翼をもつこと――真木悠介『時間の比較社会学』/亀田潤一郎『稼ぐ人はなぜ長財布を使っているのか?』
Posted at 11/07/15 PermaLink» Tweet
【翼をもつこと――真木悠介『時間の比較社会学』】
昨日、10時まで仕事。昨日は早く起き過ぎたので、昨日の晩はかなり疲れてすぐ寝てしまい、朝も起きたのは7時ぐらいになった。それからモーニングページを書いて朝食。職場のゴミを捨てに行ったり。仕事のことを自然にいろいろ考える。その関係の本を自分の本棚で探していたら、真木悠介『時間の比較社会学』(岩波書店、1981)が出てきて驚いた。東京に置いてあるものと思っていたが。
時間の比較社会学 (同時代ライブラリー (325)) | |
真木悠介 | |
岩波書店 |
この本のあとがきに彼、真木悠介=見田宗介の「比較社会学」の全体像を描いている。さまざまな社会・共同体で「時間」がどのようにとらえられているのかを比較し、「近代世界の自己解放の運動の一環を担う」―――この表現自体が1981年当時の彼が何を目指していたかが現れているわけだが―――ものとして貢献して行こうというスタンスに「比較社会学」を位置づけるているわけだが、テーマを10立てている。1「共同性と個体性」2「時間の比較社会学」3「自我の比較社会学」4関係の比較社会学」5「身体の比較社会学」6「人生の比較社会学」7「教育の比較社会学」8「支配の比較社会学」9「<翼>の比較社会学」10「解放の比較社会学」。
私は見田さんの全学ゼミを取って前後期参加したのだが、「共同性と個体性」「自我」「身体」というようなことがテーマだったような気がする。当時の自分は全然そういうことを考えてなかったというか、たぶん彼が何をやろうとしていたのかさっぱり分かっていなかった(後期に発表もしたのだがむちゃくちゃだった)。いまこうしてみてみると、この人はこういうことをやろうとしていたのかというのがよくわかるのだけど、19歳の私は見田という有名な人の変わっていると評判のゼミをとってみよう、そうすれば自分の中に抱えている方向性のわからない何かが少しは理解できて楽になるかもしれない、ということ以上の動機はなく、それなりに楽しんだし彼女もできたから私としてはポイントは高かったのだけど、いまこうして見直してみると全然わかっていない不肖の学生だったことは明らかで、いろいろとご迷惑をおかけしたに違いないと今では思う。まあ見田さんのゼミが面白かったから進学希望先の一つとして社会学科を入れていた(落とされたが)のだけど、社会学科でやることは見田さん的なこととは全然違うことだから今思うと行かなくてよかったとは思う。社学に進んだ同級生たちを今振り返ってみるといいやつばかりで、数年前にある機会で集まって話をしたけどしみじみいい人たちだなと思った。でもこういう人たちの中では自分の中にある毒は発散することができないなとも思う。社会学に進まなかったのはある種の天の配剤だったんだろうと思う。
まあそんなこんなで、いま自分がテーマに考えていることと彼の区分けを合わせてみると関係があるのは<翼>と「解放」。「解放」の最後に<根をもつことと翼をもつこと>と書かれている。<翼>のテーマは、「神。聖。祭。芸能。芸術。技術。論理。知。言語。象徴。禁忌。幻想。狂気。叛乱。恍惚。超越。」となっていて、私なりに解釈すると、人間の想像力をもとに生まれたものすべてが<翼>であり、それらによってさらに人は大空に飛翔して行くことができる、のではないかなと思う。いま何作か書き続けているものはみなファンタジーの系統だから、これらのテーマととても関わって来る。いま自分が書きたいことはむしろ「人生」とか「教育」に近いところにあるのだけど、それだって本当はそれなりに<翼>が関わって来るはずだと思う。
【亀田潤一郎『稼ぐ人はなぜ長財布を使っているのか?』】
ああ、今日は新暦のお盆だ。長野県ではお盆は月遅れでやるからあまり関係ないが、東京のお坊さんは今日は忙しいだろうな。それから確か今日は満月。
