大雪/ヨソはヨソウチはウチ/教養とは善悪を知るもの
Posted at 11/02/11 PermaLink» Tweet
今朝は夜のうちから雪が降っていたが、朝起きたときはそう積っていたわけではなかった。今9時過ぎなのだけど、この時間、しんしんと降り続けていて、もう何度か雪かきをしたのに、そのあとがすぐに埋もれて行くという感じで、雪の厚さが増している。さてどのくらい積るのかな。
何を書くか、というよりも、どんなふうに書くか、という方が大事なのかもしれない、とふと思う。
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昨日借りてきた『ココ アヴァン・シャネル』をちらちらと見る。黒い瞳。昨夜は何となく居間でテレビを見ていて、ふと思いついて昨日届いたルネ・クレール監督『最後の億万長者』を少し見た。1930年代のフランス映画。なんか笑える。
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昨日読んだいくつかのマンガのうちで印象に残ったもの。『エレキング』忙しいけど、今は仕事もない人もいるんだから、あるだけありがたいと思って頑張らないとという人に、「ヨソはヨソ、ウチはウチ!自分と人とくらべて頑張らなくてもいいと思いますよ」という人。メッセージ性があって驚いた。それに上手いこと言うなあと。
『もしドラ』スーパーインタビュー。危険な金融商品を作ってリーマンショックをもたらしたアメリカのエリートたちに対して、上田惇生は「作ってよいものと悪いものがあるわけですよ。それを作ったってことは、教養がない、つまり善悪の観念がないからなんです。必ず、教養というのは善悪の観念がくっついていないといけない。……教養っていうのは社会の先頭に立つ人間が、その能力と時間を使って身につけておくべきものなんです。……現代においては経営者が社会のリーダーの役をやらないといけないのだけど、それゆえにそういう人たちが教養なくなると、社会全体が困るわけですよ。」という。そうだなあと思う。日本を代表する学者や経営者でも、そういうのがはっきりしていないというか、考えてなかったり考えることから逃げてる人はけっこういると思う。社会が複雑になってきていることもあって、善悪がよくわからない、何をやるべきで何をやってはいけないかが分からなくなっている人が多いということは思う。私もときどき分からなくなるところがあるから人のことは言えないのだけど。だけどそれは教養の問題だ、と言われるとなるほどと思うところがある。善悪というのは機械的に二分できる、誰かにその基準を預けられるものではなくて、一人ひとりが自分の信念に沿って正しいかどうかを見分けていかなければいけない。やりたいことがはっきりしていない、何が素晴らしいかが分からない人にそういう信念は持てないだろう。それを知るということが教養なんだろうと思う。だから、読まなければならない本も時代によって変わって行くし、だからこそ書かれなければいけない本もまた変わって行くのだと思う。私も、この時代に読まれなければならない本、書かれなければならない本が書けたらと思う。
『竹田副部長』AV女優がきれいすぎるのは問題だ、青少年が現実の女とやれなくなる、それが草食系男子の原因という主張。いや、何か笑った。しかしまあAVと言わないまでも、泰西名画の女性像に比べたって現実の女性に対してはいろいろ口には出さないが思うわけだが、まあ見てくれだけが問題ではないから、その主張はやはり一面的だと思うけど、何というか無理無理なことを言っているのについ説得力を感じてしまうのがおかしいと思った。泰西名画でもルノワールやルーベンスのようにでっぷりと腹が出ている女性像だってあるし、まあ色々なんだけど、青少年は勝手に理想の女体を描くのは確かだな。その理想像がAVで形成されるのは少々どうかなとは思うけど。
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風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡 | |
宮崎 駿 | |
ロッキング・オン |
昼前に書店に出かける。すごい雪なので、ずっと徐行して。本はいろいろ見たけど、結局宮崎駿『風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡』(ロッキングオン、2002)を買った。自分は根暗だった、ナウシカも根暗だ、という話を別の本で読んで、彼の暗さというのは不安とか弱さとかいうのではなく、心に怒りを秘めているということだなと思った。そして、その怒りは創作の原動力になる。手塚治虫のニヒリズムに対するアンチテーゼを叫び続けたいというようなことを言っていて、ずっと怒っていられるというのはやはり一つの能力なんだなと思った。その暗さをはっきりとキャラクターに結実させたのが『もののけ姫』のサンなのだそうで、なるほどと思う。明るく頑張る主人公が多い中で確かにサンは異質だ。それが宮崎の怒りを反映したものだと言われるとそうかとは思うけど、ナウシカの持つ秘めた怒りの系譜だと言われるとそれもまたなるほどと思う。
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