大地震の余波続く/食器が割れガラスが飛び散った部屋を片付ける
Posted at 11/03/15 PermaLink» Tweet
2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震。今日15日はもう5日目だがまだまだ状況は不安定。最初は津波の被害や建物の倒壊などに目を奪われていたが、何日目からだったか主に原発事故の方に関心が移って行った。実際には被災地の窮状も重大な問題だと思うのだが、そちらの方の現状はどうなっているのだろう。あまり報道がないのが気になるが、ツイッターで見ると千葉や茨城の被災者はずいぶん大変そうだ。そちらにも関心が寄せられ、救援の手が手厚くなることを望みたい。また南三陸町の1万人不明という恐ろしい事態も9千人以上は避難していることが分かったらしい。とはいえ大変なことであることには違いなく、救援だけでなく救出にもまだまだ力を入れなくてはならない。関係者の方々の懸命な努力に敬意を表し、一人でも多くの人が救出され、避難されている方々に救援物資が行きわたり、早期に余震活動がおさまり、また原発もこれ以上の被害の拡大がないことを心から祈る。祈るべきことが多すぎて八百万の神様もお忙しいこととは思うが。
2日目からここ数日の私の動き。土曜日はあずさが動かなかったので上京は取りやめて、様子を見ることにした。日曜朝の状況を見て、帰るなら今日だなと思い、11時半の特急で上京。特に問題なく上京した。東京駅近辺では普段の日曜と変わらない。地方にいると東京も被災地みたいな気がしてしまうが、全然そんなことはなかった。普段買う店で食糧を調達し、家に帰る。
比較的のんびりした気分で家の鍵を開けたら、目の前に書類が転がっていた。これは、と思い部屋に入ると、家がひっくり返ったような騒ぎ。さすがに江東区の10階、揺れは半端ではなかったようだ。今までも震度5程度の地震で一度だけスチールの本棚が倒れたことがあったが、今回はスチールの本棚はすべて倒れ、木の本棚も二つ、またそれとは別にスライド式の重い本棚も倒れて、スチールの本棚がつっかえ棒になる形で途中で止まっていた。当然どの部屋もすごい惨状。
キッチンに入ると、食器棚の片方の扉が開いていて、床には食器が散乱。ほとんど割れていた。風呂場に行くと洗濯機が50センチほど移動している。相当揺れたのだろう。しかし、寝室の大きな箪笥は倒れず、その上に載せてあったサムソナイトの旅行かばんも落下してなかった。壁に掛けてあった絵が8枚あったが落ちたのは1枚だけ。画鋲でとめてあったチベット?の仏画が剥がれてはいたが。結構簡単な止め方だったのに絵は落ちなかった(位置が歪んではいたが)のには驚いた。
その時の惨状はこちらの方へ。食器はとにかくダメになってしまったのが多いし、下敷きになっていたんだ本もそれなりにあるし、スチールの本棚が直撃してガラスの入った本棚のガラスが4枚中3枚割れてその飛び散ったガラスを片付けるのも大変だった。余震によっては本棚はまた倒れるかもしれないと思い、つっかい棒をして本は半分以上床に平積みのままにした。帰宅したのは3時過ぎだったが、それから夜10時までぶっ続けでまず台所をかたづけ、割れたものを捨てに行く。居間を片付けるにもまず本棚を起こす前にその周りの本を取り除かねばならず、一つ一つ積んで行くともう必要ないよなあと思うような本がけっこう多くて、そのためにこれだけ苦労するのは割が合わないなと思ったりする。
とりあえず居間を片付けて居場所を作り、テレビを見られるようにする。幸いなことに、電気・ガス・水道・電話は問題なく、テレビ・レコーダーも大丈夫。買ってきた夕食を取りつつテレビを見たり。東電の会見を見る限りでは江東区は対象に入っていないし、電車の運行もあまり影響がないような感じのことを言っていたのでまあいいかなと思う。原発は爆発がたびたび起きたりしてたいへんな感じだったが。気合を入れ直して書斎というかパソコンのある部屋の片づけに。液晶モニタが本棚の上に載せてあったカラーボックスの直撃を受け、スタンド部分が机に引っ掛かっている状態。ぶちまけられた書類を場所を変えて置いて、机の周りを片付け、モニタを置きなおして配線を元に戻し、電源を入れたらパソコンはついて、ネットにも接続できた。一安心。やはり気分転換にネットくらい見られないときつい。こういう時に、自分が何に頼っているのかわかる。それから本棚のガラスが割れていることに気付き、それが本の上に降りかかっていて、これは対処に時間がかかるなと覚悟する。とりあえず目につく大きなガラスだけ集め、割れた食器と一緒にゴミ置き場に出しに行った。ご同類が多かったらしく、ゴミ置き場はすでに満杯に近かった。