今日は朝からものを書こうとしていろいろ考えていたのだけどどうもなかなか書きたいことが出て来ず、というか抽象的にはいろいろあるのだけど具体性をもって出て来ない。つまり、イメージのもとになる材料が欠けてるんだろうなと思うのだけど、何を収集に行けばいいのかあまりよくわからない。いろいろ考えたりマンガを読んだりしていたのだけどどうも糸口がつかめないので、取りあえず行動を起こすということにして、10時過ぎに書店に出かけた。いろいろ本を見たのだけどなかなか面白いものがなく、結局買ったのは亀田潤一郎『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』(サンマーク出版、2010)。
稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか? | |
亀田潤一郎 | |
サンマーク出版 |
何を変なものと思うだろうが、私は案外こういう本が好きで、ときどき読んでいる。二つ折りの財布をやめて長財布を使った方がいいというのは友人から言われて実行していたのだが、その人のネタ元がどうやらこの本らしい。その人が言っていたいろいろなことがこの本に書かれているから、なるほどこの内容をちゃんと覚えて自分でも実行し人にも勧めていたんだなと思う。内容としては、自分が既に実行していることもあり、なるほどと思うこともあり、ちょっとよくわからないなと思うこともあり、これはこういうふうに解釈を変えてみるといいかもしれないと思うこともあり、という感じだった。
私が長財布を使うようになったのはいったいいつだったのかな。ここ1年程のことだろうとは思うのだけど。しかしこれはまあ自分の実感だが、長財布を使うようになってからお金の回り方が順調になってきたのは確かだと思う。関係があるかどうかははっきりとは言えないけど。実際長財布の方がいいなと思うのは、紙幣で払うときに癖のついてない平らな紙幣で払えること。二つ折りにしていると絶対曲げられた癖がついていて、変に曲がった紙幣をレジで出すことになってこれはかっこ悪いなと以前から思っていた。しかし二つ折りだと尻のポケットに入れられるし、カード類やレシートもどんどん入れられるから便利だと思っていた。
しかしその人の話を聞いて、長財布を使うようにし、カード類もなるべく入れず、レシートや他のものははさまずに、コインは別の小銭入れを使うようにしてから、すごくスマートに支払えるようになった。二つの財布が必要なのでちょっと焦って小銭入れの中身をぶちまけてしまうことが何度かあったがまあそれはご愛敬だ。何よりいいなと思うのは、そこにある紙幣を大事に支払うという実感が生まれるということだ。丸まったお札を見ると私はお金を粗末にしているなあという心苦しさがあったのだけど、そういうものがなくなったのがよかったなあと思う。
まあ内容は読んでもらえばいいのだけど、この本は結局お金の使い方を通して、人との付き合い方や人生の見通しの立て方の基本のようなものを考え、身につけることができるという考え、お金の使い方の哲学をもつことで、お金に使われる生き方でなくお金の使い方をコントロールし、生きるということのすべての面において主体的に取り組んで行けるんだという考え方で貫かれていて、自分の今書こうとしていることのテーマとも重なって来る部分もあるし、すごく面白いと思った。実践するかどうかはともかく、ただの読み物としてもわりとどういう人にもお勧めできる一冊である気がする。っていうか、この本にどう反応するかでその人のお金に対する考え、人生に対する考えがわかる、そんな本かもしれないと思った。現在100/156ページ。
あ、そうそう、使っている財布の値段の200倍が年収になる、という法則を著者は主張しているのだけど、これはどうなのかなと個人的には思った。実際のところ私の長財布はそう高いものではなかったし、見当として財布の値段の4000倍くらいになっている。私の場合は4000倍、ということで自分に適用しておいて、そのうち2万5千円くらいの財布を買ってみようと思う。そうしたら年収は1億円になる予定。
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