生きている感じがする、本当に

Posted at 11/06/12

【生きている感じがする、本当に】

昨夜はブログを更新してさっさと寝るつもりだったのだが、小説の第一稿を上げた興奮が残っていてなかなか寝付けず、テレビをちょっとつけたらPerfumeの東京ドームコンサートのメイキングみたいな番組をやってたのでつい最後まで見てしまった。録画もしたが。

今まで楽曲とPVしか見ていなかったので彼女たちの日常的な面をほとんど知らなかったが、普段はずっと広島弁で喋っていて、「特上カバチ!」かと思った。テクノポップユニットという先入観で見ているからけっこう意外だったのだけど、やはり地方出身者のアイドルグループという要素を多分に残していて、PVなどを見ていても動きに微妙にそういうところが見え隠れするのはこういう側面も残してプロデュースして行こうという意向なんだなと思った。彼女らの曲に最初は「アイドルとしてはカッコよすぎる」というクレームがついたそうだが、逆にそういう面でダサさというか「普通の女の子」性をキープしようという戦略というか。アーチスト系になるとやはり「大衆を突き放した」側面が必要になるが、「アイドル」はそれだと浮きすぎるわけで、「大衆の中に降りて行くこまめさ」のようなものがキャンディーズの解散コンサート以来ずっとある「親しみやすさ路線」みたいなものを王道としてキープしてるんだなと思う。

芸能人というのは基本的に常に「これが私たちの大事なもの」というのを提示していて、アーチストならそれは「音楽」ということになるけど、アイドルでは結局「生き方」ということになる。八代亜紀のファンが八代亜紀の生き方にどこかで共感しているように、PerfumeのファンもAKBのファンも彼女らの生き方、プロデュースのされ方も含めて、そういうものに共感しているからこそあれだけ盛り上がれるのだろう。それを部外者があれこれいうのは無粋というものだが、まあいろいろいいたくなるのも勿論分からなくはない。

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ステージのさまざまな仕掛け、大道具や、台車に乗って高さ120センチの床下を移動する仕掛けとか、ああいうのを見ていると芝居をやっていた頃の興奮がまざまざと蘇ってくる。追い詰められて舞台奥のがけ下に落下して消える、とかいう演出が多かったから。マットに向かって飛び込むとその位置でスタンバッてる女優が「お疲れ様」と声を掛けてくれる感じとか、Perfumeのステージも似たものがあって、こういうのって本当に生きてる感じがするよなと思う。まあ演技とかが上達するのも当然嬉しいことだけど、こういうケレン的な部分もまたステージの醍醐味なのだ。見る側も盛り上がるけど、やってる側もめちゃくちゃ盛り上がるんだよねこれは。

それは、一人の演技だけでなく、多くの人がその一瞬に向けて力をあわせて初めて成立する一瞬だからなのだ。その一瞬の興奮を、それに関わるすべてのスタッフで共有し、成功したら思わず音響室でもステージ袖でも思わず近くの人と握手してしまう、あの感じ。

一人で生きてて、一人だけで完全燃焼することっていうのはやっぱりなくて、多くの人とたましいを共有して、心を一つにして何かを成し遂げることによって始めて完全燃焼ということが成り立つんだと思う。だからそこで燃焼するものは、自我という小さなものでもあるのだろう。

そういうことを経験できたということは、本当に幸せなことだったんだなと今にしてしみじみ思う。

まあそんなことをPerfumeを見ながら思い返していたのだった。

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by Luke Peterson

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