の持ち方」によって4次元時空の因果律を超えた、と解釈するのはまあ妥当だとか科学的だとかいうことを超えて思えば面白い考え方だとは思った。
意識を変えて問題はペンディングにしたまま違う努力をすればいつの間にか問題が解決することがあるのは「たまたま」なのか「必然」なのかということだけど、植島啓司『偶然のチカラ』にも書いてあるように人間は選択をするから間違えるのであってなるべく選択をしないようにしたらあまり酷いことにはならないというある意味消極性の極致みたいな話が持つ含蓄の深さと重なるところがあると思った。
まあやるだけのことをやっておけばある意味そこに方向性が生まれているわけで、その目が自然に時間の経過とともにそちらの方向へ進んで自然に収まるところへ収まるということは実際に仕事をしていたり人間関係に気を使っていたりするとよくあることだし、変にひっかきまわす要素がなければあまり触らない方がいいことというのは世の中にはたくさんある。ご飯を炊いているときには「赤子泣いても蓋取るな」であるわけだし。まあそれ自体が意志・意識の持ちかたではある。
まあ意識が五番目の次元と言うとトンデモ科学っぽくなるけど、収まるべきところに収まる「事物の力」というものをある種の意志の結果ととらえることは主体にとっては不可能ではないわけで、客観性と主観性を両立させながら思考をして行けばそういう考え方に立つことも主観的にはあってもいいと思う。少なくともたとえ話としてなら語るのは面白いなと思う。物語の力は人を動かすし、そうやって自分の望むことを実現していけるなら、それに越したことはない。
なんだかんだ忙しいので忙しさのドツボにはまらないように、自分の意識をうまくコントロールして行きたいと思う。
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