そこまでやって10時くらいになったので、たいへんなベランダ側の部屋と本の上にぶちまけられたガラスの処理は次の日に回してネットを見てテレビを見て寝た。
月曜日は6時過ぎに起きてまずベランダ側の部屋の修復。とにかく本が多い。どんどん積むと場所がなくなって来るので、また倒壊の恐れはあるが仕方なく本棚にどんどん入れて行く。ときどき余震が来るが、倒れはしなかった。本の洪水の中からギターとキーボードを救出。斜めになった本棚の下に潜ってガラス付きのスライド書棚から少しずつ本を抜き取り、積んで行く。周囲の本をなんとか積み上げて、スライド書棚の下に入ってうんしょと持ち上げてみるがびくともしない。仕方ないからベランダ側に出て、そのあたりの本を積んで行く。ようやくサッシのところまで到達し、カーテンを開けてベランダに出た。これで寝室の側からも出入りできるようになった。斜めになったの本棚の下を何度もくぐるのはさすがに怖い。上段の本は半分以上は取り出せない。
取りあえず作業を続け、どうも一人の力ではこの本棚は動かせないということを悟った。しかし誰に頼めるだろう。いろいろ考えた結果、管理人さんに頼んでみることにした。管理人さんはこの騒ぎなので忙しそうだったが、一応手伝いに来てくれて(本当は緊急時以外室内に入るのは禁じられているらしい、でも緊急時だからと言って無理に頼んだ)一緒に持ちあげて貰ったが少しは動いたが壁につかえて動かない感じになった。つっかえ棒をしようとスライドを動かしたら管理人さんの指をはさんでしまい、大慌て。本当に迷惑な入居者だ。結局無理だということになって管理人さんは帰って行った。
どうしようかと途方に暮れる。困ったなあと思って再度一人で持ち上げると、書棚の前の扉が開き、どさどさどさ、と大量に講談社現代新書が落下した。だいぶ軽くなったので、もう一つの扉も開くようにつっかえ棒になっている本棚を動かしたらまたどさどさどさと落下。これでだいぶ軽くなったがまだ支えていないといけない状態で、しかもつっかえ棒の本棚もひっかけられない状態になり、進退きわまる。それでえい、と持ち上げたら動いた。見事にはまって、なぜかつっかえることなしに本棚を立たせることが出来た。ああ、助かった。
昼食休憩を入れ、自転車でイオンに出かける。書類をコピーし、一階の名店街で伊勢屋の菓子の詰め合わせを買う。自宅に戻って出直し、管理人さんに謝ってこれを、と差し出す。管理人さんは笑っていたが、これは気持ちの問題だから、受け取ってもらった。
それからとにかくひたすら本を積み、パソコンのある部屋のガラスを片付ける。計画停電の影響で中央線がストップしてしまったのでどうやって長野県に戻ろうかと思案したが、高速バスがあることを思い出しネットを見たら予約できたので新宿8時40分発の最終便の座席を取った。それからひたすらガラスを片付け、なんとか目に見えるところのガラスはすべて除去。そこまでで今週末の作業は終わることにし、耐震処理が出来なかったので椅子とかテーブルとかをつっかい棒にして、足りないところは物干しざおをつっかい棒にし、まあとりあえずこんなものかというところまでやって7時20分に出発した。
電車は混雑を覚悟して行ったのだが、東西線は上手く席に座れ、九段下で乗り換えた都営新宿線は開いているところもあって困難なく新宿についた。高速バスのチケットを買い、夕食が取れるところを探す。ヨドバシカメラの電飾が消えている。新宿の街は本当に暗くて、みなヤシマ作戦に協力してるんだなと思った。松屋が工事中で入れず、はなまるうどんで夕食。こういうファーストフード的なものを食べるのは久しぶりだが、正直何でも食べられるということが幸せなんだなと思いながら食べたらおいしかった。
高速バスも混雑を覚悟したがさほどでもなく、隣の席は来なかったのでずっと楽に座れて帰れた。こういう状況では一寸先は闇なので、次の日に状況がどう変わるかは分からないが、とりあえず日常の仕事に戻らなくてはと思う。なるべくテレビをつけず、ショーソンの交響曲やショパンのワルツを聞いたり、バルテュスの研究書を読んだりする。『神的批評』の柳田國男のところも少しずつ読み始めた。創作もアイディアは少しずつ浮かぶが、なかなかまだ形にはならない。
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