参拝

【参拝】

山にまだ雪が残っている。車を走らせる私の目の前の山には、何日か前に降った雪がまだ残っている。とにかく日常のループから少し離れたいと思い、知らない道を南に向かって車を走らせた。そして小さな集落がいくつも続く、通り慣れた道に出る。諏訪湖のほとりから、豊田、湖南、中洲。大社本宮の横を通り過ぎ、セメント工場の横を抜けて少し行くと、諏訪大社前宮の看板が見える。その駐車場に車を止めて、お賽銭用の小銭を少し持って、参道を駆けあがっていく。社務所を通り過ぎると民家が続き、側溝のように流れる御手洗川の横を上って行くと、神さびた拝殿があって、御手洗川は左にそれていく。水眼（すいが）と書かれた看板があり、その横にその神水を汲む柄杓があって、私は手を洗い、口を漱ぎ、思い切って顔も洗う。何かがきれいに洗い流され、すっきりした気持ちになる。拝殿の前に立ち、１００円を投げると、なぜか賽銭箱の上に引っ掛かり、私は笑いながらそれを箱の中に落とす。二礼二拍手一拝。振り向くと八ヶ岳。私はそのまま参道を駆け降りて、トイレに立ち寄って車に戻る。

父の本が出来上がってから一度もお参りに来てなかったので、ようやく一区切りついた感じ。お礼を言うとともに父の本を広めることと自分の本を書いて行くこと。それを応援してくれるよう願う。車を元来た道を走らせて、本宮の前を通る。前宮だけに参拝するつもりだったが、やはり本宮にもお参りしようと思い、駐車場で車を止めて木の渡り廊下を歩いて行く。小銭入れの中を探ったら手に触ったのが５００円玉だったので、５００円を賽銭箱に投げて二礼二拍手一拝。ありがとうございます、よろしくお願いしますと再度念じた。車に戻り、車を走らせて、いつも行く書店へ行った。