カーペンターズの美しさ/金正日死去/最高の桜井章一本/読んでいると家を建てたくなる本

Posted at 11/12/19

【カーペンターズの美しさ】

昨日は二日分のブログを書くのに遅くまでかかり、その後何か興奮が残っていて寝たのが3時半になってしまった。朝は8時には起きたのだけど、その後さっさとブログを書いて行動を起こそうと思っていたのに気がついたら3時を過ぎていた。そこで始めて自分が疲れているということに気がついて、少し深呼吸をしたり。今日は特に予定がなかったから何でもできるとうきうきしていたらその気分だけでどんどん時間がたってしまった。今日は大安。大安の日というのはなぜかそういうふうに時間が過ぎていってしまうことが多い。気をつけないと。

青春の輝き~ヴェリー・ベスト・オブ・カーペンターズ
カーペンターズ
ポリドール

午前中はそう、カーペンターズの番組を見ていたのだった。ツイッターでも書いたのだけど、若いころはカーペンターズなんて、みたいな生意気な感じがあってまともに聞いてなかったのだけど、今聞いてみるととてもいい曲が多い。「Top of the World」なんてなんとなく泣けてくる。それから今まであまり聞いてなかったけど「青春の輝き Need to be in love」というのがとてもカレン・カーペンターを、完璧主義の陥る罠のようなものを象徴した歌なんだなあと感じた。こういう深みのある曲を、当時は見かけの平澄さに惑わされてまともに聞いてなかった。当たり前のように聞いていたカレン・カーペンターの歌声も、今となったらもう二度と生では聞けないもの。「私は声を失った」と作詞家もリチャード・カーペンターも肩を落としていたのがとても印象的だ。

【金正日死去】

それから、ネットを見ていて北朝鮮で重大放送があるという記事があったから正午のニュースを見たのだけど、橋下新大阪市長の就任会見を吹き飛ばして金正日死去のニュースが流れた。どうもこういうときは興奮してしまい、自分のやることを見失うことが以前から多い。やはり歴史の転換点のようなものを感じると、自分のやっていることの土台が動いてしまうように感じるのだろうか。今年はこういうかなり大きなニュースが本当に多かった。ツイッターで書いてみたのだけど、今年の十大ニュースは1東日本大震災、2福島第一原発事故、3女子サッカーW杯優勝、4野田政権成立、5金正日死去、6ビンラディン暗殺、7カダフィ暗殺、8奈良和歌山洪水、9チュニジアエジプト民主化、10タイ洪水ということだろうか。ジョブズが死んだというのもあるし、個人的にも友人がなくなったり自分が何度か身体を壊したり母が入院したりと本当にいろいろあった。そのたびに動揺して自分の軸がぶれるようでは仕方ないなと思う。

大きく見えるメッセージより、小さく見えるメッセージの方が、自分にとって大事なことだってある。そういう外見に惑わされず、自分にとって大事なメッセージをちゃんと受け取って、それをどう受け止めて、どう行動しどう発信していくのか、自分にとって大事なことはそれだけのはずなのだ。

【最高の桜井章一本】

運を超えた本当の強さ 自分を研ぎ澄ます56の法則
桜井章一
日本実業出版社

昨日から読んでいていろいろ受け取るものが有るのが桜井章一『運を超えた本当の強さ』。昨日も書いたがこの本は羽生善治が聞き手になっていて、ほかの人なら聞き出せないような桜井の持っているものの奥の院に近いところの風鈴を鳴らしているような感じがあり、とても面白い。桜井はほかの本でも似たようなことを言っているのだけど、その言葉の説得力がぜんぜん違う。西郷隆盛という人は大きくたたけば大きく響き、小さくたたけば小さく響くと評されたことは有名だけど、桜井もそういう感じで羽生というこれ以上にない叩き手、まさに『獣の奏者』を得て最高の楽の音を奏でているように思う。今まで読んだ桜井本で最も面白いし、これは何度も読み返す価値があると思う。

なんというか、初心者向けに桜井の言葉を伝える的な本では、彼の持ってるものはまったく伝えられないと思う。本当にお互いに勝負の世界に生き、その頂点を極め、前人未到の道を行っている羽生善治であるからこそ聞きだせる何かがあるのだなあと思う。

それにしても、私自身が勝負の世界に生きているわけでもないのにどうして彼らの本が気になるのかなあといつも思うのだが、不遜な言い方になるかもしれないが、考えてる、感じてることは似ている部分がある、と読んでいて感じるということなのだと思う。場の雰囲気、場の流れみたいなものを感じるということ、それに対して次にどういうふうに自分が動くか、というのは、勝負の世界でも日常でもある意味共通している、と感じるからなのだろう。流れを感じたり、流れを読んだりするような話が、作品に結び付けられるといいかなとも思う。

【読んでいると家を建てたくなる本】

数寄です! 2 (愛蔵版コミックス)
山下和美
集英社

山下和美『数寄です!』2巻読了。古い家の向こうにまた古い家が見える山下にとっての「数寄」を実現するために中庭を造るとか、地鎮祭の式次第とか、基礎の美しさとか上棟式とか、日本家屋を建てていくさまざまな段階が興味深い。読んでいると家を建てたくなる本。

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